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有村架純のガチオタぶりが愛おしい!等身大でも際立つ存在感「コントが始まる」

菅田将暉、有村架純、神木隆之介、仲野太賀という同じ1993年生まれの俳優に、菅田さんの楽曲「虹」のMVにも出演している最注目俳優の古川琴音が加わり、青春群像劇を繰り広げている「コントが始まる」。

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「コントが始まる」4話
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菅田将暉、有村架純、神木隆之介、仲野太賀という同じ1993年生まれの俳優に、菅田さんの楽曲「虹」のMVにも出演している最注目俳優の古川琴音が加わり、青春群像劇を繰り広げている「コントが始まる」。

今作は文字通り、毎話ドラマのトップシーンが菅田&神木&仲野演じるお笑いトリオ「マクベス」のコントから始まり、そのコントが残りの物語の重要な伏線に繋がっていく。この「マクベス」の一ファンとして、「言動がオタク」「ガチファン」と視聴者の共感を呼んでいるのが、「マクベス」が集うファミレスでアルバイトをする中浜里穂子役の有村さん。前回第3話では約15分にも及ぶ独白シーンで火を噴き、「マクベス」にドハマりするほど(!?)落ち込んだその理由が明かされた。


売れないお笑いトリオに夢中になるオタクに


「コントが始まる」
同世代の菅田さん、有村さん、仲野さん、神木さんは、今作では4人とも実年齢である28歳の役を演じている。それぞれが主演級、黄金世代の芸達者ばかりが集う中、有村さんは、映画『花束みたいな恋をした』で5年交際した後に別れる恋人役でがっつり共演し、今作では主演を務めている菅田さんから「僕ら世代を代表するフロントマン」と一目置かれている存在だ。

そんな有村さん演じる中浜里穂子はファミレス「メイクシラーズ」で働くアルバイト。たまたま隣のマンションに住んでいる高岩春斗(菅田さん)、美濃輪潤平(仲野さん)、朝吹瞬太(神木さん)が売れないお笑い芸人トリオ「マクベス」と知った彼女は、店でネタ合わせをする常連客の3人をそっと見守る。彼らを“推す”ことは、人生の支えとなっている。

だが、ようやく初めて彼らの生ライブに行くことができたのに、そこでトリオ解散を知らされ、呆然と帰路についたところに春斗から声をかけられる。「どうして解散しちゃうんですか!?」と想いの丈を直接伝えるという機会を得たが、実は1年半前に里穂子は春斗と出会っており、自身がコント「水のトラブル」のネタ元になっていたことが判明。それでも、いまの自分がどれだけ「マクベス」に支えられているのか涙ながらに訴え、春斗の心を揺らした。

また、里穂子は、潤平が匿名でとりとめのないことを綴っていたブログで“春斗に1つだけ秘密にしていること”や、プロゲーマー時代の瞬太が「27歳までしか生きない」と答えていたインタビュー記事までもチェックしていた。そのガチオタクぶりは結果的に、「マクベス」のピンチを救う鍵となっていく。

“推し”とは、売れたら売れたで手の届かない場所へ行ってしまったような気がして寂しくなるが、全く花開くことなく解散してしまったら、それもまた最高に悲しくて、寂しすぎるではないか。


世代を代表する俳優陣の中でも存在感が際立つ


有村架純『花束みたいな恋をした』/photo:You Ishii
そうはいっても、彼らはもう20代後半。売れないままではいられないし、結婚や家族のことも気になってくる。そんな岐路に立つ5人を演じる、同い年の菅田さんや有村さんたちの密度の濃い演技が1話ごとに楽しめるのは今作の大きな魅力。演技の巧い彼らがお互いの様子を見ながら足し算したり、引き算したり、ときに掛け算もして、それこそコントのように次はどう出てやろうか、何をしてやろうかと探る局面にも立ち会っているような贅沢な時間だ。

