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【MOVIEブログ】1月オススメ映画『MUD-マッド』『さよなら、アドルフ』ほか

今年は毎月オススメの作品を紹介していきたいと思います。1月のイチオシは『MUD-マッド-』と『さよなら、アドルフ』タイプは違いますが、どちらも主人公は14歳で子ども…

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『MUD -マッド-』-(C) 2012 , Neckbone Productions, LLC.
『MUD -マッド-』-(C) 2012 , Neckbone Productions, LLC.
  • 『MUD -マッド-』-(C) 2012 , Neckbone Productions, LLC.
  • 『さよなら、アドルフ』-(C) 2012 Rohfilm GmbH, Lore Holdings Pty Limited, Screen Australia, Creative Scotland and Screen NSW.
  • 『ほとりの朔子』-(C) sakuko film partners
  • 『ROOM237』
今年は毎月オススメの作品を紹介していきたいと思います。

1月のイチオシは『MUD-マッド-』と『さよなら、アドルフ』タイプは違いますが、どちらも主人公は14歳で子どもから大人になる様を描いた秀作。まだ公開中か、これから全国順次公開される作品ばかりですので、ぜひ劇場でご覧ください。

『MUD-マッド-』
少年が大人の世界に触れ、成長する青春映画であり、島に潜伏する逃亡犯をめぐる冒険映画でもある。離婚寸前の両親との家族ドラマ、年上女性との甘酸っぱい恋、知らずに巻き込まれていく危険な犯罪。映画を面白くする要素がすべて詰まっているかのような盛りだくさんな内容を、14歳の少年2人を軸に愛の物語として上手くまとめ上げている。終始緊張感は保ちつつ、ユーモアも挿みこむ演出はジェフ・二コルズ監督の貫禄と余裕。大人に憧れ、大人に幻滅し、自分も大人になっていく。少年2人はこれからどんな人生を歩むのだろう。アメリカ南部、不穏な川岸を舞台に描かれる重厚な映画、それでも鑑賞後は清々しい気持ちになれる傑作だ。


『さよなら、アドルフ』
ナチスの親を持つ子どもたち。両親は戦犯として逮捕され、幼い姉弟たちだけで祖母の家がある遠い北へと向かう。14歳の長女はこの過酷すぎる旅で厳しい現実に直面する。真実を知る。親から叩き込まれた価値観が崩れ落ちる。手持ちカメラによる視野の狭い映像は彼女の心情を表し、戦後の悲惨な傷跡を容赦なく観客に突きつける。原題は少女の名「LORE」。ラストシーンがあまりに素晴らしく震えた。少女から大人へ、いや、本当の自分「ローレ」という人間になるのだ。つらい映画だが、彼女の存在に救われる。


『ほとりの朔子』
あまりに淡々とありのままの日常が描かれるので、序盤は少し退屈するかも。この抑えた演出はすべて計算されたもの、しだいに人間の滑稽さが際立ってくる。ひと癖あるキャラクターたちが集う誕生会のシーンが本作最大のハイライトで、あるあるな気まずさが面白いシニカルな会話劇。力の抜けた演技も素晴らしい二階堂ふみの魅力に心奪われ、朔子が過ごしたひと夏の余韻に浸る。


『ROOM237』 
人物や現象ではなく、一本の“映画”を題材にしたドキュメンタリー。このような映画の存在自体がレアで画期的だと思う。狂信的な深読み『シャイニング』論に驚愕&爆笑。キューブリックへの異常な愛情と『シャイニング』への情熱が作品に説得力を持たせている。“映画”を愛しすぎた、愛すべき映画。


『ROOM237』は自分の宣伝作品ですが素直に面白いのでご紹介、ただし『シャイニング』を観ている映画ファンの方に限りますw
今週末公開の本命2本『アメリカン・ハッスル』『ウルフ・オブ・ウォールストリート』にも、もちろん期待。それではまた来月。
《text:Shinpei Oguchi》

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