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バングラデシュ縫製工場労働者を3年リサーチ「女性たちは働き、自分自身と家族の生活を支えている」

世界の繊維産業を支えるバングラデシュ。国内の縫製工場労働者の80%が女性で平均年齢は25歳。その過酷な労働環境と低賃金に、たったひとりの女性が立ち向かう。

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『メイド・イン・バングラデシュ』ルバイヤット・ホセイン監督 (C)2019 – LES FILMS DE L’APRES MIDI – KHONA TALKIES– BEOFILM – MIDAS FILMES
『メイド・イン・バングラデシュ』ルバイヤット・ホセイン監督 (C)2019 – LES FILMS DE L’APRES MIDI – KHONA TALKIES– BEOFILM – MIDAS FILMES
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  • 『メイド・イン・バングラデシュ』 (C)2019 – LES FILMS DE L’APRES MIDI – KHONA TALKIES– BEOFILM – MIDAS FILMES
  • 『メイド・イン・バングラデシュ』 (C)2019 – LES FILMS DE L’APRES MIDI – KHONA TALKIES– BEOFILM – MIDAS FILMES

世界の繊維産業を支えるバングラデシュ、縫製工場労働での過酷な現場で働き、家族を養う女性たちが環境を改善すべく立ち上がる姿を描いた『メイド・イン・バングラデシュ』その監督ルバイヤット・ホセインのオフィシャルインタビューが到着した。


>>『メイド・イン・バングラデシュ』あらすじ&キャストはこちらから

バングラデシュ独立戦争下で敵兵と恋に落ちた女性を描いた『Meherjaan』(2011)、タゴールの詩を背景に葛藤する女性を描いた『Under Construction』(2015)が各国の映画祭で高く評価された、バングラデシュの気鋭ルバイヤット・ホセイン監督にとって待望の日本初公開作。3年以上のリサーチを経て、10代半ばからバングラデシュの労働闘争に関わってきたダリヤ・アクター・ドリの実話を基に完成させたヒューマンストーリー。陰影のある美しい映像は、マノエル・ド・オリヴェイラ監督の『アンジェリカの微笑み』などで知られるサビーヌ・ランスランが手掛けている。

Q:なぜこの物語を書いたのですか?

ルバイヤット・ホセイン(以下RH):以前から、女性の経験と社会状況を映画に描きたいと思っていました。私自身は工場で働いたことが全くなかったので、リサーチに3年を費やし、たくさんの工場労働者に会うなかで、ダリヤ・アクター・ドリにめぐり会いました。彼女は組合のリーダーを務めており、勇気があり、強く、はっきりものを言う女性だと思いました。彼女は虐待を伴う結婚生活でとてもひどい扱いを受けていましたが、尊厳を強く求めてもいました。そのようなわけで、私はダリヤが実際に経験した出来事に基づいて、本作の執筆を始めることができたのです。

Q:リサーチの中で印象に残っていることはありますか?

RH:女性工場労働者たちの主な年代は、18~30歳ととても若いです。固いベンチに座ってミシンの前で体をかがめ、1日10時間以上週6日働き、稼ぎはよくて1か月100ユーロです。こんな生活では背中と肩を痛めてしまうため、年配の女性工場労働者はなかなか見つかりません。

しかし私が興味を惹かれたのは、稼ぎが少なくても、労働環境が悪くても、家では家長との闘いが待っていても、彼女たちがエンパワーされていることです。100年前のバングラデシュでは、女性は働くことさえできなかったので、世間から隔絶された生活を送らねばなりませんでした。現在、女性たちは働き、自分自身と家族の生活を支えています。工場と家庭で、自分たちの権利のために闘っています。

Q:主人公の工場で働くシムの運命はバングラデシュではありふれたものですが、同時に現実に存在するヒロインでもありますね。

RH:私自身は恵まれた家庭で育ちました。教育を受け、学校に行き、大学も出ることができました。ある日、私の書斎でダリヤにインタビューをしていたところ、ダリヤから「あなたみたいに学校に通えていたら、私は今頃何かビッグなことをしている」と言われました。その言葉で私はひどく感情的になり、悩みました。社会と運命がダリヤをひどい位置に貶めましたが、彼女はその運命を、いつか違う何かに変えてやろうと懐に携えておいたのです。今、彼女についての映画を、世界が見るでしょう。彼女の声と物語が世界中に届きますように。ダリヤは何ものかに辿り着いた。彼女は大きなことを成し遂げたのです!

Q:バングラデシュの女性の地位は矛盾を抱えているように見えます…。

RH:バングラデシュの国家元首は女性、野党党首も女性、国会議長も女性です。国家の収益の最も多くを占める縫製産業における労働者の80%が女性です。バングラデシュの経済の根幹は若い女性が支えているのです。女性の工場労働者が持つこの若いスピリットを、私は映画で描こうとしました。彼女たちは一緒に働く仲間に対し本当に強い仲間意識を持っています。これはポジティブなことです。ジェンダー学においては、女性は抵抗すればするほど、闘えば闘うほど何かを達成できると学びます。我々よりも前の世代は女性の教育や参政権を求めて闘いました。そのおかげで今日があります。まさに「私たちが今ここに立っていられるのは、私たちの前を行った女性たちがいるから」なんですね。

Q:シムはポップカルチャーによる女性の間違った描き方や宗教とも闘っていますね。

RH:そうなんです。シムは資本主義と伝統的なイスラーム原理主義に抵抗しています。彼女は「女性らしさ」について彼女独自のイメージを持っています。彼女は祈りを捧げる一方、ダンスが好きで、組合結成のために闘いますが、あくまで自分なりの方法です。こんにち、女性について言われることは、大まかに2つの両極に分かれると思います。1つは広告やテレビで見られるような非常に性差別的なもの、もう1つはモスクで聞かれるような、女性を基本的に「汚れ」とみなすものです。シムや他の女の子が頭をヒジャブで覆っているとき、彼女たちは自分たちなりの方法でそうしているのです。彼女たちはとてもカラフルな布で頭を覆っています。隠しているのではなく、美とファッションを意識してのことなのです。

『メイド・イン・バングラデシュ』は4月16日(土)より岩波ホールほか全国にて順次公開。

《シネマカフェ編集部》

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