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衝撃的なテーマで愛の世界を描いた『Candy』のニール・アームフィールド監督

ロンドンのロイヤル・オペラ・ハウスを始め各地に招聘され、オーストラリアの世界的な演出家として知られるニール・アームフィールド監督の本格的な映画監督デビュー作が『Candy キャンディ』。25年以上のキャリアを持つ演出家の手掛ける作品にしては、とても純粋で若々しいエネルギーに満ちた作品であることに驚かされる。ドラッグをポップに描くのではなく詩的で繊細な描写、静寂に満ちたひとときと情熱的な瞬間の美しい輪舞が、本作をこれまでのドラッグ映画とはひと味異なるものに仕立てている。映画を作る面白さに目覚めたという監督に、本作について訊いた。

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『Candy キャンディ』ニール・アームフィールド監督
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ロンドンのロイヤル・オペラ・ハウスを始め各地に招聘され、オーストラリアの世界的な演出家として知られるニール・アームフィールド監督の本格的な映画監督デビュー作が『Candy キャンディ』。25年以上のキャリアを持つ演出家の手掛ける作品にしては、とても純粋で若々しいエネルギーに満ちた作品であることに驚かされる。ドラッグをポップに描くのではなく詩的で繊細な描写、静寂に満ちたひとときと情熱的な瞬間の美しい輪舞が、本作をこれまでのドラッグ映画とはひと味異なるものに仕立てている。映画を作る面白さに目覚めたという監督に、本作について訊いた。

──この原作の映画化にあなたが強く惹かれた理由はどこにあったのですか?
「初めてこの本を読んだとき、物語の持つエネルギーに完全にノックアウトされた。と同時に、そこには人生のメタファーがすべて詰まっているような気がしたんだ。たとえば映画にも出てくる、ふたりが車のなかで愛し合っているシーン。彼らはお互いの情熱をぶつけて温かい世界を作り上げようとしているが、その外では風がぴゅーぴゅーと吹きすさんでいる。それは彼らを取り巻く世界を象徴しているようで、とても豊かな詩情に溢れていると感じられた。たとえ周りで何が起こっていても自分たちのこの世界を維持したいという人間の欲望と、愛し合うことの美しさを同時に表していて、人間という存在がとても興味深く描かれていた」。

──ドラッグで人間関係が崩壊していくのは、話としてはよくあるものだと思いますが、それをいかに新鮮な切り口で描くかということはあなたにとっての課題でしたか?
「まさにそれがポイントでもあったね。僕にとってこの物語はドラッグそのものではなく、今このときを永遠にしたいという衝動についてのものだ。彼らにとってヘロインは、それを可能にする手っ取り早い手段だったんだ。精神的な高揚によってその喜びを得られる。もちろん、結局はそれを破壊するものでもあるわけだけど。欲望を満たすためにどんな代償を強いられるのか、それはドラッグ中毒の彼らに限らず、多くの人に共通する普遍的な問題でもある。ドラッグはここでそうしたもののメタファーとして捉えられると思う。もうひとつの要素としては、この物語が純粋なラブストーリーであること。“本当の愛とは何か?”を問いかけている。物語の最後でダンは、それが大きな犠牲を伴うものであったことを理解するんだ」。

──主演の2人の演技が素晴らしいですが、すでにハリウッドでもキャリアを積んでいるヒース・レジャーに、新進女優のアビー・コーニッシュを組み合わせたキャスティングについて話してもらえますか?
「僕らはもともとスターを探していたわけではなかった。でもヒースにはとてもユーモアがあって、どこかしら道化的なセンスがある。それが滑稽なほど楽観的な要素を持ったダンの役にぴったりだと思った。アビーに関しては、実は彼女が初めて脚本を読んだのは数年前で、その時点ですごくこの役に興味を示していたけど、まだ若すぎると思ったんだ。でも製作の準備が整う頃にはちょうど役に見合う年齢になっていたし、女優としてもとても成長していた。最終的にオーディションで2人を会わせたときに、決まりだと思った。ヒースとアビーはとても相性が良くて、明らかに化学反応のようなものがあったから。実際彼らを見ていて、こちらの方が教えられることが多かったくらいだ。それぐらい彼らの演技は計算や分析を超えて、まるでボールが突進するようなインパクトがあったよ」。



『Candy キャンディ』で語る恋愛論
http://www.cinemacafe.net/special/candy/
《text:Kuriko Sato》

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