【ネタバレあり】『パラサイト』やマーベルの“あの人”ほか本人が続々登場!韓ドラ「エージェントなお仕事」

Netflix配信中の芸能マネージャーのお仕事ドラマ「エージェントなお仕事」には、本物の韓国俳優たちが毎回ゲスト出演、リアルとフィクションの間を絶妙に行き来しながら俳優たちが抱える悩みや葛藤にも迫っている

韓流・華流 コラム
「エージェントなお仕事」はNetflixにて独占配信中
  • 「エージェントなお仕事」はNetflixにて独占配信中
  • 「エージェントなお仕事」はNetflixにて独占配信中
  • 「エージェントなお仕事」はNetflixにて独占配信中
  • 『パラサイト 半地下の家族』(C) 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED
  • 『パラサイト 半地下の家族』(C) 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED
  • ポン・ジュノ監督ら『パラサイト 』キャストも大集結/第92回アカデミー賞授賞式 (C) Getty Images
  • 『エクストリーム・ジョブ』 (c) 2019 CJ ENM CORPORATION, HAEGRIMM PICTURES. CO., Ltd ALL RIGHTS RESERVED
  • 「マウス~ある殺人者の系譜~」(c) CJ ENM Co., Ltd, All Rights Reserved.

韓国の芸能界の裏側を描く新ドラマ「エージェントなお仕事」が、現在Netflixで配信中。フランスの人気コメディドラマ「Dix Pour Cent」(英題:Call My Agent!)をスタジオドラゴンが韓国リメイクした本作は、クセとこだわりの強いスター俳優たちの魅力を引き出すため奮闘する芸能マネージャーたちの日常を描き、韓国映画やドラマの制作の裏側が覗ける、いわゆる業界お仕事ドラマだ。

しかも、本物の韓国俳優たちが毎回ゲスト出演し、リアルとフィクションの間を絶妙に行き来しながら俳優たちが抱える悩みや葛藤にも迫っている。


★大手芸能事務所「メソッドエンターテイメント」が舞台★


物語の主人公は、約30名の俳優が所属するという韓国の大手芸能事務所「メソッドエンターテイメント」のマネージャーたち。事務所に寄せられる大量の脚本を吟味し、監督や脚本家たちと俳優の意向をすり合わせながらキャスティングが決まり、撮影が行われていく様子も描かれ、韓国エンタメの裏側を垣間見ることができる。

マネージャーの職務内容は俳優のスケジュール管理に営業、企画、契約、マスコミ対応など多岐に及ぶが、俳優が売れるか否かはマネージャーの手腕にかかっているといっても過言ではない。

そんなマネージャーたちを演じるのは、食バラエティ「ユン食堂」ほか「ヨジョンの思いがけない旅程」ではアカデミー賞女優ユン・ヨジョンの“チーフマネージャー”を務めたイ・ソジン、「賢い医師生活」「調査官クギョンイ」のクァク・ソニョン、「マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~」「悪の花」のソ・ヒョヌ。そして「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」のトン・グラミ役でブレイク、「SNL KOREA」の見習い記者役も本国で人気を博したチュ・ヒョニョン。彼らのケミストリーも見逃せない。

※以下、6話までの内容に触れています。ご注意ください。


★韓国エンタメの強みがわかる!? バラエティに富んだゲスト俳優たち★


『パラサイト』の“奥様”チョ・ヨジョンの新作は?


第1話に登場したのは、キム・ジュンドン(ソ・ヒョヌ)チーム長が担当する「メソッドエンタ」の看板俳優で、アカデミー賞作品賞『パラサイト 半地下の家族』のチョ・ヨジョン。彼女にハリウッドの大物監督、あのクエンティン・タランティーノから新作オファーが舞い込み、乗馬や英語のレッスンに励んでいたところ、年齢を理由にキャスティング撤回の連絡が入る…。

タランティーノ監督が脚本を変更したことから役柄と年齢が合わなくなったためだが、「女優は40歳を過ぎるとオファーされる役がどんどん減る」と不安になるヨジョン。それは韓国も日本も、ハリウッドでも同じだろう。

ジュンドンは脚本の女性キャラクターの視点が時代錯誤的だから、こちらから断ったとウソをつくが、新人マネジャーのソ・ソンジェ(チュ・ヒョニョン)がうっかりヨジョン本人に話してしまった。このピンチに、マ・テオ理事(イ・ソジン)はヨジョンの“若返りの施術”を条件に再キャスティングの話をつけるが、結局ヨジョンは、それは自分らしくないと出演を取り止めることに。

なお、「メソッドエンタ」にはヨジョンがアカデミー賞で着用したという“設定”のドレスが飾られており、会社の入口には彼女の主演ドラマ「ハイクラス~偽りの楽園~」のポスターも何気に掲示されている。

また、劇中では『共助2:インターナショナル』(原題)「私の名前はキム・サムスン」のダニエル・へニー、『82年生まれ、キム・ジヨン』主演のチョン・ユミや、Netflix韓国のヒットシリーズ「キングダム」や日本リメイクされた「シグナル」の脚本家キム・ウニの名前も言及されていた。