特に圧巻だったのが、第3話。そこそこ有名な大企業の食品メーカーに務めていた里穂子がなぜ、ファミレスでアルバイトをしているのか、そして妹のつむぎ(古川さん)がなぜ常に姉を気にかけているのかが明かされた。しかも、5人でタコパをしているシーンで…。推しとタコパだなんて、どんな心境でいればいいのかとも思うが、ここで1年半前、春斗と初めて出会った夜に、会社を辞めて泥酔していた里穂子の事情を彼女自身が語り始めたのだ。

彼氏に裏切られ、善意から手伝った取引先とのトラブルの全責任を負わされることになったこと、そして「私が頑張るからだめなのか、頑張り方が間違ってるのか、分からなくなってしまった」と、言いよどむわけでもなく淡々と話していく姿には、視聴者からもそのしんどさが「分かる」「辛い」といった声が多く上がった。

「正直、いまでも頑張るのが怖い」「何かを頑張ろうとする気持ちを抑えてきた」と、約15分、涙を流しながらの独白を演じ切った有村さんは凄まじかったが、菅田さんをはじめとする4人が表情だけで受け止める演技も素晴らしかった。しかも、部屋に上がる際に足を洗った潤平がその足を拭いたタオルを里穂子に渡し、里穂子がそれで涙を拭って皆からツッコまれる、というオチ付き。


有村さんは、これまで『何者』や『花束みたいな恋をした』などで共演した菅田さんには「安心感がある」と絶大な信頼を寄せている。また、神木さんとも『フォルトゥナの瞳』で恋人役を演じ、「SPEC~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿~」「11人もいる」『3月のライオン』とブレイク以前から多数共演してきた仲。仲野さんとも、初共演とは思えないほど馴染んでいる。

さらに、真面目すぎるゆえ人に助けを求められない姉・里穂子に危うさを感じていた、つむぎ役の古川さんも、朝ドラ「エール」やTBS火曜ドラマ枠「この恋あたためますか」などで注目され、有村さんの“妹”を演じることは必然ともいえる期待の存在。この5人でつくり出す空気感は、至高の名シーンしか生まない。

そんな中、有村さん演じる里穂子は、自宅で飼っている熱帯魚3匹に「マクベス」3人の名前を付けていることも発覚し、オタク道を頑張ることは止められない様子。オタク道を極めながら、「マクベス」との距離が縮まっていく彼女は本当に“疫病神”なのか。そして、マクベスは解散するのか、しないのか。次回のコントも気になるばかりだ。

「コントが始まる」4話

第4話 コント「捨て猫」


幕開けは、コント「捨て猫」。ステージに現れる段ボールに入った捨て猫役の春斗と、野良猫役の瞬太。マクベスによるとりとめのないコントの前フリが流れて――。

潤平は、高校の担任・真壁(鈴木浩介)を呼び出し、彼女の奈津美(芳根京子)と共に昔話に花を咲かせていた。その中で、トリオ名「マクベス」の名づけの由来に真壁が関わっているという話になり、高校時代、瞬太の車に「マクベス」の3人と真壁が共に乗った1日のことを想い出す。

一方、里穂子は自宅で一生懸命に熱帯魚の世話をする妹のつむぎを見て、同じく昔のことを思い出す。姉のことを献身的に支えてくれる現在の日々もそうだが、つむぎは昔から面倒見がよく、傷んだ人形で遊んだり、捨て猫を拾ってきたり、とにかく傷ついた存在を放っておけない性格だったーー。


土曜ドラマ「コントが始まる」は毎週(土)22時~日本テレビ系にて放送中。
《上原礼子》

「好き」が増え続けるライター 上原礼子

出版社、編集プロダクションにて情報誌・女性誌ほか、看護専門誌の映画欄を長年担当。海外ドラマ・韓国ドラマ・K-POPなどにもハマり、ご縁あって「好き」を書くことに。ポン・ジュノ監督の言葉どおり「字幕の1インチ」を超えていくことが楽しい。保護猫の執事。LGBTQ+ Ally。レイア姫は永遠の心のヒーロー。

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