映画『秒速5センチメートル』の完成披露試写会が9月17日(水)、都内で行われた。本作は、新海誠(『君の名は。』『すずめの戸締まり』)が原作・監督・脚本などを手がけた2007年公開の同名アニメ作品を実写化したもの。
舞台挨拶には、主人公・遠野貴樹が大人に成長した姿を演じた松村北斗をはじめ、共演する高畑充希、森七菜、青木柚、木竜麻生、上田悠斗、白山乃愛、宮崎あおい、吉岡秀隆、奥山由之監督が登壇した。

松村は「(原作の)アニメーションが、世の中にある上で実写映画ができ、どんな違いや共通点が生まれて、皆さんの中で育まれているのが楽しみ」と期待を寄せ、「アニメだから描けること、僕ら生身の人間だから描けること、それぞれに素晴らしさがある。その違いに感動していただけるのではと思います」と思いを語った。
この日は、新海氏がサプライズ登壇し、「試写を見ているうちに、何だかよく分からない涙が出てきて。素晴らしい作品に仕上げていただき、感謝している」と絶賛した。
自身が手がけたアニメ版については、「名作だと言ってくださるが、本当に大した作品じゃないんです。心残りがギュッと詰まっている」と本音。「アニメーションの作り方も分からないまま、アパートの1室でスタッフを集めて、見よう見まねで作った。当時なりに必死でしたが、後悔がずっとあった」と、製作当時をふり返った。

今回の実写化に対しては「愛おしい映画でもあるんですが、本当にこれでいいんですかと申し訳ない気持ちにもなった」と語り、「当時はキャラクターを描くこともよく分からず、貴樹がどんな男性なのかも、分からないままだった。今回、(実写化された)映画を見たら、貴樹はこういう人物なんだと教えていただき、ようやく知り合えた気がします」と、松村に感謝を伝えていた。
この言葉に、松村は「原作への敬意が基盤にあったが、それが不安な理由でもあった」と言い、「原作者の方にいい映画だと思ってもらえるのは、1つ必要な要素。そういう感想をいただくと、安心して100パーセントの気持ちで、次はお客様に向けて一歩進める」と感激していた。

『秒速5センチメートル』は10月10日(金)より全国にて公開。
※宮崎あおいの「崎」は、正しくは「たつさき」


