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斎藤工、結婚に求めるものは「輝かしい部分と残酷さ」…「プロポーズがゴールじゃない」

最近、観た映画の話になると、斎藤工は文字通り目を輝かせて、英語の字幕さえもついていないというインドネシア映画についてまで熱く語り始める。そして、恐る恐るこの日のインタビューの目的である最新主演作でBeeTVで…

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ドラマ「最上のプロポーズ」斎藤工/Photo:Naoki Kurozu
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最近、観た映画の話になると、斎藤工は文字どおり目を輝かせ、自分の作品そっちのけで英語の字幕さえもついていないというインドネシア映画について熱く語り続ける。一段落ついたところで、恐る恐るこの日のインタビューの主目的である最新主演作でBeeTVで配信中のドラマ「最上のプロポーズ」について尋ねると、「俳優、辞めなくて本当によかったです」と顔をほころばせた。その感想にホッと胸をなでおろしつつ、その言葉の真意を尋ねた。

「最上のプロポーズ」は、そこで花を買って意中の相手にプロポーズすれば、必ず幸せになるとうわさの花屋に集う男たちを描いたオムニバス作品。『EUREKA』、『東京公園』などで海外でも高い評価を受けるあの青山真治監督がメガホンをとっている。

以前から「青山さんの世界観が大好きで、特に『EUREKA』は僕の中で邦画のベスト10に入るような作品」と語る斎藤さん。映画ファンとして敬愛する監督の作品への出演オファーに心が震えた。

「でも、実際に届いた脚本を読んでみたら、いい意味での“違和感”を感じたんですよ。『これをどういう作品に仕上げるんだ?』って。ほかの監督だったら完成した状態を想像できたと思うんですが、そこが未知数で…。これまでの青山さんの世界観や哲学とはまた異次元の作品になるんじゃないかとも感じましたね。『東京公園』や舞台のお仕事を経て、青山さんにとって第2章に差し掛かっている時期に出会えたのかなと思ってます」。

だが「ひとりの映画ファン」としてではなく、「メインキャストのひとり」として本作に臨む上では「正直言って、撮影の初日まで不安はあった」とも。

「というのは、監督の演出はかなり厳しいといううわさを聞いてたんです(笑)。でも実際には細かく演出されるってことはほとんどなかったです。青山監督作品というのを強く実感したのは演出よりも、むしろスタッフさんを含めた現場に対してですね。画面に映らないような部分にまで本物が用意されていて、そういう職人の本気度に対して、演者として士気が高まったし、刺激を受けました」。

斎藤さんが出演しているのは、かつて深い心の傷を与えて終わってしまった初恋の女性と再会した男のプロポーズを描いたエピソード。登場人物、そして物語への共感をこんな言葉で語る。

「僕は、他人に対して負い目やトラウマを抱えている状態ってのはある意味で人として正しい状態なんじゃないかと思ってて。逆に100%、他人に対してオープンでいられる人というのは信用できない気がする(笑)。一つの出来事に対して、加害者と被害者で受け止め方が違ったり、自分勝手に記憶を整えてしまうという人間の習性ってよくあることだなとも思います。そういう意味で、ここに登場する2人の関係性ってあながち大袈裟でもなくて、あり得ることなんじゃないかなと思うんです。だから単なるラブストーリーとしてだけでなく、いろんな思いや過去を抱えながら生きている人間が絡み合っていくドラマとして楽しんでもらえると感じました」。

冒頭に紹介した「辞めなくてよかった」という言葉は直接、一緒のシーンはなかった向井理、金子ノブアキ、小出恵介といった同世代の俳優陣との共演について語られた喜びの言葉である。

「30前後ってちょうど、同年代の同業者が減っていくのを感じる頃なんですよ。僕と同じ学年で昔から一緒に仕事してきて、いまもやってるのは…綾野剛くんとか高岡蒼佑くんくらいかな? 小出くんは少し若いけど、向井くん、金子くんは同学年でここ数年、すごく気になる存在だった。僕らの世代にとっては特別な青山真治という監督の下で、このラインナップに加われるとは思ってなかったから…ここまで続けてきたことへのご褒美のようなプロジェクトだなと感じました」。

自身のキャリアを「デビューした頃に華々しい時期があったわけでもないし、オーディションなしでお仕事をいただけるようになったのはごく最近」と冷めた口調でふり返る。ここ数年、三池崇史監督作(『逆転裁判』『愛と誠』)を始め、メイン、脇役を問わず数多くの映画やドラマで存在感を発揮しているが「来年はどうなるか、本当に分からない」とサラリと語る。

「不安定だし、何かあれば、すぐにネットでつぶやかれちゃう(笑)。人に勧められる職業じゃないですよ」とボヤきは止まらないが、確実にここ数年で演じることへの変化を感じているとも明かす。

「僕自身の変化というよりも、共演者の方との“共鳴”の仕方ですね。憧れの俳優さんであったり、子役の子であったりいろんな共演者がいるけど、感情のぶつけ合いの中で起きてる化学反応、その場で自分とその人との間にしか存在しない共鳴を、完成した映画を観て感じることは増えましたね」。

演じることと同じくらいか、それ以上に映画を観ることが好き。「でも、どんなに多くの映画を観てても、演じるのに役立つかと言えば別物。演じるということはもっと動物的な感覚」とシビアに語るが、映画に出ている役者という切り口ではなく、あくまで一つの作品として見つめる視点は「観客席からの意識が強い」というこの男ならではの特徴。

「あくまでその映画の中で『このキャラクターいいね』と思ってもらえる――そういう形で映画に貢献したいというのが基本ですね。逆に、これまでの役柄のイメージってその作品を純粋に楽しむ上で時に邪魔になると思ってる。『僕は過去にこういう役をやってきて今回、新たな挑戦を…』とか言う俳優さんは苦手なんです(笑)。プロセスなんてどうでもいいよ! って思うんで。1作ごとにリセットされる緊張感。いつまで経っても精神的に頼れるものがないのが役者という仕事。不安のループですからね…(笑)」。

最後に役者としての哲学と同様に、“プロポーズ”に対しての哲学、考えをひと言!

「そうですね、サプライズは大事にしたいと思います。最近『愛、アムール』(ミヒャエル・ハネケ監督)や『ブルーバレンタイン』(ライアン・ゴズリング&ミシェル・ウィリアムズ共演)を観て、異性と共存するってこういうことなのか? と思ったんです。他人と共存することの輝かしい部分と残酷さの両面を含めて結婚があってほしいなと考えさせられました。だからプロポーズがゴールにならないよう工夫したいですね。まあそもそも自分のキャパ的に、80年代的な女の子の夢のプロポーズというのは難しいだろうってのがあるんですが(笑)」。

BeeTVドラマ「最上のプロポーズ」はdビデオ&BeeTVにて配信中。

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《photo / text:Naoki Kurozu》

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