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日本最高齢の監督・新藤兼人「カメラの横に立つと活力が湧く」 渾身の47作目が完成

これまでメガホンを握った作品46本、執筆した映画脚本は240本余り。御年95歳にしてなお日本映画の一線に立ち続ける、名匠・新藤兼人の最新作『石内尋常高等小学校 花は散れども』が完成した。広島を舞台に、少年時代からシナリオライターとして自立するまでの監督の原風景を描ききった本作。その完成披露試写会が5月21日(水)に行われ、新藤監督はじめ、柄本明、豊川悦司、大竹しのぶ、六平直政、川上麻衣子ら新藤組の面々が檀上に集結した。本作の舞台ともなっている新藤監督の母校・石内尋常高等小学校での式という設定で、一人ずつ役名を呼ばれて元気良く「ハイ!」と返事しながら登場し、校歌斉唱で幕を開けた。

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『石内尋常高等小学校 花は散れども』完成披露試写会(左後から)柄本明、大竹しのぶ、新藤兼人監督、豊川悦司、川上麻衣子、六平直政
『石内尋常高等小学校 花は散れども』完成披露試写会(左後から)柄本明、大竹しのぶ、新藤兼人監督、豊川悦司、川上麻衣子、六平直政
  • 『石内尋常高等小学校 花は散れども』完成披露試写会(左後から)柄本明、大竹しのぶ、新藤兼人監督、豊川悦司、川上麻衣子、六平直政
  • 『石内尋常高等小学校 花は散れども』完成披露試写会 柄本明
  • 『石内尋常高等小学校 花は散れども』完成披露試写会 豊川悦司
これまでメガホンを握った作品46本、執筆した映画脚本は240本余り。御年95歳にしてなお日本映画の一線に立ち続ける、名匠・新藤兼人の最新作『石内尋常高等小学校 花は散れども』が完成した。広島を舞台に、少年時代からシナリオライターとして自立するまでの監督の原風景を描ききった本作。その完成披露試写会が5月21日(水)に行われ、新藤監督はじめ、柄本明、豊川悦司、大竹しのぶ、六平直政、川上麻衣子ら新藤組の面々が檀上に集結した。本作の舞台ともなっている新藤監督の母校・石内尋常高等小学校での式という設定で、一人ずつ役名を呼ばれて元気良く「ハイ!」と返事しながら登場し、校歌斉唱で幕を開けた。

新藤監督の小学時代の恩師・市川先生を演じた柄本さんは、「日本の映画史を代表する新藤監督の47本目の映画に参加できて感動しています」と挨拶。現場については「同窓会シーンで、みんながスタンバイしているところに監督が入ってきて『監督の新藤です。よろしくお願いします』とおっしゃったときに、あ、いい現場に居させてもらったなと思いました。監督のシンデレラタイムは3、4時なんですけど、そのシーン辺りから監督が帰りたがらなくなって、スタッフが怒ってましたね(笑)」とふり返った。また、「本当に同窓会のような楽しい毎日でした。毎日撮影後にみんなで集まっておいしいものを食べて、2キロくらい太りました」と現場の仲の良さを伺わせたのは、新藤監督の同窓生・藤川みどり役の大竹さん。新藤組はこれが3回目だが、「監督がワンカットワンカット、エネルギーを注ぎ込んでいるのが伝わってきて、映画を作るのはこういうことなのだなと改めて教えてもらいました」と尊敬の念を表した。

冒頭の校歌斉唱で一番張り切ってみせた、同窓生・森山三吉役の六平さんは、「新藤監督とは4度目になりますが、どんどん若返ってるみたいで。『私はまだ映画のことがよく分からないので、これから勉強します』と言ってましたが、新藤監督が分からなくて誰が分かるんですか!」と監督との一幕を明かした。また市川先生の妻・道子役の川上さんも、「10代はとても怖くて、監督とお話できる状態ではなかったんですが、30年近く経ってまたご一緒させていただいて、毎日が貴重な時間になりました。大好きな作品なので多くの人に観ていただけたらと思います」と、こちらも監督との思い出話は尽きない。

若き日の新藤監督に抜擢された豊川さんは、この中で唯一、新藤組初参加だったが、「いまだに何で僕が呼ばれたのか分からないんですが(笑)。僕なんかが演じていいのかと思いましたが、現場で監督が僕の考えをとても大切にして下さって台本もどんどん変わり、すごくフレキシブルな経験でした」と充実した表情で語った。また隣の六平さんから「普段、人見知りの豊川さんも打ち解けてね。一番楽しい現場って言ってたよね?」と茶々が入ると、「楽しい映画はほかにもあるんですけど…、この映画はかなり楽しかったです」とはにかんでみせた。

そして、新藤監督は本作の完成を迎えて「スタッフや俳優さんに助けられて隅々まで撮ることが出来ました。これが最後だと思って力を振り絞りましたが、済んでしまうとまた何か撮りたくなりました」と語った。撮影現場では車椅子での移動を余儀なくされたが、「長い間携わった仕事場なので、カメラの横に行くと妙に活気が出てくるんです。這いずり回ってでも映画を撮りたいです」という言葉に、一同は感慨深げに聞き入っていた。最後に、今後撮りたい作品のテーマについて「人にとって家とは何か? 人間のつながりとは何か? を撮りたい」と語ってくれた。「一本の映画にかける気持ちはいっぱいです。どうぞよろしくお願いします」と語る監督の集大成『石内尋常高等小学校 花は散れども』は、9月下旬、シネカノン有楽町1丁目ほか全国にて公開にて公開。
《シネマカフェ編集部》

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