【インタビュー】ライアン・クーグラー監督、『ブラックパンサー』に託した想いと深き愛を語る

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ライアン・クーグラー監督/メイキングカット『ブラックパンサー』-(C)Marvel Studios 2018
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『クリード チャンプを継ぐ男』で「ロッキー」シリーズの歴代新記録を打ち立て、ロッキーことシルベスター・スタローンにゴールデングローブ賞助演男優賞をもたらした監督、ライアン・クーグラー。彼が「この作品こそ自分が監督するべき作品だった」と熱を込めて手がけた最新作が、マーベル・スタジオ最新作『ブラックパンサー』だ。

公開前には「やはりナーバスな部分もあるんです。みんなが気に入ってくれるかな? って心配で…でもそれ以上に、早く見て欲しくてワクワクしている気持ちもあります。すごい興奮していますよ!」と期待と不安を口にしていたが…その心配はいらなかったようだ。

2月16日に全米公開が始まると、いままでの超ヒット作『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』、『ジェラシック・ワールド』、『アベンジャーズ』についで週末の興行成績歴代5位という驚異的なオープニング記録を樹立した本作。国王とヒーロー、2つの顔を持つ“ブラックパンサー”が、祖国である超文明国家ワカンダの秘密──“ヴィブラニウム”を守るという己の使命・責任と葛藤しながら、国内外の敵たちと戦う、新ヒーロー誕生の全てを描く。

『ブラックパンサー』-(C)Marvel Studios 2018
「今回、一番大きな軸とした部分は、文化的アイデンティティだったわけなんですね。ワカンダというのは架空の国ですが、本当に現実に限りなく近い<アフリカ文化>というものを尊重しながら、そういった要素を盛り込んでいきたいと思ったんです。ワカンダは、地球上最も歴史ある国、という設定でもあるので、長年受け継がれてきた歴史観や時代の流れが感じられるものを全編に散りばめたい、と」。

「とはいえ、アフリカが舞台とはいえども、日本をはじめ世界中の観客が自分たちの歴史と重ね合わせて楽しむことができる、そういった普遍的な部分も必要です。自分の国の歴史や文化、ご先祖様との繋がりなどを大事に守っていく――そういう点はみんなが共感できると思います。アフリカ文化と普遍性、この両方を組み合わせてうまくバランスをとりながら、一つ一つのディティールに力を入れました」。

ライアン・クーグラー監督/メイキングカット『ブラックパンサー』-(C)Marvel Studios 2018
ワカンダ王国の風景はもちろん、登場人物が着ている民族衣装、奏でる音楽、使う言葉や文字まで…架空の国でありながら描かれるもの全てがリアルに感じられ、その世界観をすっと受け入れることができた。それは、ライアン監督が細部に至るまでこだわり抜いて作り込んだがゆえに生まれた説得力が成せる技だろう。

ライアン・クーグラー監督/メイキングカット『ブラックパンサー』-(C)Marvel Studios 2018
オリジナル要素の中でも筆者が気になったのが「ワカンダ フォーエバー」という掛け声とともに腕をクロスさせる独自のポーズだ。初めて目にしたはずなのに、既視感さえ感じるほどにリアルで、あれ一つでワカンダの国民性や育んできた文化・歴史を感じさせる“ワカンダ・ポーズ”。一体どうやって生まれたのか? 誕生秘話に迫った。

「ワカンダという国は、基本的に全員が子どもの頃から戦士として育てられる、いわば軍隊の国でもあるわけなんです。ですので、あれはワカンダ式の“敬礼”のつもりだったんですよ。僕は、ホワイトハウスでオバマ前大統領がズラリと並んだ兵隊に敬礼をした姿を見て、『かっこいいな』と思ったんです。そこで僕もワカンダ式のかっこいい敬礼を考えました」。

『ブラックパンサー』-(C)Marvel Studios 2018
「それに、あのポーズは“愛”も表現しているんですよ。胸元、つまりハート(心)に目の前の貴方を包み抱く…大切に護るよという“LOVE”の意味です。古代エジプトのミイラも全てこのポーズですよね? それは自分の歴史やルーツをいつも心に留めて、大事にし、それと共に再び生まれますように、というシンボルでもある。それらを合わせたポーズなんです」。

目の前の貴方に敬意と愛を伝える――あのポーズにリアリティがあり、独自の世界観を表現できている理由は、国や時代を超えて人類が共感し得る“愛”が根底に込められていたからだったのか。鑑賞後にはきっと一緒にポージングしたくなること請け合いだ。

『ブラックパンサー』-(C)Marvel Studios 2018
ライアン監督は子どものころからマーベル作品が大好きだったという。同じように、映画『ブラックパンサー』を観たことをきっかけにマーベル作品を好きになったり、さらにはアフリカ文化、ひいては自国の文化に興味や関心を抱く子どもたちが生まれることだろう。そういった子どもたちへ向けて、監督は熱いメッセージを送った。

「アフリカ系アメリカ人とか、黒人とかに限らずに、自分の文化的・歴史的ルーツを大事にする心を、みんなに感じてほしいですね。僕は30歳ですが、子どもの頃からもっとご先祖様とか自分自身のルーツを大事にする気持ちがあったら良かったな、と思うんです」。

ライアン・クーグラー-(C)Marvel Studios 2018
「若い世代の人は、おじいちゃんの世代のものを『時代遅れでかっこ悪い』と、自分のルーツを恥じてしまう部分があると思うんですが、“恥じないで誇りに思おうよ!”というメッセージを受け取ってほしいですし、自分がどこから来たのか? というルーツにも興味を持って、色々調べ始めたりしてほしいです」。

「またヒーローという意味では、ティ・チャラはいまどき珍しいほどに善人のヒーローだと思うんですね。常に正しいことをやろうとする。そして、自分が正しい判断を下すためには、どんな意見にでも耳を貸す。自分がアドバイスを求めたり相談すること自体を恥ずかしがったりはしない。だからみんなも、人にいろんな助けを求めることは全然恥ずかしいことではないから、もっといろんな人の力を借りて、より良い人間になっていてほしいなって思います」。

『ブラックパンサー』-(C)Marvel Studios 2018
《text:cinemacafe.net》

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