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『ベイビー・ブローカー』ソン・ガンホ、カンヌ男優賞を韓国初受賞!倍賞千恵子×磯村勇斗『PLAN 75』監督も受賞へ

是枝裕和監督初の韓国映画『ベイビー・ブローカー』ソン・ガンホがカンヌで最優秀男優賞を受賞し、韓国俳優として初の快挙、また倍賞千恵子主演、磯村勇斗共演の『PLAN 75』早川千絵監督がカメラドール スペシャル・メンション(特別賞)を受賞

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『ベイビー・ブローカー』 (C)2022 ZIP CINEMA & CJ ENM Co., Ltd., ALL RIGHTS RESERVED
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  • 『ベイビー・ブローカー』本ポスター (C)2022 ZIP CINEMA & CJ ENM Co., Ltd., ALL RIGHTS RESERVED

第75回カンヌ国際映画祭授賞式が現地時間5月28日夜、日本時間29日未明に行われ、 「コンペティション部門」に正式出品されていた是枝裕和監督初の韓国映画『ベイビー・ブローカー』で主演を務めたソン・ガンホが最優秀男優賞を受賞し、韓国俳優として初の快挙、『DECISION TO LEAVE』(英題)のパク・チャヌク監督も自身初となる監督賞に輝いた。また、日本勢では倍賞千恵子主演、磯村勇斗共演の『PLAN 75』早川千絵監督がカメラドール スペシャル・メンション(特別賞)を受賞した。


『ベイビー・ブローカー』最優秀男優賞&エキュメニカル審査員賞の2冠



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是枝監督作品がカンヌ国際映画祭コンペティション部門に選出されるのは、最高賞のパルムドールを受賞した2018年の『万引き家族』以来4年ぶり、6回目(同映画祭への出品自体は8回目)となった。是枝監督が韓国の製作・俳優陣と長年温めてきたオリジナル企画を映画化した。

現地時間5月26日に行われた公式上映では、今回の映画祭出品作史上最長の12分にわたるスタンディングオベーションがおこり、拍手喝采で観客を魅了していた本作。授賞式では、審査員長のヴァンサン・ランドンをはじめ、アスガー・ファルハディジェフ・ニコルズレベッカ・ホールディーピカー・パードゥコーンノオミ・ラパスジャスミン・トリンカラジ・リヨアキム・トリアー監督らが選ぶ「最優秀男優賞」にソン・ガンホが選出。

隣に着席していたカン・ドンウォン、是枝監督らと熱い抱擁を交わした後、壇上へ上がったソン・ガンホは「本当に有難うございます。光栄です。偉大なる芸術家、是枝裕和監督に深く感謝申し上げます。一緒に頑張ってくれた役者のカン・ドンウォンさん、イ・ジウンさん、イ・ジュヨンさん、ペ・ドゥナさんに深い感謝と、この光栄を分かち合いたいと思います」と感謝をコメント。

「イ・ユジン代表、そしてCJの関係者の方にも本当に感謝しています。今、2階にいると思いますが、愛する家族と共に来ました。本当に大きなプレゼントになりました。とても嬉しいですし、このトロフィーの光栄と永遠なる愛を差し上げます。多くの映画ファンにこの栄光を差し上げます」と目を潤ませながら喜びのスピーチした。

カンヌ国際映画祭において、韓国人俳優が最優秀男優賞を受賞するのは初となる快挙。さらに、是枝監督作品の主演がカンヌ国際映画祭で同賞を受賞するのは、2004年に『誰も知らない』で柳楽優弥が受賞して以来2度目なった。

なお、本作は「エキュメニカル審査員賞」(カンヌ国際映画祭の独立賞で、キリスト教関連の団体から「人間の内面を豊かに描いた作品」に与えられる)を受賞しており、本賞と合わせて2冠の快挙となった。


パク・チャヌク、絶賛相次ぎ自身初の監督賞『DECISION TO LEAVE』



第57回審査員特別グランプリ『オールド・ボーイ』、第62回審査員賞となったソン・ガンホ主演の『渇き』、第69回コンペティション部門に正式され日本でも話題となった『お嬢さん』に続く、4度目のコンペティション部門出品となったパク・チャヌク監督。4度のコンペティション部門正式出品は韓国監督の中でホン・サンス監督と並び最多記録。そして監督賞の受賞は、韓国映画としてはイム・グォンテク監督『酔画仙』に続き2作目となった。

物語は、ある殺人事件を追う刑事(パク・ヘイル)と、被害者の妻で第一容疑者でもある女性(タン・ウェイ)が対峙しながらも惹かれあっていくサスペンス。現地時間5月23日に行われた公式上映には、パク・チャヌク監督のほか、刑事を演じたパク・ヘイル、彼が一目ぼれをしてしまう人妻を演じたタン・ウェイも登場し、観客たちから贈られた10分以上に渡るスタンディングオベーションに3人が歓喜の笑顔で応える場面もあった。

