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本作の見どころのひとつとなるのが、魅力的なキャラクターたち。“プリンス・オブ・ボリウッド”の呼び声高いランヴィール・シン演じる主人公のガリーボーイ(路地裏の少年)ムラドはもちろんのこと、際立った存在感を見せるのが若手女優アーリア―・バットが演じる“サフィナ”。アーリアーはインド映画界でいま出演作を次々とヒットさせている注目女優だ。

女性監督ゾーヤー・アクタル監督は、「この役を演じるために生まれてきた女優。じつは脚本を書いている時にすでに思い浮かべていた」と、のちに語るほど。さらに恋敵となる女性キャラクター、カルキ・ケクラン演じる“スカイ”は、監督自身を投影しているともいう。

アクタル監督は「サフィナは頭がよく集中力があるけど周りが見えなくなる。女という事実が彼女の自由を奪うから」と言う。そしてアーリアーは「ランヴィール・シンと共演できてよかった。お互いに刺激を受けていたし影響を与え合ったからこそ強い絆で結ばれる作品が作れたと思う」とふり返っている。

ラップで新しい人生を掴もうとする主人公ムラドとともに生きる、インド社会の階級意識や差別に向き合う女性キャラクターたちの存在は、恋愛模様を描きながらも本作を別の角度からも見せてくれる。女性監督&脚本家タッグだからこそ生まれた彼女たちの物語も注目だ。
『ガリーボーイ』は新宿ピカデリーほか全国にて公開中。