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『イニシェリン島の精霊』リアルさとオリジナリティあふれるこだわりの衣装デザインに注目

マーティン・マクドナー監督作『イニシェリン島の精霊』では、作品の世界観を再現するため、衣装デザインもこだわり抜かれている。スタッフと監督のコメントからそのこだわりを紐解いていく。

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『イニシェリン島の精霊』©2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.
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マーティン・マクドナー監督作『イニシェリン島の精霊』では、作品の世界観にリアリティをもたらすため、衣装デザインもこだわり抜かれている。スタッフと監督のコメントからその魅力を紐解いていく。


>>『イニシェリン島の精霊』あらすじ&キャストはこちら

1920年代、アイルランドにある仮想の島・イニシェリン島を舞台に、心優しく気のいい男パードリック(コリン・ファレル)と音楽を愛する初老の男コルム(ブレンダン・グリーソン)の親友同士が仲違いしていくさまを描く本作。

荘厳な大自然と島民の閉鎖感が同居した島独特の空気感をリアルに描くため、実際にアイルランドの島で撮影が行われたが、そのこだわりはロケーションだけでなく、衣装デザインへも注がれた。

本作では、1920年代のアイルランドを描いた『マイケル・コリンズ』や『アイルランド・ライジング』でアシスタントとして衣装に携わり、ケン・ローチ監督の『麦の穂をゆらす風』では衣装を担当するなど、当時のアイルランドの衣服に手慣れているニー・ヴァルドウニグが衣装デザインを担当した。

当時の人々は互いに似たような装いをしていたようだが、ヴァルドウニグは「マーティンは“皆が制服を着ているようにはしたくない”と言った。その一言によって私は自由に独創的に衣装のことを考えられるようになった。架空の島を舞台に展開することが、私をよりクリエイティブな方向に導いてくれた」とマクドナー監督との話し合いをふり返り、「私たちは誰もが見慣れている、けれど何かがちょっとおかしい、そんな世界観を創り出そうとした」とオリジナリティあふれる衣装を追求したことを明かしている。

主人公のパードリックは、劇中ではコルムに絶交を言い渡され、弱々しく困り果てているキャラクター。当時の資料を研究するなかで、アイルランドの島の人々のズボン丈が短く、ブーツの少し上までしかないことに気がついたヴァルドウニグは、パードリックの衣装にこのデザインを採用した。

一方、コルムは劇中で唯一オーバーコートを着用しているキャラクターとなった。ヴァルドウニグは1920年代の西アイルランドの参考写真を見て全員がジャケットにズボンという装いで、誰もオーバーコートを着用していないことから、芸術家になりたいという野望を持っているコルムに相応しい衣装としてあえてオーバーコートを採用。

コルムが海岸を歩いたり、壁を飛び越えたりする際のコートが風になびく様子はアメリカの西部劇のようなエッセンスを感じさせ、ほかのキャラクターとは一風変わった強いシルエットを作り出している。

そしてパードリックの妹のシボーンには、黒い縞模様のコートや、礼拝用のコート、旅行用の鮮やかな黄色いコート、自宅用のエプロンなど伝統的で当時の人々が実際着用していた赤や黄色、緑や深い青など色味に富んだ衣装が用意された。

シボーンを演じたケリー・コンドンは「シボーンの衣装はとてもエレガントで絵画的」と魅力を明かし、「シボーンという人物の歴史を象徴し、さらに彼女が島という小さな範囲ではなく、より大きな範囲で物事を考える人物であることが表現できる衣装を選択した」とこだわりを解説。

さらに「彼女の母親から譲り受けたという設定の衣装もいくつかある。全ての物にバックストーリーがあることが重要だった」と衣装にはキャラクターの設定だけでなく、物語も込められていることを明かしている。

マクドナー監督も「瞬時に脚本から世界が立ち上がるのです。実際に衣装を着た俳優がセットに入ってくると、その場にそのキャラクターがいるように感じられます」と高く評価するヴァルドウニグの衣装。アイルランドの島で実際に撮影された本作により一層のリアルさを与え、キャラクターを生き生きと息吹かせる魅力的な衣装にも注目したい。

『イニシェリン島の精霊』は1月27日(金)よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開。

《シネマカフェ編集部》

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