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『ももへの手紙』美山加恋&優香インタビュー 母娘役を通して気づいた、宝物

すっとその世界に入り込み、じわりと心を動かされ、ずっと記憶に残る──そんな宝物にしたいと思えるような映画と生涯何本出会えるだろう。『ももへの手紙』は間違いなくその1本となりえる名作。母と娘、父と娘、彼らを取り巻く人々とちょっと変わった妖怪たちが伝えるのは、家族の絆。ずっと傍にいてくれると思っていた父親を突然失ったヒロインのももが、「ももへ」とだけ綴られた書きかけの父の手紙を見つけたことで始まる彼女の心の旅。心と心を繋ぐその旅路の先には、すべての人を優しく包み込む愛が待っている。そして、キャラクターに声という命を吹き込んだ、美山加恋と優香にとってもこの作品は宝物となり、「心があたたまる映画」と、それぞれの想いを言葉にする。

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すっとその世界に入り込み、じわりと心を動かされ、ずっと記憶に残る──そんな宝物にしたいと思えるような映画と生涯何本出会えるだろう。『ももへの手紙』は間違いなくその1本となりえる名作。母と娘、父と娘、彼らを取り巻く人々とちょっと変わった妖怪たちが伝えるのは、家族の絆。ずっと傍にいてくれると思っていた父親を突然失ったヒロインのももが、「ももへ」とだけ綴られた書きかけの父の手紙を見つけたことで始まる彼女の心の旅。心と心を繋ぐその旅路の先には、すべての人を優しく包み込む愛が待っている。そして、キャラクターに声という命を吹き込んだ、美山加恋と優香にとってもこの作品は宝物となり、「心があたたまる映画」と、それぞれの想いを言葉にする。

ももの声を演じるのは、ドラマ「僕と彼女と彼女の生きる道」の凛ちゃん役で、多くの人を感動させた若手女優の美山さん。通常の演技とは異なり、「アニメーションに合わせて感情を表現するのが難しかった」と苦労を口にするが、責任ある主人公のももを、誰もが共感できるキャラクターに仕上げているのはさすがだ。「ももは、お父さんのことで悩んでいて…そんなももの心情を演じられるのか不安もありました。でも、本当は明るい子、面白い子なんです。そういうギャップを演じたいなと思いました」。役へのアプローチも完璧だ。

美山さんの発言に「うんうん」とうなずき、微笑みを投げかける優香さん。沖浦監督から母・いく子役のオファーを受けたときは「えっ、私がお母さん役ですか?」と驚いたそうだが、本人の「私は大人っぽい声ではないのに…」という心配はまったく不要。優香さん以外は考えられないと思ってしまうほどキャラクターに寄り添ってみせた。「いく子さんそのものが素敵だったから」と魅力を語る。「絵コンテを見たときから素敵なお母さんだなって思ったんですよね。これまでにマンモスやサルの声はやったことがあるけれど(笑)、人間の役をやったことがなかったので、最初はものすごく不安だったんです。それが、実際に映像を見ながらいく子さんのセリフを言ってみると、とても気持ち良くて。いく子さんに自然になれる感じがした。夫を亡くした悲しみを抱えているけれど、ももの前では絶対に悲しい姿を見せない強い人、そして明るい人。そういういく子さんを演じることが、ものすごく気持ち良かったんです」。

もちろん、母娘、優香さんと美山さんの息もぴったりだった。「毎日のようにテレビで優香さんを見ていたので、すごく楽しみだったんです。優しくて、安心してアフレコができました!」と、キラキラとした瞳で、同じ事務所の憧れの先輩との共演を喜ぶ美山さん。一方、優香さんは「加恋ちゃんのことは、ずっとドラマで見ていたので、(あんなに小さかった凜ちゃんが)こんなに大きくなったのね…って、まずその成長にびっくりしました。アフレコからしばらく経ってこうして会うと、また成長していて。どんどんお姉さんになっていく。つい母親の目線で見ちゃいますね(笑)」。その眼差しは、スクリーンの中でいつもももを優しく見守っていた母・いく子のそれと重なる。

アフレコ中、「あんなことがあったね、こんなことがあったね」と、2人が思い出を語る中で一番盛り上がったのは、ももの前に突然現れる“見守り組”。妖怪のイワ、カワ、マメについてだ。妖怪の登場に「びっくりした!」けれど、「マメがものすごくかわいいんです! 動きもかわいい!」と、キモカワキャラのマメがお気に入りだと声が弾む美山さん。「そうそう、マメかわいいよね! マメがももの足をペロンって舐めて、ももが叫ぶシーンが好きだったなぁ」と、優香さんもとびきりの笑顔を見せ、「妖怪たちは(現代に)突然現れるけれど、違和感がないんですよね。ファンタジーなんだけれどファンタジーじゃなくて、本当にいるかも? って思えるというか。映像が繊細だからこそリアルに思えるのかもしれないですね」と素晴らしさを熱く語る。そんな妖怪たちの存在は、映画にクスッと笑えるコミカルさを与え、さらには、何故ももの前に妖怪たちが現れたのか? その理由にこそ作品のテーマが潜んでいる。見えないけれど繋がっている、“人と人との繋がり=絆”がしっかりと描かれているのだ。

また、ももといく子を通して11歳の頃の自分自身、幼い頃の記憶もよみがえってきたと懐かしむ。彼女たちが11歳の頃に記憶をさかのぼってもらうと──「リレーの選手に選ばれるくらい運動は得意だったけれど、みんなの前ではなかなか発言できない消極的な女の子でした」というのは優香さん。「いく子さんを演じながら、自分がももの年齢の頃を思い出していたんですけど、小学校の頃のお母さんって、ものすごく“お母さん”だった気がするんですよね。年齢で言うと50〜60歳ぐらいの印象? でも、実際はそんなにお母さんじゃないというか、ひとりの女性でもあったんだなって」。優香さんは現在31歳。39歳のいく子の年齢には少し遠いけれど、30代を迎えたいまだからこそ当時の母の気持ちに「近づけた気がする」と、しみじみとした表情を見せる。現在15歳の美山さんにとっての11歳という年齢は「役者さんとして頑張りたいという夢が出てきた時期」であり、その大きな決意、若くして自分の生きる道を決めたことに「すごいね、すごいね」と感心する優香さんの表情は、やはりいく子さんそのものだった。

そして、こう続ける。「家族って、近すぎるがゆえに本当の気持ちを伝えられない、そういうこともありますよね。家族だから分かるでしょ? って、つい思ってしまう。思春期の頃は特にそうで、私にもそういう時期がありました。大人になってからも、仕事であったつらいこと大変なことを伝えられずにひとり我慢したこともありました。だから、ももの気持ちはよく分かります。30代を迎えたいまは、いく子さんの気持ちも分かる。そういう意味では、いろいろな目線で観ることのできる映画だなって思うんですよね。うん、気持ちって伝えないと分からないんですよね」。優香さんが深くうなずきながら最後に放った一言は、まさにこの映画のテーマそのもの。『ももへの手紙』はきっと大切な人に想いを伝えたくなる、当たり前だけれどとても大切なことに気づかせてくれる、誰にとっても宝物と言える1本になるだろう。



特集:『ももへの手紙』の世界へようこそ
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《text:Rie Shintani》

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