1960年代のロンドン。冷戦時代に突入し、社会は不安に揺れていた。幼なじみのジンジャーとローザは、生まれたときからずっと一緒だ。ファッションのこと、政治のこと、宗教のこと。なんでも語り合い、共に成長してきた。だがやがて、2人の間に溝が出来始める。ずっと変わらないと思っていたものは、少しずつ変化していった。あの頃ほど、「世界」について考えた時期はなかったな。わたしを取り囲む世界。 わたしの中にある世界。それはとても小さく、それでいて限りなく広い。昨日までの世界を壊して、新しい世界を作る。 けれどもまた明日には終わりが来て、別の居場所を捜さなければならないのだ。捉えようとしても一向につかまえることのできない「世界」の正体は、まぎれもなくわたし自身なのだけれど。思春期の繊細な感情と不条理な世界。それを越えていく瞬間のきらめきを描いた『ジンジャーの朝』エル・ファニングが見せる“世界の終わりと始まり”が眩しい一本でした。8月中旬、公開だそうです。