※本サイトはアフィリエイト広告を利用しています

“日常”を舞台に“If(もし)”の物語を描く、1シチュエーションドラマの魅力

「1シチュエーション」といえば、映画・ドラマ好きにはたまらない人気ジャンル。だが同時に、作り手の力量がシビアに浮き彫りになってしまう側面もある。

最新ニュース 動画配信
PR
注目記事
第6話「高速夜行バス」
第6話「高速夜行バス」
  • 第6話「高速夜行バス」
  • Huluオリジナル「THE LIMIT」
  • 第1話「ネコと井戸」
  • 第2話「タクシーの女」
  • 第3話「ユニットバスの2人」
  • 第4話「ベランダ男」
  • 第5話「切れない電話」
おうち時間が増え、動画配信サービスの利用者が急増している昨今。国内外の多数の映画・ドラマを取り揃え、ますます人気を拡大するHuluが、新たなオリジナル企画を発表した。その名は、「THE LIMIT」。「半径3メートルの1シチュエーションドラマ」をコンセプトにした、1話完結・全6話からなるオムニバスドラマだ。

信頼のある脚本と実力派俳優による
1シチュエーションドラマ



「1シチュエーション」といえば、映画・ドラマ好きにはたまらない人気ジャンル。だが同時に、作り手の力量がシビアに浮き彫りになってしまう側面もある。しかし今回は、映画『僕の好きな女の子』の脚本・監督も務めた劇作家・演出家の玉田真也(第1話、第2話、第4話を担当)、岸田國士戯曲賞にノミネートされた実力を持つ「かもめんたる」の岩崎う大(第3話、第5話を担当)、『かもめ食堂』の荻上直子(第6話を担当)といった、ほかでは見られないバラエティ豊かなメンバーが脚本を執筆。オムニバスドラマという自由度の高いフィールドで、アイディア性あふれるストーリーを生み出した。

演じる側も、負けてはいない。伊藤沙莉、門脇麦、細田善彦、岡山天音、泉澤祐希、浅香航大といった国内の映画・ドラマに欠かせない実力派が集い、1シチュエーションという“縛り”を逆手に取った、切れ味鋭い演技で観る者を釘付けにする。

日常風景の延長から
予想外のドラマが始まる


第2話「タクシーの女」第2話「タクシーの女」
「THE LIMIT」の特長は、「どんな物語が展開するんだろう?」と一発で興味を引く、状況設定の巧みさ。たとえば「タクシーで目的地と違う場所に連れていかれたら?」「浮気相手の家で泥棒と遭遇したら?」「夜行バスで風変わりな女性に突然話しかけられたら?」など、気になるシチュエーションがずらりと並ぶ。

私たちが過ごしている“日常”を「舞台」に、先読みできない“If(もし)”の「物語」を掛け合わせることで、「共感」と「期待」を両立しているのだ。日常風景の延長からドラマが始まり、予想外の方向になだれ込んでいくからこそ、興味を持てるし面白い。「この先はどうなるの?」と気になってしまうことだろう。

第4話「ベランダ男」第4話「ベランダ男」
また本作は、各話が会話劇の構造になっており、劇中で繰り広げられるセリフも実に面白い。漫才のようなノリ&ツッコミが生まれたり、腹の探り合いが起こったり、認識違いで笑いが生まれたり……。秀逸な会話×キャストの好演の相乗効果は、観ていて飽きることがない。

2つの物語が同時進行するコメディ…「ネコと井戸」(脚本:玉田真也)



第1話の「ネコと井戸」は、2つの物語が同時進行するコメディ。喫茶店のバイト仲間・葵(伊藤沙莉)と沙耶(堺小春)は、井戸に落ちてしまった子猫を助けようとしている常連客・悠馬(坂東龍汰)と出くわし、一緒に子猫を助けることに。前々から葵が悠馬に好意を寄せていることを知っている沙耶はどうにかして二人の距離を縮めようと画策するが、スムーズには進まない。猫の救出作戦を繰り広げながら、井戸の側から離れられない状況で、三人の思いが交錯し、誤解が誤解を呼んでいく…。

第1話「ネコと井戸」第1話「ネコと井戸」
「猫をどう助けるのか?」と「恋は生まれるのか?」が水面下でせめぎ合う本エピソードは、各キャラクターの思惑が異なることから生じる“ズレ”がポイント。一刻も早く猫を助けてあげたいという思いは3人一緒だが、せっかくの機会を逃したくない葵と沙耶が、悠馬に「彼女いるんですか?」とぶっこむ斬新さ。設定自体はシンプルで、メインの登場人物も3人のみという観やすい設定ながら、セリフ回しや展開に細かいテクニックがちりばめられており、観る者が「ここでそれ言う?(笑)」「自分だったらこう攻めるな」と“自分事”として楽しめる。

なお、「THE LIMIT」は、ライブ感を重視しており、4K・HDR映像&5.1chサラウンドの環境で制作・配信。すぐそばで起こっているような臨場感を、楽しんでいただきたい。

Huluで「THE LIMIT」を観る

刻一刻と変化していく展開に引き込まれる「ユニットバスの2人」(脚本:岩崎う大)



「かもめんたる」の岩崎う大が脚本・出演した本エピソードは、「衝撃的な事実が次々明かされる」凝った構成になっている。ある日の夜中、マンションの一室で目を覚ました島田あつし(細田善彦)。用を足そうとユニットバスに向かった彼は、シャワーカーテンの奥に潜んでいた空き巣の桑元次郎(岩崎う大)に遭遇。「見逃す代わりに早く出て行ってほしい」と言う島田を怪しんだ桑元は、彼が芸能人だと思い当たる――。

第3話「ユニットバスの2人」第3話「ユニットバスの2人」
完全なる2人芝居である本作は、島田と桑元の力関係が刻一刻と変化していく展開に引き込まれる。島田の“弱み”を握った桑元は、ついさっきまで「見逃してください」だったのが、強気な態度に出て島田を恐喝。貧乏人(空き巣)と金持ち(芸能人)の立場が鮮やかに逆転していくさまが痛快だ。さらに、幾重にも張り巡らされた伏線にも注目。二転三転するストーリーに魅了され、ラストシーンに至るまで、何が起こるか分からないドキドキ感が続くことだろう。ユニットバスの中で会話している“だけ”なのにダレることなく、体感5分の密度で約30分を一気に駆け抜けていく力作だ。

Huluで「THE LIMIT」を観る

Huluオリジナル「THE LIMIT」は3月5日(金)より毎週1話ずつ配信(通常配信に加え、4KHDR/5.1chでも配信)

第1話「ネコと井戸」(脚本:玉田真也)
第2話「タクシーの女」(脚本:玉田真也)
第3話「ユニットバスの2人」(脚本:岩崎う大)
第4話「ベランダ男」(脚本:玉田真也)
第5話「切れない電話」(脚本:岩崎う大)
第6話「高速夜行バス」(脚本:荻上直子)

<提供:Hulu>
《SYO》

物書き SYO

1987年福井県生。東京学芸大学卒業後、映画雑誌の編集プロダクション、映画WEBメディアでの勤務を経て、2020年に独立。映画・アニメ・ドラマを中心に、小説・漫画・音楽・ゲームなどエンタメ系全般のインタビュー、レビュー、コラム等を各メディアにて執筆。並行して個人の創作活動も行う。

+ 続きを読む

特集

【注目の記事】[PR]

関連記事

特集

page top