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観返すことで印象が激変! “変容” と“拡張”、そして中村倫也の業が光る「ハヤブサ消防団」

池井戸潤の小説を中村倫也主演でドラマ化した「ハヤブサ消防団」。地上波放送時にも終盤の衝撃展開が話題となった本作のDVD&Blu-rayが2024年1月26日に発売&レンタル開始となった。繰り返し観ても味わい深い、本作と主演・中村倫也の魅力を改めてひも解いていきたい。

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「ハヤブサ消防団」DVD&Blu-ray BOX ©池井戸潤「ハヤブサ消防団」/テレビ朝日
「ハヤブサ消防団」DVD&Blu-ray BOX ©池井戸潤「ハヤブサ消防団」/テレビ朝日
  • 「ハヤブサ消防団」DVD&Blu-ray BOX ©池井戸潤「ハヤブサ消防団」/テレビ朝日
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  • 「ハヤブサ消防団」DVD&Blu-ray BOX ©池井戸潤「ハヤブサ消防団」/テレビ朝日
  • 「ハヤブサ消防団」Blu-ray BOXジャケット ©池井戸潤「ハヤブサ消防団」/テレビ朝日
  • 「ハヤブサ消防団」DVD-BOXジャケット ©池井戸潤「ハヤブサ消防団」/テレビ朝日

池井戸潤の小説を中村倫也主演でドラマ化した「ハヤブサ消防団」。地上波放送時にも終盤の衝撃展開が話題となった本作のDVD&Blu-rayが2024年1月26日に発売&レンタル開始となった。繰り返し観ても味わい深い、本作と主演・中村倫也の魅力を改めてひも解いていきたい。

まずは改めて「ハヤブサ消防団」の簡単なあらすじを紹介しよう。伸び悩みの時期に差し掛かったミステリ作家小説家・三馬太郎(中村倫也)は、亡き父から相続した山間の“ハヤブサ地区”にある一軒家の様子を見に行き、美しい自然に心惹かれて移住を決める。地元の有志で結成された“ハヤブサ消防団”にも入団し、心機一転新生活をスタートするつもりが……。ハヤブサ地区では謎の火災が続き、どこか怪しげなソーラーパネル業者が出入りし、山ではただならぬ雰囲気を纏った老女を目撃し、他にも色々と不審な事件が続出。そしてちらつく、カルトな宗教団体“アビゲイル騎士団”の陰――。三馬はハヤブサを覆う謎を解き明かすことができるのか?


「ハヤブサ消防団」公式サイト

1話から大量に仕掛けられた伏線、
“変容” と“拡張”がドラマを盛り上げる


本作の魅力は、ずばり “変容” と“拡張”にあるだろう。コロナ禍を機によりメジャーになった地方移住を皮切りに、サスペンス、村ホラー、アクションと多ジャンルを横断し、コメディやラブストーリーの要素も盛り込みつつ、全てが強固なミステリーに集約していく。様々な切り口で楽しませてくれる多彩なエンタメ作品でありつつ、第1話から大量に伏線が仕掛けられており、観返すことで印象が激変する“沼”要素も。

例えば気のいい消防団メンバーとのクスッと笑わされるコミカルなシーンも、三馬と儚げな女性・立木彩(川口春奈)のしっとりしたラブストーリーも「この相手を信用していいのか?」と思い始めると途端に恐ろしいものに変わっていく。主人公が移住者=新参者であり地元民をよく知らないという設定を見事に活かしており、しっかりした作りで視聴者を満足させつつも、「次に何が起こるかわからない」と安心させることがない。

川口春奈演じる立木彩

そして、ともすれば小さなコミュニティ内の話で終わってしまいそうな懸念を完全に払しょくしてくれる“拡張展開”も見事。映画『ミッドサマー』や『理想郷』のような移住者や訪問者が恐ろしい目に遭う“村モノ”の要素はきっちりカバーしつつ、日本を震撼させたカルト教団“アビゲイル騎士団”とのリンクが色濃くなっていくことで、物語が列島規模まで拡大していくのだ。大量のエキストラを投入した終盤の展開はゾッとさせられると同時にスケール感も担保しており、まるで飽きさせることがない。全9話を通して見え方も魅せ方も進化し続ける「ハヤブサ消防団」は、「こういう話だとは思わなかった!」といううれしい誤算をビリビリと感じさせてくれる一作に仕上がっている。


親しみやすい主人公を演じた
中村倫也の業(わざ)


先に述べたように、「ハヤブサ消防団」は視聴者には無限の楽しみを与えてくれる一級エンタメだが、作り手からするとS級難易度の企画に違いない。アクセル全開で変化し続ける物語に時に並走しつつ、時に錨(いかり)として敢えて踏みとどまることで視聴者との橋渡しを請け負いながら、主人公として「観続けられる」魅力を放つ存在――そんな芸当をこなせてしまう俳優が、ここにいた。もはや説明不要の人気実力派・中村倫也である。

主人公の三馬太郎(中村倫也)

