※本サイトはアフィリエイト広告を利用しています

【特集】映像表現の現在地と未来図を照らす、ショートフィルムの祭典 「SSFF & ASIA 2025」注目作品を紹介

最新ニュース
PR
【特集】映像表現の現在地と未来図を照らす、ショートフィルムの祭典 「SSFF & ASIA 2025」注目作品を紹介
【特集】映像表現の現在地と未来図を照らす、ショートフィルムの祭典 「SSFF & ASIA 2025」注目作品を紹介
  • 【特集】映像表現の現在地と未来図を照らす、ショートフィルムの祭典 「SSFF & ASIA 2025」注目作品を紹介
  • 『夏至物語【完全版】』
  • 『宇宙飛行士からの手紙 ~Letter from Cosmonauts~』
  • 『Drag Fox』
  • 『Little Pains』
  • 『エンパシーの岸辺 The Shore of Empathy』
  • 『Will You Come Up?』
  • 『夏至物語【完全版】』

米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2025」(SSFF & ASIA 2025)が開幕する。5月28日(水)~6月11日(水)まで東京会場で、4月24日(木)~6月30日(月)までオンライン会場での開催だ。

今年のテーマは「creative active generative」。世界中からフィルムメイカーの“creative”が集結し、観客や企業との出会いによる新たな化学反応を“active”に創出。さらに、AIなどの最新テクノロジーで次世代の映画文化を生成(“generative”)する。映像表現の現在地と未来図を照らし出す、注目の作品をご紹介しよう。


「SSFF & ASIA 2025」プログラム一覧



ジャパンプログラム

ブレイク前夜の監督や俳優陣が参加するまさに日本映画の未来の秘宝が集結するジャパンカテゴリ。企画コンペ 講談社シネマクリエイターズラボから生まれた注目作品も!

『エンパシーの岸辺 The Shore of Empathy』

【コンペティション部門18】

婚約者に裏切られたアカリは、浮気相手だったルームメイトのハルカを衝動的に殺害した。遺体をスーツケースに詰め込み、海に向かって車を走らせる。しかしその途中、死んだはずのハルカがジッパーを開けて這い出してきた。「殺すべきじゃなかったんじゃないの?」。こじれてしまった関係と噛み合わない記憶が、言い合いのなかで少しずつほどけていく。

サスペンス風の導入から、ファンタジックでオフビートな会話劇へスライドする“ほぼ2人芝居”。過去と現在が交錯するなか、毒気あるセリフが軽やかに展開し、最後には静かな余韻を残す。密室の車内から、時間・空間を越えて拡がる心理のドライブが愉しい。


『エンパシーの岸辺 The Shore of Empathy』

監督:石川 泰地

時間:0:24:58

国:日本

出演者:藤井武美、藤丸千、和知龍範、伊藤雄太

インターナショナルプログラム

来年のアカデミー賞最有力候補!? 欧米をはじめ、そのクオリティに目を見張るドラマ作品が一堂に揃うインターナショナルカテゴリー。

『リトル・ペインズ Little Pains』

【コンペティション部門22】

葬儀の日、11歳の少女ソフィは静かに心を閉ざしていた。葬儀場で、ソフィはとある兄妹3人組と出会う。そのうちの一人、ジョシュは今日が誕生日だった。ソフィはささやかなパーティーを開こうとするが、そこにオモチャの銃を持った少女が現れ、パーティーをぶち壊す。少女はときおり姿を見せると、なぜかソフィたちを狙って弾を撃ってくるのだった。ソフィはジョシュに仕返しを提案するが……。

「変な子」と呼ばれる少年少女が、自らの悲しみと痛みから目をそらしつつ、無防備な友情で結ばれていく。子どもたちのひそかな傷を、言葉ではなく映像のリズムで繊細に描き出した。豊かな自然を背景に、子役たちのナチュラルな演技が胸を打つ。


『リトル・ペインズ Little Pains』

監督:Milda Baginskaitė

時間:0:19:00

国:イギリス, 日本

出演者:Hannah Cortez, Leo Ashton, William Flanagan, Lucie Makayla Ellis, Logan Crane

アニメーションプログラム

アカデミー賞ショートリスト入りする作品多数!