雰囲気が似てる!? 2人の個性派俳優がバッチバチ


第2話では、「マウス~ある殺人者の系譜~」『KCIA南山の部長たち』など個性派俳優として人気のイ・ヒジュンが、「メソッドエンタ」の代表ワン・テジャ(イ・ファンウィ)の急死に気落ちし、宮部みゆき原作の『火車HELPLESS』を手がけたピョン・ヨンジュ監督(ご本人登場!)の久々の新作、韓国版『リプリー』から降板したいと担当のチョン・ジェイン(クァク・ソニョン)チーム長に申し出る。

「マウス~ある殺人者の系譜~」(c) CJ ENM Co., Ltd, All Rights Reserved.

そんな中、ジュンドンは『エクストリーム・ジョブ』や『犯罪都市』などで知られる名バイプレイヤー、チン・ソンギュを代役に立てようと画策。実はヒジュンとソンギュは旧知の仲、ともに演劇界出身で、代表に同時期にスカウトされて以来ライバル関係にあった…という。

ソンギュは『エクストリーム・ジョブ』でイ・ハニの相手役を演じて大ブレイクし、「小規模でもいいから意味のある映画に出たい」と言っていたのに、SF超大作『スペース・スウィーパーズ』に出演したとヒジュンが非難するシーンも。

また、ヒジュンが活躍したドラマ「マウス」や「キマイラ」のポスターは「メソッドエンタ」の目に付くところに貼ってあり、大切にされていることがよく分かる。代表に恩義のある2人の仲直りのデュエットがなぜか笑えてしまうのも、彼らの抜群のキャラクターとケミゆえだ。

さらに、この回は「マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~」の居酒屋のジョンヒ役オ・ナラや、「イカゲーム」“No.212”ハン・ミニョ役のキム・ジュリョン、人気トロット(韓国の演歌)歌手ヨンタクなどの名前も登場した。


本物の嫁姑がドラマで共演!?


第3話には、実際に義理の親子で、韓国一有名な嫁姑といわれるベテラン俳優のキム・スミと「赤い袖先」のソ・ヒョリムが、有名作家の新作にキャスティングされる。そのドラマのタイトルは「うちの息子の女」で、まさに姑と嫁の役。だが、撮影が始まる前に2人とも共演をやめたいと言い出すことに。

2人は「今日、妻やめます~偽りの家族~」で母子役を演じており、プライベートでも仲がいいことで知られる。だが、義母の嫁自慢が負担と話すヒョリムは、「俳優ソ・ヒョリム」でいたいのに、どこへ行っても「キム・スミの嫁」と言われることを嘆く。

一方、受付で働く俳優の卵カン・ヒソン(ファン・セオン)の姿を見て、「いい時ね。胸の中で夢が激しく波打っている」と演じることへの情熱を語っていたスミ。彼女は誰かの母親や姑、悪態をつくステレオタイプの役にはもううんざりだと打ち明け、「この先はやれる役柄は限られているから、演じたい役をする」と語る。

やがて、これからは「女対女、俳優対俳優で勝負しましょ」と笑顔で話しながら、揃って降板を決めたスミとヒョリム。『マディソン郡の橋』のように記憶に残るような恋愛作品に出てみたいと願ったスミが、空想の中で星空を舞うシーンは『ラ・ラ・ランド』のオマージュのよう。

なお、ヒソンをオーディションに呼びたいと連絡してきた監督として、「ナルコの神」『工作 黒金星と呼ばれた男』のユン・ジョンビン監督の名前が登場。また、ソンジェがマ理事からもらったVIP試写会の映画『ザ・スパイ』の主演はソ・ジソブだった。


『アベンジャーズ』俳優が産後、新境地に挑む!


第4話に登場したのは、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』のヘレン・チョ博士や『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』のナギニ役など、グローバルに活躍してきたクローディアキムこと、韓国名スヒョン(キム・スヒョン)

アメリカでは知られていても、韓国では同姓同名の「サイコだけど大丈夫」な有名男優と間違われてしまう。産後初の作品は「マイネーム:偽りと復讐」のような作品に出てアクションができて親しみやすいキャラを演じたいと希望していた通り、NetflixやDisney+が配給権を狙うアクション映画への出演が決まる。もしかしたら、第1話でマ理事が「次の作品で一流になれるかどうかが決まる」と電話で話していた相手はスヒョンだったのかも?

