ラテンの熱さを封印したアントニオ・バンデラスの魅力が全開の『レッスン!』

社交ダンス界で活躍する世界的ダンサーが、ブロンクスの高校で生徒たちにダンスを教えながら、彼らに生きる意欲を持たせようとする…。一口に言えば、教師と生徒の交流を描いた感動ドラマではあるが、ユニークなのはアントニオ・バンデラス演じるダンサー、ピエール・デュレインのキャラクターだ。

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『レッスン!』 -(C)MMVI NEW LINE PRODUCTIONS,INC.ALL RIGHTS RESERVED.
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社交ダンス界で活躍する世界的ダンサーが、ブロンクスの高校で生徒たちにダンスを教えながら、彼らに生きる意欲を持たせようとする…。一口に言えば、教師と生徒の交流を描いた感動ドラマではあるが、ユニークなのはアントニオ・バンデラス演じるダンサー、ピエール・デュレインのキャラクターだ。

社交ダンスに身を捧げるデュレインは、どこからどう見ても完璧なまでに穏やかな紳士。女性にはめっぽう礼儀正しく、レディ・ファーストどころか、見知らぬ女性のドアの開け閉めさえも買って出るような男性なのだ。とはいえ、内に秘めているものは人一倍熱く、鬱屈した子供たちを見過ごしてなどいられない。しかも、考え方は柔軟で、子供たちの大好きなヒップホップを社交ダンスに取り入れることをよしとする幅の広さも持ち合わせている。

ラテンの貴公子、アントニオ・バンデラスは誰がどう見ても“熱い”外見だが、そんな彼が持ち前のギラギラ感を封印し、紳士然としたデュレインを好演。穏やかなようで熱い、その絶妙なバランスは、キャスティングの勝利によって生まれたものだとも言える。

生徒たちそれぞれのドラマもきちんと描かれているが、それらが胸に迫ってくるのは彼らを見つめるデュレイン先生の眼差しが感じられるからこそ。ある者は夜の先生宅を訪問してダンスパートナーへの恋心を打ち明け、ある者は崖っぷち人生の悲哀を先生にぶつける。彼のような師がいれば、それはとても恵まれたことなのだろうなと思う。

《text:Hikaru Watanabe》

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