『Drag Fox』

【コンペティション部門15】

11歳のサムは、自らのジェンダーにひそかな揺らぎを抱える。ある夜、姉のドレスをこっそりと着てみたとき、一匹のキツネが現れてドレスを奪い、サムを誘うように屋根裏へ逃げ出した。追いかけたサムが目にしたのは、ドレスをまとい、スポットライトの下で歌い踊る“ドラァグ・フォックス”!

精巧なパペットが自由に跳ね、踊り、輝くストップモーション・アニメ。ありのままの自分を表現する喜びと恐れを、祝祭的なダンスと音楽で包み込んだ。キツネの声を務めるのは名優イアン・マッケラン、歌唱は「ル・ポールのドラァグ・レース:UK」のディヴィナ・デ・カンポ。演奏はLGBTQ+コミュニティの誇りを掲げるロンドン・ゲイ・ビッグ・バンド。


『Drag Fox』

監督:Lisa Ott

時間:0:08:10

国:イギリス

出演者:Ian McKellen, Divina De Campo, Aidan Gale

K-SHORT 特別上映イベント

日韓国交正常化60周年の今年。SSFF & ASIAでは韓国のショートフィルムを特別上映。国民の夫と称され人気の韓流俳優ユ・ジュンサンが自らの監督作品と共に来日、イベント参加する。

『うちに来る? Will You Come Up?』

名門大学を卒業したヒョクは、ある過ちを犯し、今はアパートの警備員として働く身。ある日、ヒョクは野良猫にこっそり餌をあげているCAの女に一目惚れをした。警備員室に食事を差し入れ、猫の世話を頼んで旅立った彼女の帰りを待ちながら、ヒョクの気持ちは高まるばかりだ。「あなたと出会って私は変わった」。そう信じるヒョクだが、約束の日を過ぎても戻らない彼女への思いを抑えきれなくなる……。

欲望ゆえの失敗で人生を狂わせた男は、同じ試練にさらされたとき、今度こそ理性を貫くことができるのか? ラブストーリーとサスペンス、ホラーを行き来しつつ、抑制された語り口のなかで狂気をじわじわとにじませる構成が巧み。


『うちに来る? Will You Come Up?』

監督:Ho-seung Son

時間:0:19:54

国:韓国

Women in Cinema Project

女性監督ならではの視点で描かれるショートフィルムを特集。

『ナイン・デイズ・イン・オーガスト NINE DAYS IN AUGUST』

18歳のリアは、友人との軽い賭けで妊娠検査を試し、思いがけない「陽性」の結果に動揺する。一刻も早く中絶したいと病院に連絡するものの、思いとどまるよう説得されたり、手続き上なかなか施術を受けられなかったりと、待たされるたびに不安と焦燥は募る。

9日間を凝縮した17分間で繰り返されるのは、リアが先を急がんばかりに自転車を漕ぐ姿と、婦人科の「少々お待ちください」というアナウンス。ピンホールのごとく円形に切り取られた映像、緻密に制御された編集のリズム、鮮やかな音響演出による「静」と「動」の緩急がリアの内面世界へ観客を誘う。監督のエラ・クノルツは、リアルかつ直感的な表現で高い演出力を示した。


『ナイン・デイズ・イン・オーガスト NINE DAYS IN AUGUST』

監督:Ella Knorz

時間:0:17:04

国:ドイツ

出演者:Marie Nadja Haller, Paula Winteler, Frank Voß, Tina Piesch

Rainbowプログラム

今年の応募作品のトレンドでもあるトランスユース(トランスジェンダーの若者)がみつめる世界観に注目!

