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韓国系アメリカ人監督がテーマに選んだ国際養子縁組とは?『ブルー・バイユー』

『ブルー・バイユー』から、映画のテーマとなっている国際養子縁組の問題に触れた30秒予告編が解禁、その光と影に迫った

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『ブルー・バイユー』(C)2021 Focus Features, LLC.
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カンヌ国際映画祭に出品され、8分間におよぶスタンディングオベーションを浴びた『ブルー・バイユー』。この度、映画のテーマとなっている韓国の国際養子縁組の問題に触れた30秒予告編が解禁された。


>>『ブルー・バイユー』あらすじ&キャストはこちらから

ジャスティン・チョン監督が国際的な養子縁組で起こってきた問題を、韓国人コミュニティを通して知ったことがきっかけとなり作られた本作。本作の主人公アントニオは、韓国に生まれ、1988年に3歳で養子としてアメリカに渡ってきた。このような国境を越えて行われる養子縁組を国際養子縁組と呼ぶ。

早川眞一郎(専修大学法科大学院 教授)によれば、統計上、韓国は1953年から2010年までで総計16万人余りの国際養子を送り出しており、特に1970年頃からその数が急増し、1985年頃には年間8,000人を超える勢いに。2005年頃まではコンスタントに年間2,000人を超えていたが、2005年以降は世界的にもその数がぐっと減少してきているという。

国際養子縁組が行われてきた背景には、先進諸国では養子をとりたいと願う養親希望者の数に比べて養子になる子どもが少なすぎ、発展途上国では養親を必要とする子どもが多いのにもかかわらず、自国内では十分な数の養親希望者を見つけることができないという事情があった。国際養子として新しい国にやって来た子どものなかには、先進国の豊かな社会の中で養親の愛情に恵まれて幸福に育った子も多かっただろうが、アントニオのように悲惨な人生を送ることになった子も少なからずいた。

もともと国際養子縁組は、ひとつ間違えば、子どもの人身売買になりかねない危険な制度であった。1980年代には国際社会において、このような国際養子縁組の危険性が強く自覚され、これに対処する取り組みがなされ、その結果、1993年にハーグ国際私法会議という組織によって「国際養子縁組に関する条約」が作成された。この条約は、国際養子として他国に養子として送られる子どもたちが危険に巻き込まれることなく、安心して安全に暮らすことができるように、様々なルールを定めたもの。この条約の加盟国は、厳格な手続きを経て国際養子縁組を実施しなければならないことになっている。

もし仮に、アントニオが韓国からアメリカに国際養子として渡ったときにこの条約が存在していて、韓国とアメリカの両国ともにその加盟国であったならば、アントニオの悲劇はおそらく回避されていたのかもしれない。

『ブルー・バイユー』は2月11日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。

《シネマカフェ編集部》

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