【インタビュー】情報が常にやってくる時代…“ノイズ”誕生のきっかけを『カオス・ウォーキング』原作者が語る

トム・ホランド、デイジー・リドリー共演『カオス・ウォーキング』の原作者であり、脚本にも参加したパトリック・ネスがインタビューに応じた。

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『カオス・ウォーキング』(C)2021 Lions Gate Films Inc. All Rights Reserved.
  • 『カオス・ウォーキング』(C)2021 Lions Gate Films Inc. All Rights Reserved.
  • 『カオス・ウォーキング』原作・脚本パトリック・ネス by Helen Giles 2013[1] (C)Helen Giles.jpg
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トム・ホランド、デイジー・リドリー、マッツ・ミケルセンが共演、謎多き斬新な設定で10代の青年の成長を感性豊かに、かつ壮大なスケールで描いた新感覚SFエンターテイメント『カオス・ウォーキング』。『オール・ユー・ニード・イズ・キル』などの大ヒットメイカー、ダグ・リーマン監督が手がける本作の原作者であり、脚本にも参加したパトリック・ネスがインタビューに応じた。


>>『カオス・ウォーキング』あらすじ&キャストはこちらから

「私たちに選択の余地はなく、
情報が常にやってくる」時代になる


本国で予告編映像が公開されると、原作ファンから「かなり原作に忠実」との声が上がっていた本作。パトリック・ネスが手がけた「心のナイフ」〈混沌(カオス)の叫び1〉(東京創元社)はガーディアン賞、カーネギー賞など、数々の名立たる文学賞を制し、特に若い世代からの熱狂的な支持を集めてきた。

本作を特徴づける斬新な設定といえるのが、男性の心の声だけが<ノイズ>となって発せられるという点。知りたくなくても、他人の思考、想像、記憶といったものが<ノイズ>となって彼らの周りを浮遊している。

この着想のきっかけとなったのは、「映画館でチケットを買うために並んでいたとき」だったとネスは振り返る。「後ろの人と前の人が電話で話をしていて、彼らに挟まれているから会話に耳を傾けるしかなくて。世界ってこんなふうに常に情報が私たちにやってくるような、そういうところに向かってるんじゃないか、とそのときに思いました」と語る。

「論理的に考えると次のステップというのは、私たちに選択の余地がなく、情報というものが常にやってくるし、そして自分たちの考えていることをシェアしなければいけなくなってきてしまうんじゃないか。それはとても興味深い悪夢のような状態だなと思ったのと、あとは特に若い方にとって、そういう状況がどんな意味をもつのか。特に若いときはいろいろとプライベートだけにとどめておきたい感情もたくさんあるので、どういうふうに彼らに影響を与えるのかということも掘り下げたかった。そういうところから、想起しています」と続けた。

また、本作ではデイジー・リドリーやシンシア・エリヴォといった女性キャストの力強さも印象的だが、性別によって異なる特徴を持たせたことにはどんな意図が込められているのだろうか。

男性と女性ではコミュニケーションの仕方が違う、ということを表現しようと思ったわけでは全くありません」と、ネスは断言する。「もともと、人間の違いというものをどういうふうに扱うかに対して、ずっと不安を覚えていたんですね。人は優劣、自分たちよりよいと思うもの、あるいは優れていると思うこと、あるいは劣っていると思うこと、そういった違いを見て、それに見合った態度をとってしまうんです」。

「もし、全く無視できない違いというものがそこに存在していたら、人はどんなふうに行動するだろうと考えました。たとえば地球であれば、文化的なステレオタイプであったり、あるいは地球の歴史の中で、ある種ふるまいというものがあったと思うんですけど、この新しい惑星ではすべてのやりとりが<ノイズ>によるもので、そこに違いがあるんですよね。そういう状態になったとき、人はどうふるまうのかということを掘り下げたかったんです」と明かす。

映画化で最も重視したのは「主人公2人の関係性」


では、映画化にあたり、<ノイズ>の映像表現や思考の言語化など、どんなことを重視したのかについて尋ねてみると、主人公のトッド(トム・ホランド)、ヴァイオラ(デイジー・リドリー)の「関係性が大事でした」と語るネス。

「というのも、どんなにエフェクトが素晴らしくても、そのキャラクターに思いを寄せることができなければ全く意味がないわけです」と持論を述べる。「例えば、いままで美しいビジュアルだけれども、全く気持ちが動かなかったという経験を、皆さん映画でしていると思うんですね。なので、一番大事なのは2人の関係性だし、2人の役者のケミストリー、それから2人の間で生まれてくる信頼、こういったことが一番大事でした。よく著者はこんなことを言いますが、本当にこれは大事なことなんです」。

そうネスが語る、<ノイズ>により10代ならではの心の声が可視化されてしまうトッド役には、『スパイダーマン』シリーズのピーター・パーカー/スパイダーマン役で知られるトム、トッドが初めて出会う女性で<ニューワールド>の運命を握る存在となるヴァイオラ役には『スター・ウォーズ』続3部作で主人公レイ役を務めあげたデイジーが選ばれた。「キャスティングをしたときは、まだこれからという時だったんですけど、大スターになった2人をキャスティングできて本当に嬉しかった」とネス。

「最初に言っていたのは、結構オープンな気持ちでキャスティングは進めていってください、ということだったんです。そして、シンシア・エリヴォとかデヴィッド・オイェロウォは、決まっていたキャラクターではなかったので自由にキャスティングをしてもらって最高だなあと思いましたし、たとえばメキシコ系の役者さんであれば、デミアン・ビチルとかもすごいいいキャスティングだなと思ったし、そういうオープンなクリエイティビティというのが、この物語をよくしているんだなと思います。満足しています」と自信を覗かせる。

最後に日本のファンに向けて、「おすすめポイントは、なんといっても『犬』です。たぶん原作を読んでいればわかりますよね? それから、原作にはないような、でも映画では成立している要素というものがあるので、そのサプライズもぜひ楽しみにしていただきたいです」と話してくれた。

『カオス・ウォーキング』は11月12日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。

《text:cinemacafe.net》

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