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【ネタバレあり】「オビ=ワン・ケノービ」激闘から10年後…砂漠の星での孤独な隠遁生活をかき乱す者とは?

アナキン・スカイウォーカーがダース・ベイダーに堕ちてから10年後を舞台に描く、「オビ=ワン・ケノービ」の初回2話がついに配信開始。

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「オビ=ワン・ケノービ」(C)2022 Lucasfilm Ltd.
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《text:Reiko Uehara》

『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』のクライマックス、あの溶岩に包まれた星ムスタファーでの一騎打ちの後、弟のように愛した最良の友でありジェダイの弟子であったアナキン・スカイウォーカーがダース・ベイダーへと堕ちた。それから10年後の銀河を舞台に、オビ=ワン・ケノービが「スター・ウォーズ」に帰ってくる。演じるのはもちろんユアン・マクレガー。ユアン自身が製作総指揮に名を連ね、ストーリー制作にも関わった「オビ=ワン・ケノービ」の初回2話がついに配信開始された。


過去に囚われ隠遁生活を送るオビ=ワンに追っ手が迫る


『エピソード3/シスの復讐』でダース・ベイダーの“誕生”と対をなすように描かれたアナキンとパドメの子どもたちの誕生。生まれたばかりのルークを外縁部の星タトウィーンに暮らすオーウェン夫妻に託したジェダイマスターのオビ=ワンは、本作では一家を見守りながら街から離れたところで隠遁生活を送っている。

その暮らしぶりは、想像していた以上に過酷で悲嘆に満ちたものだった。オビ=ワンは自分がアナキンを葬ったと思っており、ライトセイバーを手に大活躍していた頃の面影はまるでなく、過去に囚われて悪夢にうなされ、孤独で疲弊しきっている。悪夢から目覚めた後、永遠の存在となる道を学んだかつての師クワイ=ガン・ジンに呼びかけても、師の“霊体”から返事はない。

そんなオビ=ワンの唯一の生きがいが、ルークの成長だ。10歳のルークを遠くから見つめる、尊い者を愛でる親戚のおじさんのような彼の瞳にようやく光を感じる。しかし、時が来たらルークを訓練しなければというオビ=ワンの思いとは裏腹に、オーウェンは“父”アナキンと同じ過ちは繰り返させないとオビ=ワンの子育て介入には反対なのだ。

一方、銀河帝国はジェダイを殲滅させるため“尋問官”と呼ばれる者たちを各地に送り、「オーダー66」を生きのびたジェダイの残党たちを狩らせていた。黒いアーマーに身を包み、独特の赤いライトセイバーを背にした彼らは、ダース・ベイダーのように暗黒面に堕ちたかつてのジェダイ。時系列的に近いアニメシリーズ「スター・ウォーズ 反乱者たち」にも登場する。リーダー格の大尋問官(ルパート・フレンド)が言う「ジェダイは自らを狩る」には、ジェダイが元ジェダイによって狩られるという皮肉とともに、困っている者を放っておけないジェダイが人助けをすることで噂が広まり、結果的に自ら尋問官たちを呼び寄せるという意味があるらしい。

タトウィーンで尋問官たちに追われたジェダイのナリ(演じたのはロバート・パティンソン主演『グッド・タイム』の監督サフディ兄弟の弟ベニー・サフディ)もオビ=ワンに助けを求めたが、「ジェダイの時代は終わった」とオビ=ワンは突き放す。まるで『最後のジェダイ』の頃のルークのように。誰かと関わりトラブルに巻き込まれれば、まさしく慈悲が仇となり、“最後の希望”ルークの身に危険が及ぶかもしれない。オビ=ワンは自分自身にそう言い聞かせながら、代わり映えのしない日々を10年間も過ごしてきたのだ。

