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“魔法を持たない”、何者でもないディズニー新ヒロインの歌声に共感『ミラベルと魔法だらけの家』

ディズニーが贈る『ミラベルと魔法だらけの家』の主人公ミラベルは何の魔法も使えない。手のひらから氷をつくり出す女王でもなく、“海に選ばれた少女”でもない。しかし、世界から魔法の力が失われたとき、何も持たないはずのミラベルが唯一の希望となる!

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『ミラベルと魔法だらけの家』(C)  2021 Disney. All Rights Reserved.
『ミラベルと魔法だらけの家』(C) 2021 Disney. All Rights Reserved.
  • 『ミラベルと魔法だらけの家』(C)  2021 Disney. All Rights Reserved.
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『ズートピア』『アナと雪の女王』のディズニーが贈る、『モアナと伝説の海』以来4年ぶりの新作アニメーション・ミュージカル『ミラベルと魔法だらけの家』。家族全員が家から与えられた“魔法のギフト(才能)”を持つ中で、主人公の少女ミラベルだけは何の魔法も使えない。もちろん、手のひらから氷をつくり出す女王でもなく、“海に選ばれた少女”でもない。

しかし、世界から魔法の力が失われたとき、何も持たないはずのミラベルが唯一の希望となる。魔法を使えない彼女が、なぜ希望なのか? かつてないディズニーヒロインの姿から本作を紐解いてみたい。


誰もが“共感”できるディズニー新ヒロインの誕生


ミラベルが生まれ育ったのは、南米コロンビアの奥地に佇むマドリガル家。この家の子どもたちは5歳の誕生日を迎えると、〈カシータ〉と呼ばれる魔法だらけの家からそれぞれにユニークな“魔法のギフト”を与えられる。ロバやピアノを軽々と持ち上げられるほどの“パワーのギフト”や、食事によって人々を癒す“癒しのギフト”、人々を笑顔にさせる“花を咲かせるギフト”や、“天気をコントロールするギフト”などなど、その魔法は実に様々。魔法に溢れるマドリガル家の伝統を引き継いできたアルマおばあちゃんを筆頭に、3世代になる家族はその与えられた魔法を使って町の人々を手助けし、毎日の生活に豊かな彩りを与えてきた。

だが、本作のヒロインであるミラベルだけは違っていた。ほかの家族と同じように5歳の誕生日を迎えても、家はミラベルに“何も与えなかった”。「なぜ、自分だけが…?」。そんな本心は隠しながら、ミラベルは家族や町の人々を不安にさせないように、三姉妹の末っ子として努めて明るく陽気に暮らしてきたのだ。

家族に限らず、学校や会社など、ある集団の中で、自分だけがみんなと違っていて、1人だけ置き去りにされたような気持ちになったことはないだろうか。「ミラベルは私たち全員の代表です」と、本作の監督&脚本ジャレッド・ブッシュ(『ズートピア』共同監督/共同脚本、『モアナと伝説の海』脚本)は言う。「自分よりも大きなことや良いことをやっている人物にばかり目が行って」“自分らしさ”やその美点を考えるまでもなく自分を過小評価したり、萎縮したりしてしまう。常に家族に対して負い目を感じているミラベルは、本作でなかったら、脇役だったかもしれないヒロインだ。

だからこそ、疎外感や孤独を抱えたミラベルが“でも私はマドリガルの一員”と自分に言い聞かせ、本当は“私だって魔法が欲しい”との切なる思いを込めて歌う劇中歌「奇跡を夢みて」が、どこかピースの欠けたヒロインに観る者自身を重ね合わせる“魔法”をもたらしていくのだ。


ドラマチックなストーリーが心を揺さぶる!


自分には何もない、と考えていたミラベルは、ある日、魔法の家〈カシータ〉に大きな“亀裂”を見つける。その亀裂は、世界から魔法の力が失われていく前兆だった。マドリガル家が暮らす〈カシータ〉は床が自在に動き出したり、階段が滑り台のようになったりと、家自体がまるで生きているかのように魔法の力に包まれている大切な礎。魔法が失われてしまったら、愛する家族や町の人たちの平穏な日常も崩れ去ってしまう。

ほかの家族のように人の役に立つ魔法を持たないミラベルは、亀裂について家族に訴えかけるが、実はその過程で家族もまた言い知れない苦悩を抱えていることを知る。

例えば、“パワーのギフト”を授かった次姉のルイーサは、強くて力持ちで働き者だが、皆から常に頼りにされることにプレッシャーを感じていた。期待に応えられなかったらどうしよう…という不安を、ミラベルだけには打ち明けた。また、いつもカラフルな花が咲き乱れ、人々を幸せな気持ちにさせていた長姉のイサベラは、ハンサムな青年マリアーノから求婚されることが自分の本当の望みではなかったことに気づいていく。

これはミラベルが1人1人の話に耳を傾け、その懐にそっと入りこんで胸の奥に秘めた苦悩や不安に寄り添ったからこそ分かったこと。特別な魔法は持っていなくても、ミラベルが持ち合わせるこのギフトこそが重大な危機を迎えた魔法だらけの家を救うカギとなっていく。


魔法だらけの家を彩るラテンのリズム、
その深遠さにも注目


映画の冒頭、魔法の世界へとすぐさま誘う、アップテンポなリズムが印象的な「ふしぎなマドリガル家」。そして、ミラベルの本心が詰まった「奇跡を夢みて」をはじめ、ルイーサの知られざる思いを歌った「増していくプレッシャー」、自分にとっての幸せに気づいていくイサベラの「本当のわたし」など、観る者の琴線に触れる本作の楽曲を手掛けたのは、プエルトリコにルーツを持つリン=マニュエル・ミランダ

『モアナと伝説の海』ほか、トニー賞やグラミー賞などに輝くブロードウェイ・ミュージカル「ハミルトン」「イン・ザ・ハイツ」、映画『tick, tick...BOOM!:チック、チック...ブーン!』では初監督を務めるなど、いまや映画界、ミュージカル界の重要人物の1人だ。「イン・ザ・ハイツ」ではラテン系を中心にニューヨークの多様な人々が直面する現実を歌に込めたが、本作の楽曲に込められたメッセージも聴き逃せない。

その圧倒的な歌唱力でディズニーUS本社のオーディションを経て起用されたミラベル役の斎藤瑠希はもちろん、イサベラ役の平野綾、ルイーサ役のゆめっち(3時のヒロイン)、アルマおばあちゃん役の中尾ミエらが、ときには家族のように息もぴったりに、それぞれが秘めた葛藤を歌い上げていく場面に注目してみてほしい。

『ミラベルと魔法だらけの家』は全国にて公開中。

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《上原礼子》

「好き」が増え続けるライター 上原礼子

出版社、編集プロダクションにて情報誌・女性誌ほか、看護専門誌の映画欄を長年担当。海外ドラマ・韓国ドラマ・K-POPなどにもハマり、ご縁あって「好き」を書くことに。ポン・ジュノ監督の言葉どおり「字幕の1インチ」を超えていくことが楽しい。保護猫の執事。LGBTQ+ Ally。レイア姫は永遠の心のヒーロー。

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