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『バクマン。』プロジェクションマッピングを取り入れた漫画執筆シーンの秘密!

ドラマ&劇場版『モテキ』で大根仁監督が見せた革新的とも言えるエッジの効いた映像表現は若い層を中心に絶大な支持を集めたが、映画『バクマン。』でもこれまでにない新たな映像での描写に挑戦!

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『バクマン。』プロジェクションマッピングシーン-(C) 2015 映画「バクマン。」製作委員会
『バクマン。』プロジェクションマッピングシーン-(C) 2015 映画「バクマン。」製作委員会
  • 『バクマン。』プロジェクションマッピングシーン-(C) 2015 映画「バクマン。」製作委員会
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  • -(C) 2015 映画「バクマン。」製作委員会
  • -(C) 2015 映画「バクマン。」製作委員会
ドラマ&劇場版『モテキ』で大根仁監督が見せた革新的とも言えるエッジの効いた映像表現は若い層を中心に絶大な支持を集めたが、映画『バクマン。』でもこれまでにない新たな映像での描写に挑戦!

佐藤健&神木隆之介の演じたサイコー&シュージンが2人で漫画を執筆するシーンにおいて用いられたプロジェクションマッピング。物語の特徴を最大限に生かしつつ制作されたオープニング&エンディングロール。これら映画版『バクマン。』ならではの魅惑の映像表現の秘密を解説する!

漫画をテーマにした本作において、漫画の執筆シーンは当然、外すことのできない重要シーンで何度も登場するが、通常、漫画を執筆するという作業は黙々と机に向かい、ペンを走らせるというはたから見ると非常に地味な作業である。映画として描く上で、ここに「動き」や「疾走感」を加えたい。大根監督はそう考え、プロジェクションマッピングを使用しての撮影に思い至った。

プロジェクションマッピングというと、壁に映像を投射し、立体感や動きを表現するものとして屋外イベントなどで行われているイメージが強い。おそらく、これまで映画で本格的に使用されたことはない。だが、舞台やミュージックビデオの世界では近年、使用されることが増えてきたという。大根監督は森山未來が主演した2012年の舞台「テヅカTeZukA」でマンガを立体的にプロジェクションマッピングするという表現に出合った。

この舞台にスタッフで参加していたのが、本作におけるプロジェクションマッピングを担当している上田大樹。ちなみに上田さんと大根監督は、2013年に発表された「マキシマム ザ ホルモン」の「予襲復讐」のミュージックビデオでも一緒に仕事をしており、こちらでも実写と文字やイラストを組み合わせた映像表現が取り入れられている。

本作のプロジェクションマッピングによる漫画執筆シーンだが、上田さんに渡された台本上ではたった1~2行のト書きがあるだけ! ここからアイディアを膨らませ、映画におけるプロジェクションマッピングの使用という難関プロジェクトが動き出した。

まずこちらのシーンだが、場所はあくまで、サイコーとシュージンの“拠点”である、漫画の棚と机がひしめく仕事場。漫画を執筆する2人や机や壁に、実際の漫画の原稿の絵が投影されることになるが、まず、映像を映し出しやすいように、このシーンの撮影のために壁や床を不自然ではないバランスで白くするという作業が行われた。そして、天井からプロジェクターを吊り下げ、映像を実際に投射してみる。こうした準備だけで丸1日が費やされた。

そして撮影本番当日。佐藤さんと神木さんに細かい動きが説明される。最新鋭の技術を使用したシーンではあるが、実際の撮影自体は非常にアナログ! 要は、プロジェクターから投影される映像に2人が動きを合わせて芝居することで、実写と絵が融合した映像が出来上がるということ。実際、このシーンに関して、後からCGなどで映像が処理された部分は一切なく、シュージンのメガネのレンズに反射して映っている漫画さえ、後から加えられたのではなく、この場で撮影されたものである。2人はピッタリと息が合った状態で投射される映像に合わせて芝居をしており、「サカナクション」の音楽もあわせ、立体感&ライヴ感にあふれるシーンに仕上がっている。

ちなみに上田さんは、本作のオープニングで描かれる「週刊少年ジャンプ」の成り立ちと歴史を説明する映像も制作している。「ジャンプ」がどのように誕生し、どんな人気作品を生み、日本で最も売れるマンガ雑誌になったのか? 「ジャンプ」の偉大さ――すなわち、サイコーとシュージンが目指すジャンプの頂点というのがいかにすごいのかをスピーディに映像で見せており、「ジャンプ」で育った人間にはたまらないシーンになっており、冒頭から心をわしづかみにされる!

そして、忘れてはいけないのがエンドロール。大根作品といえば、劇場版の『モテキ』で森山未來が「スチャダラパー」のライヴに“乱入”し、「今夜はブギーバック」を熱唱するという映像を使用しつつ、単なるライヴ映像に終わらない斬新さが大きな話題を呼んだ。最後の最後まで観客を楽しませる映像表現はもちろん、本作でも健在!

『モテキ』に続き、本作でもエンドロールは映像製作チーム「easeback」の中島賢二と森諭が担当しているが、2人に渡された台本の最後のページに記されていたのは例によって例のごとく「映画史上、誰も観たことのないエンドロール」という文字…。2人は“漫画の制作”特に「週刊少年ジャンプ」をキーワードに映像を制作しているが、いったいどんなエンドロールに仕上がっているのか…? こちらは映画を見てのお楽しみ! 物語が終わっても席を立たずに、最後まで仕掛けが施されたエンドロールを楽しんでほしい。

文字通り、オープニングからエンドロールまで! 見る者を飽きさせず、俳優の演技を尊重しつつ、その魅力を最大限に引き出すべく、様々な映像の仕掛けを施していく大根流の演出術。漫画の世界を3次元の映像に落とし込んだ様々な映像表現を堪能してほしい。

『バクマン。』は10月3日(土)より公開。
《シネマカフェ編集部》

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