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二宮和也、吉永小百合との親子役は「贅沢な時間」…『母と暮せば』長崎でクランクアップ

山田洋次監督の最新作にして、吉永小百合、二宮和也、黒木華、浅野忠信、加藤健一ら、豪華キャストが出演することでも話題の『母と暮せば』。7月10日には長崎

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『母と暮せば』長崎ロケ (C)2015「母と暮せば」製作委員会
『母と暮せば』長崎ロケ (C)2015「母と暮せば」製作委員会
  • 『母と暮せば』長崎ロケ (C)2015「母と暮せば」製作委員会
  • 二宮和也の母親役を演じる、吉永小百合&黒木華&山田洋次(監督)/『母と暮せば』製作発表会見
  • 加藤健一&浅野忠信
  • 広岡由里子&本田望結&小林稔侍&辻萬長&橋爪功
山田洋次監督の最新作にして、吉永小百合、二宮和也、黒木華、浅野忠信、加藤健一ら、豪華キャストが出演することでも話題の『母と暮せば』。7月10日(金)には、長崎にてクライマックスシーンの撮影が行われ、吉永さん、二宮さんら、メインキャストが一堂に会し、本作への思いを語った。

本作の舞台は、1948年8月9日の長崎。助産婦をして暮らす伸子の前に、3年前の原爆で亡くしたはずの息子・浩二がひょっこり現れ、奇妙でも、和やかな時間を過ごしていく物語。終戦70年、長崎被曝70年となる今年、山田監督が故・井上ひさしの広島を舞台にした『父と暮せば』と対になる作品として映画化した。

今回、長崎で行われたのは、母親の伸子(吉永小百合)と息子の浩二(二宮和也)がカトリック教会の中を二人で寄り添って歩く、ラストシーン。教会の中には、親しかった懐かしい人々が勢ぞろいしているという感動的な場面。本作のクライマックスということもあり、33度を超える暑さの中、山田監督の演出もいつも以上に熱が入り、現場はピリリとした緊張感に包まれていた。

思いを込めた作品のクランクアップについて、山田監督は、「これはなんとしても作らなければと思ってから、2年の歳月が過ぎて、この長崎の地で主な出演者がみんな集まって、クランクアップを迎えることができ、こういった形で作品を終えることができると思うと『よーい、はい』と言うのもなんだか胸がいっぱいになります。また、俳優、スタッフみんなに感謝の気持ちでいっぱいです」とコメント。

吉永さんも、「戦後70年のこの年にこの作品に参加できて感無量です。でも、山田監督のこの映画にかける熱い思いや情熱に応えられているかどうか、いまはとても不安で不安で、もっともっとできたんじゃないかと自分では反省しているんですけど、素晴らしい共演者の方々と共演できてクランクアップを迎えられるということはとても嬉しいです。公開したらたくさんの人に見てもらいたいと願うばかりです」と万感の思いを明かす。

初の山田組への参加で「初めはとても緊張していた」という二宮さんは、「一日一日が非常に贅沢な時間だと感じることができました。また僕は作品の性質上、吉永さんとしか会話ができないので(笑)、今日はこんなにたくさんの人と会えて嬉しいですし、新鮮な気持ちです。長崎という地で終われるのが、卒業旅行ではないですけど、この地で終えられてよかったなと思っています」と思いを込めた。

二宮さん演じる浩二の恋人・町子役の黒木さんは、「長崎の話ですし、こうして長崎で撮影ができるのは非常に嬉しいです。山田監督がずっと『戦争を知らない世代に伝えたいことがたくさんある』とおっしゃっていて、私も身近な話ではなかったので、この作品を通して、少しですが知ることができて、いいきっかけになりました」と戦後70年に思いを馳せる。

また、町子に心惹かれていく黒田役を演じた浅野さんは、「僕は山田監督と吉永さんとは『母べえ』以来ですが、今回またご一緒できてとても光栄です。僕はとても大きな役ではないのですが、とても重要な役をいただいて、非常にやりがいがあるのですが、現場でも色々なことを勉強させていただいて、非常に楽しかったです」と語り、山田監督も「彼は『父と暮せば』でも宮沢りえちゃんの恋人役で出演しててね。不思議な縁」と感慨深げ。

さらに、演劇界の重鎮である加藤さんは「非常に素敵な教会で撮影できて、感無量です。先日、喫茶店に行ったらば、時計が30個ぐらい置いてあって、全て11時2分で止まっていました。長崎の人たちの想いが強く残っているんだなと感じています」と、被爆70年の長崎に思いを寄せた。

そんな本作で、初共演で親子役を演じた吉永さんと二宮さんは、お互いの印象も明かす。

「二宮さんとは初めて会ったその日から、もしかしたら本当に自分の息子なんじゃないかと思うくらい、寄り添って演じることができました。かわいい息子です。お芝居は二宮さんはとてもしなやかなで、どんな状況でも力を入れずに、本当にすばらしい存在感で、私は引っ張ってもらいました。こういう息子に出会えて本当によかったと思います」と吉永さん。

二宮さんも、「そう言っていただけただけで、この作品に出てよかったと思います。吉永さんから、僕の小さい頃の写真を見せてほしいと言われ、僕も久しぶりに自分の写真を見ました。そのことをきっかけに、実際には共有していない思い出などが想像できました」と語る。

「本当に、とても優しいお母さんで、撮影が終わる度に『よかったね、よかったね』と言ってくれて、一度撮影が終わった時に抱きしめてくださいました(笑)」と、二宮さんが明かすと、「あんまり素敵なお芝居だったので(笑)」と吉永さん。それを聞いた二宮さんは、「本当に『よかった』と言っていただけたので、そういったことも、先ほども言った贅沢な時間だったなぁと」とふり返った。

そんな2人に、山田監督も、「本当にお2人は甘ーいんですよね。とても甘いトローンとした味が漂っていてね。小百合さんも浩二の役に二宮さんが決まったと聞いたら、何度もよかったと喜んでくれて、いいキャスティングができたというよりは、この2人じゃなかったら成り立ってないんじゃないかと。時として恋人に見えるような甘さ、そういう独特の母子の物語になりえているのではないかと思います」と、期待を込めて語ってくれた。

『母と暮らせば』は12月12日(土)より全国にて公開。
《シネマカフェ編集部》

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