『ジェンダー・リビール Gender Reveal』

ノンバイナリーでポリアモリーのリースは、上司の第1子の性別発表会(Gender Reveal Party)に招かれた。仕事のため、2人のパートナーを連れて嫌々出席したリースだったが、パーティーの空間も、参加者たちの雰囲気も息苦しい。「赤ちゃんは男の子? それとも女の子?」リースがどうにか態度を取りつくろうなか、ブルーとピンクの2色に分けられた会場で、いよいよ性別が発表されようとしていた。

挑発的なセリフと脱力系のテンポが奇妙な味わいを生むクィア・コメディが思わぬ展開へ一転! パステル調のキュート&ファンシーな色彩と、パンチの効いたジョークのコンビネーションで伝統的な家族観と性規範を痛烈に風刺した。


『ジェンダー・リビール Gender Reveal』

監督:Mo Matton

時間:0:12:32

国:カナダ

出演者:Ayo Tsalithaba, Kě Xīn Li , Lyraël (Alex) Dauphin

AIプログラム

AIを使用した応募作品は過去最多の275点。色調補正、ボイスオーバー、細かなグラフィックやエフェクト、脚本やストーリーボードにAI技術をツールとして使用する作品など、最先端の映像表現を体験可能。

『Transformation』

遠い未来、故郷の星を失った“赤色”の知的生命体ドラクズルは、新たな本拠地を求めて地球へたどり着いた。そこは感染症のため人類以外の動物が絶滅し、すべてがロボット化された“黄色”の惑星。残された人類は、自らの感情を奪い、不妊をもたらす奇妙な食糧ノヴァに依存して生き長らえていた。やがて侵略を始めたドラクズルと、人類を守“緑色”のアンドロイドTENSの全面戦争が始まる。

宇宙規模で展開する大スケールのSFストーリーを、生成AIによる映像で描いた12分間。技術発展途上の現在ならではというべき、独特の美しさと不気味さが同居した異形の映像が人類不在の戦いにふさわしい。“AI映画”としての必然性をそなえた一作。


『Transformation』

監督:Marcel Barsotti

時間:0:12:39

国:ドイツ

ホラープログラム

SSFF & ASIAへ応募されたオフィシャルコンペティション応募作品の中で優秀なホラー&サスペンス作品を「ホラー&サスペンスカテゴリー」ノミネート作品として上映&オンライン会場にて配信。それらノミネート作品の中で最も才能を感じられる作品、監督へ「最恐賞 presented by CRG」、賞金50万円を授与。

『死に者狂い for Dear Life』

突然の火事で母親を失った少女は、深い喪失感に沈みながら「死んでも母に会いたい」と願う。少女を救おうとした精神科医は、地元に伝わる言い伝えを教えるのだった。「自分の命と引き換えに、会いたい人に会える場所がある」。少女と精神科医は森の洞窟へ向かうが、それは現実と狂気の狭間で“死”と対峙する旅だった。

少女の不安定な心理を表現した不穏なトーン、深い自然をとらえた映像、絶叫と静寂のコントラストが織りなす本作は、「死とは何か、死をホラー映画として表現するとは何か」という問いに、2人の女性が織りなす心理劇と、オカルト的・神秘的な恐怖のあいだで挑んだ。パルマジャパン国際短編映画祭でも上映。


『死に者狂い for Dear Life』

監督:三重野広帆

時間:0:16:20

国:日本

出演者:伊藤友希、田中佐季、高木珠里

Cinematic Tokyoプログラム

東京をテーマに国内外から集まるショートフィルムのプログラム。

『KARITA』

東京のレコードショップで働くアメリカ人・ニコは、バーで出会った若者たちの気を引こうと過去の武勇伝を語る。「以前、隣人の車を勝手に乗り回したことがある」と。勢いに任せるがまま、若者の一人が叔父の車を“借りて”、一同はドライブへ。文化の違い、微妙な人間関係、後悔と罪悪感が夜の街に溶けていく。

誰もが少しずつ背伸びをして、本当の自分を見失う。若さゆえのイタさも、異郷に溶け込む願いも含めて「等身大の青春」を描いた本作は、どこかレトロな風合いのなか、悪ふざけにロマンスとサスペンスが香る一本だ。植田光二とヴァージニア・デ・ウィットが共同監督を務め、デ・ウィット自身がニコ役を演じた。


『KARITA』

監督:Virginia de Witt & Koji Ueda

時間:0:17:18

国:日本

出演者:Virginia de Witt, Haruka Hirata, Koki Kutsuna, Hayato Kurihara, Mika Ushio


「SSFF & ASIA 2025」公式サイト



その他注目作品はこちら!

