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最も恐ろしいのは“人間そのもの”…福士蒼汰出演「THE HEAD」の魅力は静かな恐怖

「全員怪しく見えてきた」海外ドラマ「THE HEAD」、世界90か国で大ヒットした本作が世界を魅了する理由に迫った。

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Huluオリジナル「THE HEAD」Season2(C)Hulu Japan
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日本からメインキャストの1人として海外ドラマ初出演の福士蒼汰が出演することで話題を呼ぶ超大型国際連続ドラマ「THE HEAD」。SNS上には「Season2おもしろすぎて。犯人が全然わからん」「全員怪しく見えてきた、こっからがまた面白いんだろなぁ」と、そのスリリングな展開と未だ見えぬ犯人像に視聴者は夢中になり、さらに様々な考察や犯人予想を楽しむファンも現れ、盛り上がりを見せている。世界90か国で大ヒットした本作が世界を魅了する理由に迫った。


世界を魅了する理由のひとつは、“人間そのもの”という怖さを描くから


「THE HEAD」Season1&2を通じて、本作の大きな魅力といえるのが密室殺人ミステリーや謎解き、先の読めない展開といった物語全体の構成の妙。それに加えてシリーズの根底にある“恐怖”の種類が、日常に密接したところから生まれ来るものだから。完璧ではない人間たちが極限状態に陥ったときに表す、何をしでかすか分からない“人間の生存本能”的な部分が恐怖となって、この物語の面白さとして描かれている。

例えば本作には、ホラーの名作へのオマージュを捧げたシーンが登場する。Season1の冒頭、南極の科学研究基地で主要キャラクターであるアーサー(ジョン・リンチ)やマギー(キャサリン・オドネリー)、そしてアキ(山下智久)らをはじめとする研究チームが長い共同生活を送る決起会後に、全員で『遊星からの物体X』(1982年、原題:The Thing)を観るという恒例行事が描かれている。

SFやホラー映画好きなら一度は観たことがある、もしくは耳にしたことがある、“ホラー界の帝王”ジョン・カーペンターの名を一躍世界に知らしめることになった傑作。その物語は「THE HEAD」Season1と同じ、南極の基地を舞台に展開。極寒の観測基地という隔絶された空間で、宇宙から飛来した謎の生命体に襲われる観測隊員たちの恐怖を描いている。

その生命体は接触した生物に同化してしまうという能力をもっており、このままでは地球上の全人類が遠くない未来に同化、侵略されてしまうことが分かり、基地は通信手段、交通手段が断たれて完全に孤立。生命体が次々と観測隊員に姿を変えることができるため、隊員たちは次第に生命体に同化されているのかどうかが分からず疑心暗鬼に包まれていく、というストーリーだ。

「THE HEAD」Season1でも殺人事件をきっかけに“誰を信じたら良いのか?”という形で研究チームが疑心暗鬼に陥ってく全体の構成を考えれば、何とも皮肉なユーモアであり、ホルヘ・ドラド監督の粋な演出だろう。

もちろん「THE HEAD」シリーズには宇宙からの生命体や、ジェイソンやフレディ、チャッキーのような連続殺人鬼が登場するわけではなく、かといってスプラッタームービーのような派手な演出があるわけではないのに、視聴者は何とも言えない恐怖を味わうことになる。

それは強烈な犯人像よりも、登場人物全員の性格やバックグラウンド、フラッシュバックで描かれる過去を丁寧に描写することで、上司からの圧力や、親しい間柄だからこそ感じる嫉妬、何かを成しえたいという野心や、不本意についた小さな嘘への後悔と罪悪感など、我々が日常生活の中で感じる感情とリンクできてしまうからだ。

Season1でも2でも、本来は“地球の気候変動を止め世界を救う”という壮大な1つの目標のもとに集った研究チームだったはずなのに、小さな歪みから凄惨な事件が展開していく。“犯人探し”が本作の醍醐味であることは間違いないが、それ以上に個性豊かな登場人物たちの小さな感情の揺れにも注目だ。

いずれのSeasonにおいても、世界中から集められた実力派キャストたちが演じる小さな表情の変化や仕草が第1話から伏線となっており、クライマックスに向けて物語の重要なカギになってくる。製作総指揮のラン・テレムも「Season1に比べて、Season2のキャラクターたちのそれぞれの人生や背景をより丁寧に描いた」と語っている。


スリラー作品には「サイレンス(静けさ)がとても重要」


また、日常にある本質的な恐怖を描くにあたり、『RRR』でジェニーを演じアカデミー賞作品の出演女優となった、本作のキーパーソンとなるレイチェル役のオリヴィア・モリスは「このようなスリラー作品において、サイレンス(静けさ)がとても重要だと思っています。全く音がないと言うことではなく、リアルな足音や(今回の舞台である)船の音のこと。常にリアルな雑音があることで物語に緊迫感を与えてくれる」とコメント。

本作の舞台であるアレクサンドリア号(船を装った秘密研究基地)は150m近くある巨大な船の上で撮影されており、リアルな船の軋みや揺れ、波が船を打つ音もそのまま表現されている撮影環境について語っている。

またそんなレイチェルの父であり、Season1から物語をけん引しているアーサー役のジョン・リンチも「そんな逃げ場のない環境で、様々な感情や思いを持つ人間たちが少しずつおかしくなり、事件が起こってしまう。こんな極限状態の中で、それぞれキャラクターたちの本性が次第に明らかになっていき、表面的だった関係性をこじれさせていく。それがこのスリラー作品にとっての重要な要素だよ。すごく可愛くないよね」と冗談交じりに本作のテーマについて続ける。

海外ホラーやスリラー作品に比べ、ややねっとりとした静かな恐怖や人間の業のような根源的な恐怖を描くものが多い邦画作品に親しみが深い日本人にとっては、「THE HEAD」シリーズは非常に相性が良いといえるかもしれない。ヒヤヒヤ、ゾクゾクするようなホラー作品が見たくなってくる夏に向けて、新たな恐怖を体験できる本作は見逃せない。

Huluオリジナル「THE HEAD」Season1はHuluにて全話配信中、7月9日(日)23時59分までTVerにて見逃し配信中(第6話は7月1日~配信開始)。Season2はHuluにて独占配信中(毎週土曜新エピソード追加/全6話)。


Huluチケット (1ヵ月利用権)|オンラインコード版
¥1,026
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)

遊星からの物体X (字幕版)
¥400
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
《シネマカフェ編集部》

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