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ジブリ米林宏昌監督、新作構想&“カオナシ”モデル説の真相を語る!

スタジオジブリの『思い出のマーニー』がブルーレイ&DVD発売を前に3月7日(土)、「三鷹の森ジブリ美術館」によるイベント「三鷹の森アニメフェスタ2015 ~アニメーション古今東西 その12~」にて上映され…

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新作の構想を明かした、スタジオジブリ米・林宏昌(監督)
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スタジオジブリの『思い出のマーニー』がブルーレイ&DVD発売を前に3月7日(土)、「三鷹の森ジブリ美術館」によるイベント「三鷹の森アニメフェスタ2015 ~アニメーション古今東西 その12~」にて上映され、米林宏昌監督がトークセッションに出席した。

「アニメーション古今東西」は三鷹の森ジブリ美術館が厳選した世界のアニメーションを上映するイベントで、今年は200名超が招待され、宮崎駿監督引退発表後に製作された初のジブリ作品で昨夏に公開され、日本アカデミー賞「優秀アニメーション作品賞」を受賞した『思い出のマーニー』が上映された。

米林監督は、鈴木敏夫プロデューサーから英国の児童文学の名作「思い出のマーニー」を託されたが、原作は主人公の心理描写が多く「どうアニメで表現するのか? 難しいと思った」と当初、アニメ化には乗り気ではなかったと明かす。「原作ではアンナ(※映画では舞台を日本に移しており、日本人の少女・杏奈)が、“普通の顔”で他人と接しているとあるんですが、普通の顔を絵と動きで表現しないといけない…」とその難しさに触れつつ、杏奈を絵を描く少女にし、月夜のダンスシーンなどを加えることでアニメーションとしてのイメージを膨らませていったという。

美術監督に、数々の実写映画の美術監督(Production Designer)を務めてきた種田陽平を起用しているのも大きな特徴だが「実写の美術監督がアニメに関わるとどうなるのか? 面白いと思った。種田さんの力で立体感のある美術ができた」と語る。

北海道を舞台にした点も「北海道の実際の風景に感動して、絵にしてみると絵が風景に負けてつまらなくなっちゃう(苦笑)」とかなり難易度の高い挑戦だったよう。「そこが宮崎さんが(ジブリ作品で北海道を舞台に)やらなかったこと(=理由)なのかも。宮崎さんは『瀬戸内の方がいいんじゃないか?』と言ってましたが、薄曇りの空など、これまでのジブリにない空気が描けたのではと思う」と手応えを明かす。

声優にはマーニーに有村架純、杏奈に高月彩良を起用した。特に今をときめく有村さんは、オーディションでトップバッターだったそうだが「マーニーを出来るひと、『ふふ』っと笑う演技ができる人は(他に)いなかった」と称賛する。

トークでは米林監督自身のアニメーション作りや絵の原点についても語られた。生まれも育ちも石川県で、地元の金沢美術工芸大の出身だが、同大学は『おおかみこどもの雨と雪』やこの夏公開予定の最新作『バケモノの子』が注目を集める細田守監督も卒業生。在学期間は重なっていないが、細田監督の卒業制作を学生時代のバイト先の映像制作会社で目にする機会があり、その質の高さに驚いたそうで、意外な2人の接点が明らかに。

また、これまでに影響を受けた作品としてフェデリコ・フェリーニの『道』や『2001年宇宙の旅』(S・キューブリック監督)、『ミツバチのささやき』(ビクトル・エリセ監督)を挙げ、アニメではジブリの『耳をすませば』を見て「感動して、こういうのを作る会社なら働きたい」とジブリ入社を決めたと明かす。

また子どもの頃から「ドラえもん」や鳥山明(「ドラゴンボール」)の漫画が好きだったほか、少女漫画が好きで「りぼん」(集英社刊)を購読しており、少女漫画にも多大な影響を受けていると語った。

ちなみに、自分の監督作品を公開後に見返す機会はあまりないそうで「家に帰ると子どもが『アリエッティ』を観てたりして…」と苦笑い。『マーニー』公開に合わせて昨年、画集「汚れなき悪戯」が発売されたが、本人は「僕は自分の絵がキライ! 画集も恥ずかしくてしょうがない。もうちょっとうまく描けたらと思ってしまう。このタイトルを決めたのは僕じゃなくて鈴木さん」と苦笑いを浮かべていた。

この日は、会場の観客の質問にも答えたが、ジブリキャラクターで自分と一番似ているのは誰? という質問で、長年、言われ続けてきた『千と千尋の神隠し』のカオナシのモデルが米林監督だというエピソードについて言及。「実際にはカオナシのシーンを僕が描いてたんです。それを宮崎さんがラッシュで観て『麻呂(=米林監督のニックネーム)じゃないか! (アニメに)入ってきた』と言ったのが、いつの間にか僕がモデルと言われるようになった」と真相を説明した。

米林監督、そしてスタジオジブリが今後、どのような新作を生み出すのかが気になるが、米林監督は、今後の体制などについては未定としつつも「また作りたい。いま、考え始めたひとつのアイディアを持ってます。『マーニー』は“静”の作品ですが、僕はアニメーターなので(動きの激しい)『崖の上のポニョ』とかが好き。(構想中の企画は)『マーニー』とは真逆です」といまだ構想段階とはいえ、新企画が進行中であることを明かした。

『思い出のマーニー』は3月18日(水)、ブルーレイ&DVD発売開始。なお、本作は今年1月にフランスで劇場公開されており、3月19日(木)より韓国で、5月からはアメリカで公開される。
《シネマカフェ編集部》

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