『夏至物語【完全版】』(ジャパンプログラム特別上映作品

【コンペティション部門23】

岩井俊二監督が1992年に製作した同名短編のセルフリメイク。​蒸し暑い夏の午後、ユウコは向かいの部屋に住む恋人・トオルの帰りをじっと待っている。双眼鏡でトオルの部屋を覗くうち、現実と幻想の境界が溶けあい――。主演はアイナ・ジ・エンド。​エンディングテーマは、ムーンライダーズが47年ぶりに再録した「午後のレディ」。


『夏至物語【完全版】』

監督:岩井 俊二

時間:0:34:19

国:日本

出演者:アイナ・ジ・エンド、村中暖奈、足立理、田井竜也

『流されて Drifting』(インターナショナルプログラム特別上映作品)

【コンペティション部門19】

キアンとパットはアイルランドの田舎町でともに育った幼なじみ。しかし、自由気ままに酒と気軽な男女関係を楽しむキアンは周囲からの評判を落とす一方。長年キアンの面倒を見てきたパットは自身の環境に苛立ちを募らせていた。『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』などのポール・メスカルがブレイク直前に出演。


『流されて Drifting』

監督:Robert Higgins & Patrick McGivney

時間:0:14:00

国:アイルランド

出演者:ポール・メスカル

HOPPY特別製作作品
『宇宙飛行士からの手紙 Letter from Astronauts』

コンペティション部門9 /6月11日からHOPPY HAPPY THEATERで配信開始】

ホッピー発売から77年を迎える年に、ホッピー配達人のオサダさんも77歳になった。仕事終わり、馴染みの店でホッピーを飲んでいるオサダさんは引退を宣言。店主たちに「人生の楽しみ方を教えてください」と頼むのだった。店主たちは感謝祭を計画するが、オサダさんは現れない。待つあいだ、一同はオサダさんの逸話を語り合う。


『宇宙飛行士からの手紙 Letter from Astronauts』

監督:倉田 健次

時間:0:24:00

国:日本


ゲストは上田慎一郎監督!上映&トークイベント「MILBON BEAUTY PROGRAM」

美容室向けヘアケア・化粧品メーカーの株式会社ミルボンとSSFF & ASIA2025がコラボレーションする特別プログラム「MILBON BEAUTY PROGRAM」を5月31日(土)15:40~表参道ヒルズスペーオーにて開催予定。

本年度の応募作品の中から、「美しさ」をコンセプトにミルボンと映画祭が選んだショートフィルム3作品(『クロネズミ』 『マイディア』 『信じる心』)を上映すると共に、映画監督の上田慎一郎がゲスト登壇し、作品の感想や「美しさを通じた心の豊かさ」についてトークを繰り広げる。

SSFF & ASIAとミルボンは2022年からショートフィルム配信プロジェクト「MILBON BEAUTY MOVIES」をスタート。毎月、「美しさ」をテーマに世界中から厳選したさまざまなショートフィルムをオンライン配信するとともに、定期的に豪華ゲストを招いたリアルイベントを開催しており、本プログラムは映画祭スペシャルバージョンとなる。

イベント概要「MILBON BEAUTY PROGRAM」

・日時:5月31日(土)15:40‐17:30 *開場:15:30
・会場:表参道ヒルズ スペースオー
・ご予約: 無料ですがご予約下さい。
・登壇者:上田慎一郎(映画監督)

チケット予約: https://ssff2025hills12.peatix.com/


「SSFF & ASIA 2025」公式サイト



「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2025」開催期間&会場

■開催期間:
4月24日(木)~6月30日(月)オンライン会場
※期間により配信プログラムが異なる

5月28日(水)オープニングセレモニー
5月29日(木)~6月10日(火)東京会場
6月11日(水)アワードセレモニー

■上映会場:
TAKANAWA GATEWAY CITY、表参道ヒルズ スペースオー、赤坂インターシティコンファレンス、WITH HARAJUKUほか
※会場により期間・プログラムが異なる

《稲垣貴俊》

ライター・編集者 稲垣貴俊

海外映画を専門に、評論やコラム、インタビューなどの幅広い文章を、書籍・雑誌・映画パンフレット・ウェブメディアなど多数の媒体で執筆。国内舞台作品のリサーチ・コンサルティングも務める。

+ 続きを読む

関連記事

特集

【注目の記事】[PR]

特集

page top