上映後から、現地メディアによる絶賛評が相次ぎ、「パク・チャヌク監督の最高傑作!」との呼び声も高く、作品の美しい世界観と「ロマンチックとノワールサスペンスの見事な融合!」と監督の手腕を称える声で溢れていたなかでの受賞。

配給会社のCJ ENMによると、すでに192の国・地域での配給が決定しており、受賞を受けてさらに加速する見込み。日本での公開は2023年を予定している。

なお、最高賞パルム・ドールはリューベン・オストルンド監督『TRIANGLE OF SADNESS』、グランプリ(次点)はルーカス・ドン監督『CLOSE』、クレール・ドゥニ監督『STARS AT NOON』が同時受賞、女優賞は『HOLY SPIDER』ザーラ・アミル・エブラヒミが選ばれた(いずれも作品は原題)。


早川千絵監督の快挙!現地でも絶賛『PLAN75』



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倍賞千恵子主演映画『PLAN 75』は、是枝監督が初めて総合監修を務めたオムニバス映画『十年 Ten Years Japan』の一篇『PLAN75』を新たに構築、キャストを一新した、早川千絵監督のオリジナル脚本による自身初の長編映画。超高齢化社会に対応すべく、75歳以上が自らの生死を選択できる制度<プラン75>が施行され、その制度に大きく翻弄される人々の姿を描いた衝撃作。

「ある視点」部門に出品され、フォトコール・公式上映・レッドカーペットには共演の磯村さんが早川監督と参加、にこやかにカンヌデビューを飾っていた本作。公式上映では磯村さんとステファニー・アリアン、そして早川監督が登場し、5分以上にわたるスタンディングオベーションを受けた後、感激した観客がそばに駆け寄り「素晴らしい映画だった」と監督をハグする姿も見られた。

現地メディアや映画評論家たちからは「表面上は穏やかに見えるが、不必要と見なされた人々を見捨てる社会に対してしっかりとメッセージを伝え、観る者の心をざわつかせる」「倍賞千恵子の演技は、間違いなく観る人の琴線に触れるだろう」「繊細な脚本と、それを見事に体現したすばらしい演技で、日本映画として今年のカンヌ映画祭に立派な足跡を残した」「強烈な余韻を残すが、何よりも物質主義的な現代において、いかに生死と向き合うべきか、疑問を投げかけてくる」と、監督の手腕や役者たちの演技へ絶賛の声が多く寄せられていた。

授賞式で司会者から名前を呼ばれた早川監督は緊張の面持ちで舞台に上がると、まず「メルシーボークー」とフランス語で挨拶し、「誰にとっても最初の一本目というのは思入れが深く、特別なものだと思うのですが、私にとっての特別で大切な一本目の映画をカンヌに呼んでいただき、評価してくださって本当にありがとうございます」と感謝の言葉を伝えた。

日本で、受賞の一報を受けた倍賞さんからは「この作品で『生きるということ』を優しく、力強く撮影していた日々が、昨日のことのように熱く蘇ってきました。サァーこれからもどんどん映画作ってくださいね。本当におめでとうございます」と祝福のコメントが到着。

また、公式上映に参加した磯村さんも「受賞を聞いて、心が喜びで波打っています。監督に現場で寄り添っていただいた日々が恋しいです」と喜びいっぱいにふり返り、<プラン75>に携わる瑶子を演じた河合優実は「ひとりひとりの心に何かを届け、それが今回このような形で残ることを、私も大変嬉しく思います。これからも、早川監督のように心を尽くしてものづくりをされている方に光が当たる世界であることを願っています」とコメントを寄せた。

なお、日本人監督の作品が「ある視点」部門に出品されるのは、2017年の黒沢清監督『散歩する侵略者』以来5年ぶり。日本人監督が本賞カメラドール スペシャル・メンションに選ばれたのは初めて。


早川千絵監督 受賞コメント全文


全ての映画監督に、最初に撮る1本目の映画があります。
誰にとっても最初の一本というのは思い入れが深く、特別なものだと思うのですが、
私にとって、とても特別で大切な1本目の映画を、カンヌに呼んでくださり、
評価をしてくださって本当にありがとうございます。

『PLAN 75』という映画は、今を生きる私たちにとって必要な映画だと言ってくださった方がいました。
その言葉が深く心に残っています。

この映画の立ち上げからずっと一緒にこの作品を育ててくれた、
プロデューサーの水野詠子さん、ジェイソングレイさん、
フランス、フィリピン、日本のチーム、この作品に関わってくれた全ての人に感謝しています。
そして、ミチという主人公に命を吹き込んでくださった倍賞千恵子さんに
日本に帰ったら真っ先に報告したいと思います。

『PLAN 75』は6月17日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。


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《シネマカフェ編集部》

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