詐欺師にヤクザ、ベートーベンに土星人までなんでもござれな万能役者が、「ハヤブサ消防団」にどう臨み、どんな人物像を構築してくれるのかはファンならずとも気になるところ。その結果は「親しみやすさ」だった。個人的に視聴時、「なるほど!」と膝を打ったものだ。三馬はかつて文学賞に輝くも、その後は右肩下がりの小説家。この設定だけ見れば視聴者から「遠い」存在であろうが、中村が醸すピュアさが壁を取り払い、共感できて推せる人物像になっている。

三馬と消防団の面々

例えばハヤブサ消防団との交流でも、彩とのやり取りでも、三馬はどこまでも素直な存在。消防団の活躍に感動して「仲間に入れてほしい」と嘆願するシーンも、彩と距離が近づいて舞い上がるシーンも、本人の純粋さが視聴者に浸透しているためスッと受け入れられる。編集者・中山田(山本耕史)との漫才的なやり取りも笑わせようとしていないから微笑ましく観ていられるし、消防団との絆が構築されていく過程もうんうんと頷ける。それどころか「簡単に人を信じちゃって大丈夫?」と心配になるような、“見守りたくなる感”をナチュラルに出せるのは、流石としか言いようがない。

ちなみに、「ハヤブサ消防団」では主人公が画面越しに視聴者に向かって語り掛ける方式をとっている。こうした「第四の壁」を崩すアプローチは、下手すると物語への没入を妨げる諸刃の剣。ただこと本作においては、「主人公が視聴者を信頼している」感につながっており、実に効いている。中村の業(わざ)と演出が完璧に融合した好例といえるだろう。そこに付随するのが、三馬の「変わらない」魅力。どんな災難に見舞われても汚れず堕ちず純真であり続け、他者に流されずに「作家は人の本質を見極める」を地で行く清廉な主人公を創り上げた中村。その結果、視聴者の中で三馬への親しみやすさがカッコよさへと変化する両立効果を成し遂げている。しかもそのグラデーションを操作せず、各々に任せる心配りが絶妙だ。中村倫也の演者としての懐の深さを感じさせるキャラクターになっている。


作品が出来上がる過程を丸ごと楽しむことができる!DVD&Blu-ray BOX充実の特典

「ハヤブサ消防団」Blu-ray BOXジャケット

最後に、コレクターズアイテムとしての「ハヤブサ消防団」DVD&Blu-ray BOXの魅力についても触れておきたい。封入特典として「ハヤブサ地区 観光MAP×ストーリーガイド」、そして衝撃の最終話を中村倫也と常廣丈太監督が語る録り下ろし対談も垂涎ものだが(舞台裏を余すところなく語ってくれる!)、映像特典はなんと140分にも及ぶ超豪華仕様。制作発表記者会見やクランクイン映像、誕生日映像集といったものから各種メイキングにインタビュー映像、TELASAスピンオフドラマ「恋の妄想♡消防団」を収録しており、作品が出来上がる過程を丸ごとコンパイルしている。

メイキングにおいては、消火シーンをワンカット撮影し、放送時に話題を集めた第1話の舞台裏を〈カメラテスト→リハーサル→本番〉と追っているものが秀逸だ。臨場感たっぷりな撮影現場を味わえると同時に、ポンプの水が来ないアクシデントに動じず、アドリブで場をつなぐ俳優陣の凄みも感じられ、「ハヤブサ消防団」を隅から隅まで味わえる。今回挙げたものはごく一部だが、永久保存版の名に恥じぬサービス&充実ぶり。各々のペースで、ニマニマじっくり楽しんでいただきたい。


「ハヤブサ消防団」公式サイト

「ハヤブサ消防団」DVD&Blu-ray BOXは好評発売中。

「ハヤブサ消防団」DVD&Blu-ray BOX

2023年7月13日~2023年9月14日 テレビ朝日にて放送
1~9話収録【全9話】

■ 封入特典
・ハヤブサ地区 観光MAP×ストーリーガイド
■ 映像特典(140分)
・TELASAスピンオフドラマ「恋の妄想♡消防団」
・制作発表記者会見 フルver.
・クランクイン
・第1話 伝説のワンカット消防シーンに密着
・お誕生日映像集
・禁断の他局コラボ「モニタリング」中村倫也インタビュー
・ドラマ初挑戦 ちゃんみなメイキング
・最終話 ガンエフェクトの裏側
・メイキング&オフショット集
・クランクアップ
・PRスポット集
■ 音声特典
・録り下ろし 最終話オーディオコメンタリー 中村倫也×常廣丈太監督 対談

販売価格

DVD-BOX:25,080円(税込)

Blu-ray BOX:31,680円(税込)

©池井戸潤「ハヤブサ消防団」/テレビ朝日

発売元:株式会社テレビ朝日

販売元:株式会社ハピネット・メディアマーケティング


ハヤブサ消防団 Blu-ray BOX [Blu-ray]
¥25,368
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)


〈提供:ハピネット・メディアマーケティング〉

《SYO》

物書き SYO

1987年福井県生。東京学芸大学卒業後、映画雑誌の編集プロダクション、映画WEBメディアでの勤務を経て、2020年に独立。映画・アニメ・ドラマを中心に、小説・漫画・音楽・ゲームなどエンタメ系全般のインタビュー、レビュー、コラム等を各メディアにて執筆。並行して個人の創作活動も行う。

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