このオビ=ワンを演じるユアンが、実際には約20年に近い年月を重ねたことが利いている。後悔と苦悩の日々に疲れ果て、限界寸前である様がその皺に刻まれている。


「助けて、オビ=ワン・ケノービ」再び


ただ、アナキンとパドメの子は双子だ。双子のもうひとり、レイア・オーガナはこのころ緑豊かな惑星オルデランで王女として暮らしていた。彼女にとって、王室はかなり窮屈なよう。小さなドロイド、ローラを唯一の友に豊かな森を走り回る<レイア、10歳>は溌剌としていて、砂漠の星のやさぐれオビ=ワンと強烈な対比を見せる。タトウィーンのルークもそうだったが、彼女もまた外の世界への憧れが尽きない。

その上、勘が鋭く相手の考えや感情を読み、母や父に対しても口が減らない。たとえ年上の従兄であっても言い負かす。父ベイル・オーガナ(ジミー・スミッツ)が勧める未来、大学へ行って元老院の議員になることを「堅苦しい服で議論ばかりすること」と言ってのける。そんな10歳のレイアは、見れば見るほど“あまりにもレイア”で、思わず目頭が熱くなる。

だが、ある日、賞金稼ぎ(演じるのは「レッド・ホット・チリ・ペッパーズ」のベーシスト、フリー)に誘拐されてしまうレイア。そこでオーガナ夫妻は、『エピソード4/新たなる希望』のレイア(キャリー・フィッシャー)さながらに必死でオビ=ワンに助けを乞うことになる。頑なに拒絶するオビ=ワンが折れたのは、ベイルの「あの方のために」という言葉があったから。あの方とはほかならぬ、オビ=ワンが看取った双子の母パドメのことだ。

そして『ブレードランナー』×「ブレイキング・バッド」のような、ならず者だらけの惑星ダイユーで、ついに2人は対面を果たすわけだが、レイアは『エピソード6/ジェダイの帰還』を思わせる緑のケープ姿で好奇心いっぱいにオビ=ワンを翻弄、「10歳には見えない」と言われると「ありがとう」と自分が誇らしそうだ。

ルークでフェイントを仕掛けておいて、実はレイアとの関わりを描く起点と、Netflix映画『バード・ボックス』『ヒーローキッズ』などに出演してきた子役ヴィヴィアン・ライラ・ブレアのキャスティングにまずは拍手を送りたい。

さらに注目は、レイアを救うため10年ぶりに人に殴られ、殴ってみたら拳を痛がる、これまでに見たことのないオビ=ワンの姿。まだ彼自身はライトセーバーを抜いておらず、本気のフォースはレイアを助けるために一度使ったのみ。しかも、オビ=ワンを執拗に追う野心溢れる尋問官リーヴァ/サード・シスターによって、アナキンがダース・ベイダーとして生きていることを初めて知らされ、愕然となっている。

「マンダロリアン」の名エピソードや「ベター・コール・ソウル」など人気ドラマを手がけてきたデボラ・チョウ監督のもと、ユアンが4~5年をかけて準備したという「人生を見失ってしまったオビ=ワンが、どう再び立ち上がるのか」を描く物語の輪郭が、少しだけ見えてきた気がする。

リーヴァ/サード・シスター役のモーゼス・イングラム(「クイーンズ・ギャンビット」)や、怪しい“ジェダイ”ハジャ・エストリー役のクメイル・ナンジアニ(『エターナルズ』)など、多様多彩なキャラクターたちにも期待大。もちろん今後、本格登場するヘイデン・クリステンセンのダース・ベイダーにもだ。先日のファンイベント「スター・ウォーズ・セレブレーション」でヘイデンが引用したように、「お楽しみはこれからだ(This is where the fun begins)」。


Disney+公式サイトはこちら

「オビ=ワン・ケノービ」初回2話は配信中、3話以降は毎週水曜16時よりディズニープラスにて独占配信(全6話)。


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《上原礼子》

「好き」が増え続けるライター 上原礼子

出版社、編集プロダクションにて情報誌・女性誌ほか、看護専門誌の映画欄を長年担当。海外ドラマ・韓国ドラマ・K-POPなどにもハマり、ご縁あって「好き」を書くことに。ポン・ジュノ監督の言葉どおり「字幕の1インチ」を超えていくことが楽しい。保護猫の執事。LGBTQ+ Ally。レイア姫は永遠の心のヒーロー。

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