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世界の映画館vol.08 北京「字幕を読ませる気ないだろ!」

2日程、街を散歩していたが映画館に一度も出会うことがなかった。これで見つからなかったらホテルのコンシェルジュに聞こうかなあと思っていたのだが、その日の晩、中国に留学中の方々と飲む機会があり、彼らの大学近くの映画館を教えていただいた。

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北京にある大学の近くにようやく見つけた映画館
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2日程、街を散歩していたが映画館に一度も出会うことがなかった。これで見つからなかったらホテルのコンシェルジュに聞こうかなあと思っていたのだが、その日の晩、中国に留学中の方々と飲む機会があり、彼らの大学近くの映画館を教えていただいた。

チケット売場でガラスに張られたフライヤーを指さす。僕が指した映画は携帯電話をテーマにしたオムニバスの中国映画。50元(約800円)を支払い、パソコンの画面に映し出された座席を選ぶ。受付のおじさんは中国語、僕は日本語。何とかなるものである。

70名程度の小さな劇場は指定席。チケットを見ると5排4号と書かれている。「排」が「列」で「号」が「番」という意味なのだろう。始まる寸前まで、お客さんは僕一人だったが、スクリーンでスバルの車のCMが始まった頃、女性2人組のお客が入ってきた。

映画が始まる。中国では小さな民族も入れると200近い言葉があるらしいが、基本的に北京語が標準語とされ、スクリーンには北京語の字幕が出る。その字幕の下に英語の字幕も出る。あまり理解できないが、ストーリーを想像するには、少しは役に立つ。しかし、しかしである。読めないのである。文字が小さい? いや多少、小さいのかもしれないが、視力2.0の僕の目にはハッキリ見える。文字が消えるのが早いのである。まだ“I stand…”しか読んでいないのに、もう消えてしまう。なんだか記憶力テストをしているような感じである。

「字幕を読ませる気ないだろ!」

と字幕に突っ込みたくなる。しかし、人間とは適応能力があるもので、だんだん読めるようになってくるから不思議である。速読とか速聴とかはこうしてやるのかとさえ感心してしまう。映画自体は面白かった。次、中国に来た時はハリウッド映画を観たいものである。しかし、中国では、ハリウッド映画の上映を見かけない。あくまでうわさだが、著作権的なことが原因だとか。ただ、まだアメリカでも上映が始まっていないのに、すでに中国でDVDが売られていると言う。もちろん海賊版である。

(text・photo:ishiko
《シネマカフェ編集部》
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