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【雅子BLOG】絶賛公開中!『イヴ・サンローラン』

お久しぶりです。更新が滞ってしまいゴメンナサイ。その間にいくつかの映画を観てましたが、まずは、絶賛公開中の『イヴ・サンローラン』です。6月のフランス映画祭で上映され話題になったのは記憶に新しいですが、いよいよ待望の公開となりました。

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映画『イヴ・サンローラン』 -(C)WY productions - SND - Cinefrance 1888 - Herodiade - Umedia
映画『イヴ・サンローラン』 -(C)WY productions - SND - Cinefrance 1888 - Herodiade - Umedia
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お久しぶりです。更新が滞ってしまいゴメンナサイ。その間にいくつかの映画を観てましたが、まずは、絶賛公開中の『イヴ・サンローラン』です。6月のフランス映画祭で上映され話題になったのは記憶に新しいですが、いよいよ待望の公開となりました。

私はフランス映画祭以来、約3か月ぶりの鑑賞でした。公開までの間に回っていたマスコミ試写には残念ながら行かれなかったので、劇場で改めて観るつもりでいました。初日に行くという気合いの入れよう?

監督はジャリル・レスペール。本作は、まるでドキュメンタリーのようにサンローランの華麗なる史実を追うけれど、2011年に公開されたドキュエンタリー映画『イヴ・サンローラン』(ピエール・トレットン監督)を先に観ることをオススメする。サンローランの引退会見から始まり、彼を支えるパートナーのピエール・ベルジェが語り部となり映画は進み、フランスモード界とは切っても切れない西欧の貴族社会をも垣間見れるからである。
ま、そんなことはどうでもいいかもしれないけれど知って観るとより深く入り込めるであろう本作は、フランスモード界の帝王と呼ばれたイヴ・サンローランの若き日、ディオール時代から、自社を立ち上げ世界的な成功と苦悩にもがく様を描く。レスペール監督は、ありがちな天才の光と影の部分以上に、彼を支えるベルジェとの愛の物語を描きたかったと語る。そして、サンローラン役の人選には一苦労もあっただろうが、フランスが誇るコメディ・フランセーズに在籍するピエール・ニネに白羽の矢があたった。

彼はその期待に応えるべく、5か月の訓練を経て見事サンローランに化け、存命のベルジェ本人を戸惑わせたというから驚きだ。顔が似ているというより、サンローラン独特の所作、声の出し方など、品格や雰囲気などに近いものを感じたのが決め手となったそう。もちろんそれを表現できる演技ということでも。ベルジェには、同じくコメディ・フランセーズ会員の演技派ギヨーム・ガリエンヌ。緻密な演技が深みを出す。また、サンローランに明るさと刺激を与えた仏貴族の娘ルル・ド・ラ・ファレーズにローラ・スメット、悪友モデルに元首相ドビルパンの娘を持って来るあたり、フランス映画界の奥深さ、層の厚さにも敬意を払いたい。そこいらのネーチャン女優では彼女らを演じるには無理があり、それは演技以前の問題なんである。また、イヴ・サンローラン財団の協力を得て、当時の衣装がそのまま使用され(ラストのコレクション部分)ているのも見所のひとつ。フランスの財宝であるイヴ・サンローランの映画を作るにあたり、フランス映画の矜持を見せつけられた。

私が好きだったシーンは、ラストのバレエ・リュスにインスパイアされた伝説のコレクションシーン(感涙!、いつまでもマリア・カラスの唄うトスカがリフレインする…)と、モロッコで青春を取り返すかの如くバイクに乗って自由を満喫するサンローランのすがすがしさ。そして、彼が彼であるための姿、無我夢中でデッサン画を描く繊細な手。それは苦悩の裏にあるかけがえのない忘我の一瞬。

ところで、日本に於けるこの映画を支持する観客はどのあたりだろうか? まずはイヴ・サンローラン・リヴ・ゴーシュが日本上陸したことを知っている、リアルに着た世代、モード関係者、モード系学生、おしゃれ好きな人、フランス映画好き、もちろん映画好きの人、他いろいろ…。個人的には、ファッション好きと公言する若い女子(特にモデル)にも観てもらいたいと願うんだけどね!
《text:Masako》

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