ハリウッドの大人気俳優として知られるコリン・ファレル&マーゴット・ロビーがW主演を務め、さらには日本を代表する音楽家・久石譲がハリウッド作品に初参加した映画『ビューティフル・ジャーニー ふたりの時空旅行』。本作のコゴナダ監督が、スタジオジブリから受けた影響について語った。
本作は、友人の結婚式で出会った男女がレンタカーのカーナビに導かれてたどり着いた奇妙な“ドア”から、<人生で一番やり直したい日>へとタイムスリップするファンタジック・ヒューマンドラマ。

メガホンを取ったコゴナダ監督は、自身の“コゴナダ”というペンネームを小津安二郎監督の映画でよく起用された脚本家・野田高梧に由来して名付けたこともあり、日本カルチャー好きで知られるハリウッドの第一線で活躍する監督。
そんなコゴナダ監督は今回、スタジオジブリの影響を受けたことを海外の各インタビューで話しており、その詳細を日本向けインタビューでも語ってくれた。
「インスピレーションを受けたジブリ作品は?」という質問に、「まず最初に挙げたいのが『ハウルの動く城』です。とてもロマンティックな作品ですよね。あとは『風立ちぬ』にも影響を受けています」と言う。
「本作はマジカルな世界観のコンビネーションになっています。宮崎駿監督作品でよく描かれているラブストーリーやヒューマンドラマ的な要素は、ファンタジーに現実味を与えると思うんです。今回は、そんな風に『なんでも起こりうる世界』を人間の感情を大切にしながら実写映画として描きました」と、世界観をつくりあげる最初の段階からジブリ作品の影響を受けたことを明かしている。

さらに、作品の具体的にどの部分がどの作品に影響されたかを尋ねると、「面白い話なのですが、(本作の象徴である)ドアは最初は構想になかったんです。脚本だとドアではなくてビルを通して過去をやり直す、という内容だったんですが、CGIやVFXは使いたくなかったんです。ドアのシルエットがお気に入りだったので、ドアの中にシアターが広がっているというアイデアを気に入りました。潜在意識の中で『ハウルの動く城』に出てくるような、どこへでも繋がっているドアを思い浮かべて意識していたんだと思います」と監督。
「『ハウルの動く城』を含む宮崎駿監督が描くファンタジーの世界はいつも動的ですよね。例えばお城が動いたり、森や金属がそういった類の魔法のような世界のなかにあるフィジカリティというものにとても影響を受けました」と、『ハウルの動く城』のキーアイテムである、ドアノブを回すと違う場所に連れて行ってくれるドアに無意識に影響されていたことを語った。

ジブリの世界観にインスパイアされた不思議な世界観の中で、コリン・ファレル&マーゴット・ロビーが繰り広げる時空旅行。夢のような映画の世界観と、ちょっぴり不思議で、ありえないほど美しい旅の終着点に待ち受けるものに期待が高まる。
『ビューティフル・ジャーニー ふたりの時空旅行』は12月19日(金)より全国にて公開。