しかし、なかなかベビーシッターが決まらず、大事な打ち合わせに赤ちゃんを連れてくることになったり、少しでも時間ができたらうたた寝してしたりと、産後復帰に焦り、苦悩する彼女の姿がリアルに描かれた。

やがて、『キングスマン』ばりに傘を使った寸止めアクションがSNSで話題になり、結果的にはゲームのCMで『トゥームレイダー』のララ・クロフトばりのアクションをこなして、活躍の場を得たスヒョン。ギャラは自身と同じように奮闘する女性たちの慈善団体に全額寄付すると語っていた。

なお、スヒョンはドラマ「キマイラ」にも出演。2023年はスタジオドラゴンも制作に関わるNetflixシリーズ「京城クリーチャー」でパク・ソジュンやハン・ソヒらと共演する。

また、今回は「メソッドエンタ」が中国版のSMエンターテイメントに買収されそうになり、“ドラゴン・スタジオ”のミンジュ常務とマ理事の妻ヘヨン(ソン・ウナ)が友人であることも話題に上っていた。


「マイ・ディア・ミスター」の2人が撮影現場で大喧嘩!?


第5話は、「京城クリーチャー」の舞台でもある日本統治下の京城(キョンソン)を舞台にした映画の撮影から始まる。出演するのは「マイ・ディア・ミスター」で息の合った演技を見せた、「SKYキャッスル~上流階級の妻たち~」「還魂」のオ・ナラと「刑務所のルールブック」「ペントハウス」のパク・ホサン

お嬢さまと車夫の禁じられた恋を演じるはずが、2人は寄ると触ると口論ばかり。ナラはジュンドン、ホサンはジェインが担当マネージャー。「マイ・ディア・ミスター」の長男サンフンとジョンヒの頃は「兄妹のように仲良かったのに」とジェインに言われ、それは認めるホサン。

ヒットドラマが相次ぎ、今年は『ジャンルだけロマンス』(原題)で青龍映画賞助演女優賞を受賞したナラに、もしかして嫉妬!?(ホサンにもヒット作はたくさんある!) お互い演技プランがなかなか合わないことにも苛立ち、積もり積もって険悪ムードに。

そんな2人がラブシーンを演じることになり、車両の中でいざ撮影しようとすると突然クモが現れる! アレルギーのあるナラのために必死で捕まえようとするホサン。その様子を外から見れば何だか、かなり情熱的に盛り上がっているカップルに見え…。最後にクモを捕まえた瞬間は、『タイタニック』で見覚えのあるシーンそのものとなった。

また、別のドラマでは、トロット歌手ヨンタクの演技があまりにオーバーすぎるため制作側から降板の話が出るも、ソンジェのアイディアでファンの力を借りて嘆願に成功。その際に、涙する画像が使われたことが気に入らず、ヨンタクは「僕が強い男のイメージを作るために死ぬほど努力したのに、一瞬にして台無しにしてしまった。お前、僕のアンチファンだろう?」とソンジェを責めることに。

それをマ理事が庇い、実の親子である2人の距離が縮まるきっかけとなったが、このようにファンや視聴者の声が高まれば、ドラマの制作に影響を与えていくのは韓国らしい。


コンプレックスやトラウマと向き合う俳優たち


「俳優が演技をする時は、コンプレックスやトラウマを忘れなければいけません。自分の限界を変えられる人、それが俳優です」と、ある演技講義でスティーヴ・ジョブズのようなスタイリングで語っていた舞台出身のベテラン俳優キム・スロ。ソン・ガンホ主演のプロレス映画『反則王』で敵役を演じ、「紳士の品格」ではチャン・ドンゴンと共演した彼が、第6話ではキム・ホヨン演じる演出家との間でトラブルが勃発する。マネージャーのジェイン役クァク・ソニョンとスロは「調査官ク・ギョンイ」でも共演している。

一方、“新人”演出家を演じたホヨンは、ドラマ「ボイス~112の奇跡~」も話題を呼んだミュージカル俳優。ペ・ヨンジュン主演の「太王四神記」でいまをときめくパク・ウンビンやシム・ウンギョン、ユ・スンホという子役出身の人気俳優たちと主要キャストの子ども時代を演じていた。今作の監督ペク・スンリョンによる「ペガサスマーケット」にもパク・ホサンらと出演、最近ではミュージカル「エリザベート」のキャスティングに意見したことが物議を醸したばかり。

今回の劇中演劇「ドンジュアン」では、かつて自身で語った演技論、“コンプレックスやトラウマの克服”が降りかかってくることになった“水が苦手”なスロ。実は演劇を何とか成功させるためにスロが秘かに水中特訓していたことを知ったホヨンは、「先輩は最高です」と大感激し、演劇は成功を収める。

また、受付のヒソンは新人俳優としてヒップホップダンサー役のオーディションに挑戦するが、実はダンスが大の苦手。俳優の得意なこと、苦手なことを把握し、ときにはトラウマの克服を後押しして最適な役を届けるのもマネージャーの大切な仕事なのだ。

Netflixシリーズ「エージェントなお仕事」は毎週火曜、水曜に配信中(全12話)


《上原礼子》
上原礼子

「好き」が増え続けるライター 上原礼子

出版社、編集プロダクションにて情報誌・女性誌ほか、看護専門誌の映画欄を長年担当。海外ドラマ・韓国ドラマ・K-POPなどにもハマり、ご縁あって「好き」を書くことに。ポン・ジュノ監督の言葉どおり「字幕の1インチ」を超えていくことが楽しい。保護猫の執事。LGBTQ+ Ally。

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