「相当恵まれた現場で主演を務めさせてもらった」尚玄『ハブと拳骨』を語る

ベトナム戦争の時代、いまだアメリカ軍の占領下にあった沖縄。三線弾きの遊び人青年・良。つつましくソーキ蕎麦屋を営む母と、血の繋がらない兄・銀と妹の杏。フラフラした生活を母にたしなめられながらも仲良く暮らしていた一家だったが、米軍の交通事故をきっかけに暗い運命に巻き込まれていく…。米軍は気に入らないけど、彼らなしでは生活できない。そんな苛立ちをも垣間見せる良を演じた尚玄に話を聞いた。

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『ハブと拳骨』尚玄 photo:HIRAROCK
  • 『ハブと拳骨』尚玄 photo:HIRAROCK
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ベトナム戦争の時代、いまだアメリカ軍の占領下にあった沖縄。三線弾きの遊び人青年・良。つつましくソーキ蕎麦屋を営む母と、血の繋がらない兄・銀と妹の杏。フラフラした生活を母にたしなめられながらも仲良く暮らしていた一家だったが、米軍の交通事故をきっかけに暗い運命に巻き込まれていく…。米軍は気に入らないけど、彼らなしでは生活できない。そんな苛立ちをも垣間見せる良を演じた尚玄に話を聞いた。

良というキャラクターを「自由奔放で定職にも就かず遊び歩いている人間」と称する。
「監督といろいろ話し合って、僕自身が持っているかもしれない軽薄な部分とか、陽気な部分を広げていく作業でした。どちらかと言うと良はチャラくて、ちょっとダメな弟(笑)。すごく真っ直ぐでバカ正直なんです。監督やスタッフのみなさんが、心配してらしたのは、多分その辺なんですよね。もちろん、自分に近い部分もすごくあります。僕にだって、そういうストレートな部分はありますし。でも僕はあんまりクールじゃないんですよね、本当は(笑)。だから、自分が持っている垣根を一個ずつ外していくという感じでした。それに、銀が無口で無骨な兄というキャラクターなので、そのバランスも意識しました。僕自身ひとりっ子で、兄弟がいる感覚を持っていなかったので、銀役の(虎牙)光揮さんの家に泊まりに行ったり、2人で過ごす時間を増やしたりして、兄弟の関係を築いていきました」。

元々は本作のクリエイティブ・ディレクター(原案、音楽も担当)の田中雄一郎から「戦果アギャー(米軍物資を横流しして生活する子供たち)の映画を作りたい」という話が出た。
「もう2年くらい前になるんですが、シナリオハンティング(脚本を書くための取材)に同行させてもらったんです。プロットはすでに出来ていて、三線弾きの戦果アギャーの話って。実は、このときまで三線には触ったこともなくて(笑)。だから1年かけて練習しました。吹き替えじゃなくて、そこは自分でちゃんとやりたかったんです」。

モデル活動のほか、舞台やドラマ、CMなどに活躍の場を広げているが、そもそもこの作品が役者活動のスタートとなった。
「撮影前のリハーサルが2週間くらいあって、監督にもたくさんダメ出しをくらいながらで苦労しましたね(笑)。演技経験が初めての人間を主役に起用するというのは、やっぱりリスクですよね。でもそれを周りの役者さんの方たち、スタッフ、監督が撮影の前からワークショップなどで、役者同士でキャラクターを作っていく時間を作ってくださったんです。そういうことって、普通の現場では出来ないことなんですよ。『ハブと拳骨』の後にいくつか作品を重ねてきて、『あのとき、僕は相当恵まれた現場で、本当にみんなの支えがあって主演を務めさせてもらえたんだな』と、いまになって感じています」。

尚玄さんが演じた良は、小さい頃から母に拳骨をもらいながら成長した遊び人。尚玄さんの子供の頃はと言うと…?
「拳骨はされた覚えはないんですけど、僕には放浪癖があるから(笑)、自転車に乗って立ち入り禁止区域に遊びに行ったりしてよく怒られました。いまでも休みがあるとすぐに1か月くらい、どこかに出かけちゃうんですよ。去年はインドに行ったし、今年はトルコに行きました。ミャンマーとかエジプトとか…。違う文化のところに行くのが楽しいんですよね」。

《photo:Hirarock》

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