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愛の痛みを描き続ける…フランスの映画作家フィリップ・ガレルに注目!

第68回カンヌ国際映画祭監督週間で上映され絶賛された、フィリップ・ガレル監督の最新作『パリ、恋人たちの影』。“ゴダールの再来”と呼ばれたその才能と、「ヴェルヴェット・アンダーグラウンド」の歌姫・ニコとの運命的な出会いと別れでも知られる名匠は、自身の愛の痛み

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フィリップ・ガレル監督/『パリ、恋人たちの影』  (C)2014 SBS PRODUCTIONS - SBS FILMS - CLOSE UP FILMS - ARTE FRANCE CINEMA
フィリップ・ガレル監督/『パリ、恋人たちの影』  (C)2014 SBS PRODUCTIONS - SBS FILMS - CLOSE UP FILMS - ARTE FRANCE CINEMA
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  • 『パリ、恋人たちの影』  (C)2014 SBS PRODUCTIONS - SBS FILMS - CLOSE UP FILMS - ARTE FRANCE CINEMA
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第68回カンヌ国際映画祭監督週間で上映され絶賛された、フィリップ・ガレル監督の最新作『パリ、恋人たちの影』。“ゴダールの再来”と呼ばれたその才能と、「ヴェルヴェット・アンダーグラウンド」の歌姫・ニコとの運命的な出会いと別れでも知られる名匠は、自身の愛の痛みと向き合い、数々のアーティストに影響を与えながら60年、70年代のアートシーンを歩んできた。作品を見つめると時代が浮かび上がってくる…そんなフィリップ・ガレル監督の魅力に迫った。

夫・ピエールの才能を信じ、二人三脚でドキュメンタリー映画を製作する妻・マノン。映画製作に行き詰まりを感じていたある日、ピエールは若い研修生のエリザベットと偶然出会い、恋に落ちる。あるときエリザベットは、ピエールの妻マノンも浮気相手と会っているところを目撃し、彼に告げる。思い描いていた未来とは少し違う現在に、満たされない想い抱え、愛されたいと彷徨う男と女たち。愛の痛みだけでなく、愛する喜びが、モノクロームの映像の中に軽やかに浮かび上がるーー。

本作は、ヌーヴェルヴァーグの次世代の旗手として活躍を続けるフィリップ・ガレル監督の最新作。共同脚本をゴダール、ブニュエルらとタッグを組んできたジャン=クロード・カリエール、撮影監督をロメール、ルイ・マルの世界を映し出してきたレナート・ベルタが務めるなど、映画界を牽引してきた錚々たるスタッフが集結している。

■“宿命の女”「ヴェルヴェッド・アンダーグラウンド」の歌姫ニコとの出会い

そんなガレルが注目を集めたのは、16歳で制作した短編だった。そして、68年のフランス五月革命を機にパリを離れる。69年のニューヨーク、ガレルはアメリカン・ポップカルチャーの中心人物であるアンディ・ウォーホルのスタジオ「ファクトリー」に出入りするように。そこで、デヴィッド・ボウイなど数々のアーティストに影響を与え、近年では宮沢りえ主演『紙の月』主題歌としても起用された「ヴェルヴェット・アンダーグラウンド」の歌姫・ニコと運命的に出会う。当時、ボブ・ディラン、ブライアン・ジョーンズ、レナード・コーエンらと浮名を流していたニコはすでに伝説と化していた。

2人はその後、結婚。公私ともにパートナーとなり、その生活が破たんする78年までの間に、ガレルはニコを主演に迎えた『内なる傷痕』『孤高』など7本の映画を製作。また、認知されることはなかったが、ニコはアラン・ドロンとの間に息子アリーを生んでおり、ガレルは『秘密の子供』の重要なモチーフとして描く。そして、88年に事故によりニコが急逝すると、彼女と過ごした私的な記憶から生まれた『ギターはもう聞こえない』を発表、ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞に輝いた。ガレル自身が「愛の産物」と呼ぶこれらの作品は、いまもなお色褪せることなく、カルト的な人気を博している。

■ジャン=リュック・ゴダール、エリック・ロメール、ジーン・セバーグ…時代の寵児たちに愛された

ニコだけでなく、これまで時代を代表するさまざまなアーティストから愛されてきたガレル監督。その交友関係がもたらした経験によって、私的かつ、時代の空気感を醸し出すガレル独特の作風が確立されていく。


<ガレルをめぐる監督たち>
◇エリック・ロメール…ヌーヴェルヴァーグ運動の中心人物として知られるロメールから個人レッスンを受けたガレル。彼から「映画」を学ぶ。
◇ジャック・ドワイヨン…ガレルの親友であり、同じく“ポスト・ヌーヴェルヴァーグ”の一人として知られる。ガレル監督『彼女は長い時間太陽の下で過ごした』に出演もしている。
◇ジャン=リュック・ゴダール…「ゴダールの再来」と呼ばれたことについて「ガレルは息をするように映画を撮る」と賛辞を贈っている。これまで、ゴダールの常連スタッフであるラウル・クタール(撮影監督)、フランソワ・ミュジー(録音)などとも仕事を重ねる。
そのほか、オリヴィエ・アサイヤス監督、レオス・カラックス監督らとも親交が深い。

<ガレルを愛したミューズたち>
◇ジーン・セバーグ…ゴダールのデビュー作『勝手にしやがれ』でヒロインを演じ人気を博す。ガレルが愛した女性の一人で監督作『孤高』では、ニコとも共演を果たしている。出演の5年後、悲劇的な死を迎える。
◇カトリーヌ・ドヌーヴ…『シェルブールの雨傘』『終電車』など、映画史に燦然と輝く数々の傑作に出演。主演を務めたガレル監督『夜風の匂い』では、ドヌーヴ自らが「あなたと映画を作りたい」とラブ・コールを送りつづけてついに実現した。


■映画界を牽引してきたスタッフと共に撮り上げた最新作はフィリップ・ガレルの新境地

最新作となる『パリ、恋人たちの影』は、これまで愛に光を当て続けてきたガレルがとらえた、傷つきながらも宝石のように輝く恋人たちの姿を、俯瞰的に描いた新境地。『昼顔』『ブルジョワジーの密かな愉しみ』などで知られる巨匠ジャン=クロード・カリエールが脚本に参加。また、『満月の夜』『さよなら子供たち』などで高い評価を受けるレナード・ベルタが撮影監督を務め、フィリップ・ガレルの世界をより高みへと引き上げる。

「これは、フィリップ・ガレル監督の最高傑作だ! 観る者の情感を揺さぶり、まっすぐに訴えかけてくる」(カイエ・ドゥ・シネマ)、「監督の私的な記憶から輝いたものが生まれ、ありふれた男女の人生が、宝石のようになる」(ル・モンド)など、絶賛を受けている本作。今回は、35mmフィルムで過去作が観られる特集上映の開催も決定しており、私的な愛の記憶をフィルムに描き出してきた彼の世界を改めてスクリーンで堪能してみては?

『パリ、恋人たちの影』は2017年1月21日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国にて順次公開。
《シネマカフェ編集部》

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