普遍的な恋の道程を音楽で綴る『ONCE ダブリンの街角で』

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『ONCE ダブリンの街角で』
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今夏、全米での公開時には口コミで動員数を増やし、徐々に大ヒットへの道をたどった話題のラブストーリー。ダブリンの街角に立つストリート・ミュージシャンの青年と音楽の才能を持つチェコ移民の女性が、音楽を通して惹かれ合っていくさまを描いている。

この映画がほかの恋愛映画と異なるのは、音楽を媒介に気持ちを高めていく男女の心情を劇中音楽に託して表現している点。そもそも、ふたりの関係は、街角で演奏中の青年に女性が声をかけたことに始まり、ピアノ店でのちょっとしたセッションを機に猛スピードで進んでいくのだが、彼らが距離を縮める中で、折に触れ発する歌詞やメロディからそれぞれの気持ちが伝わってくるという、ミュージカルにも似た形で展開していく。

やがて一緒にデモテープを作るまでに関係を深めていく彼らの姿は、一見ミュージシャンならではの恋模様に収まっているかにも見えるが、そこにあるのは誰もが抱く感情のあれこれ。共に気持ちを高まらせたかと思えば、次の瞬間には温度差が生じたり、はたまた、それぞれのバックグラウンドが恋する気持ちにブレーキをかけたり…。現実的で複雑だが確かな共感を呼ぶ普遍的な恋の道程に、思わず心を揺さぶられてしまう。

主演の男女を演じるのは、アイルランドのバンド「ザ・フレイムス」のフロントマン、グレン・ハンサードと、チェコのシンガーソングライター、マルケタ・イルグロヴァ。ふたりのミュージシャンによる本物の歌声が、本物の感動を呼んでいる。

《text:Hikaru Watanabe》

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