小栗旬、ハン・ヒョジュ、月川翔監督が、「第30回釜山国際映画祭」において今年最も期待される話題のドラマを紹介する<オンスクリーン部門>に正式招待されたNetflixシリーズ「匿名の恋人たち」のワールドプレミアに参加。13年振りロマコメ出演の小栗と韓国の人気女優ハン・ヒョジュの“ケミ”に注目が集まった。
“人に触れられない”、“人の目を見られない”という、恋愛には絶望的に向かない男女の恋模様を、実力派の豪華キャストと世界で活躍する日韓のスタッフが集結し、不器用だけど愛おしい大人の恋をコミカルに描く。
映画祭3日目となる9月19日、プレミア当日の朝にはメイン予告とキーアートも解禁となり、日本韓国をはじめグローバルでいよいよ来月に迫った配信スタートへの期待が高まる中、この度、本作の第1話&2話が初お披露目。

上映が終了すると同時にあたたかな拍手に包まれた会場に、小栗、ハン・ヒョジュ、月川監督が揃って登壇。本作で最高のカップリングを見せた小栗とヒョジュが公の場で並ぶ姿は今回が初ということもあり、会場に詰め掛けた約300人の観客からは歓声と拍手が巻き起こった。
釜山国際映画祭へは初参加となった小栗は、「こんにちは!この作品で釜山国際映画祭に参加することができて嬉しいです!皆さん、サランヘヨ!(愛しています)」と、時折隣にいるハン・ヒョジュに耳打ちで教わりながらも韓国語でしっかりと挨拶。

会場にも「初恋は小栗旬でした」と熱いメッセージを送るファンがいるなど、韓国でも熱狂的な人気を誇る小栗は、黄色い歓声が送られると思わず照れ笑いを浮かべる場面も。
そして、国内外で圧倒的な知名度を誇り、韓国を代表する俳優の1人でもあるハン・ヒョジュは、白シャツにデニムというシンプルな出で立ちながらも、その圧倒的な美しさと存在感に客席からため息が漏れるほど。

上映されたばかりの本編さながらに、大人の2人の、自然体ながらもどこか可愛らしい雰囲気に、会場はあたたかな空気に包まれながらワールドプレミアイベントはスタートした。
“人に触れられない”“人の目を見られない”人物の役作りを語る
作品を見終えたばかりの興奮冷めやらぬ観客たちからの質疑応答を中心に繰り広げられた本イベント。まず、トークは“大人のロマンティックコメディ”を見事に体現した小栗とハン・ヒョジュによる、主人公とヒロインの役作りから。
ハン・ヒョジュ演じるハナは、幼い頃から“人の目を見ること”ができないという秘密を抱えているという難しい役どころ。観客からその役作りについて聞かれると、「“視線恐怖症”というと重い悩みに捉えられてしまうかもしれませんが、実は誰もが少しずつ持っているものだと思います」と語る。

「私自身のケースでは、長年俳優活動をしていますが、役を演じているときよりもハン・ヒョジュとして人前に立つときの方が緊張します。そのような時に逃げ出したい瞬間がたくさんあるのですが、その気持ちをハナが抱える悩みに投影することで、役を作っていきました」と、自身の感情をうまくキャラクターに乗せることでヒロイン・ハナという役を演じていたことを明かした。
対する小栗演じる壮亮も、実は“人に触れられない”という秘密を抱えている。同じく難しい役どころを演じた小栗だったが、【壮亮の中に引かれている線引き】を明確にすることで、そのキャラクターを演じながら飲み込んでいったという。
小栗は「壮亮が温泉に入るシーンがありますが、壮亮は(他人が入った可能性がある)温泉に入れるのか、入れないのか。撮影現場でも真剣な議論を交わしました」と、細かいルールを決め検証していくことで、キャラクター像を明確にしていったと語った。

ハン・ヒョジュ「母国語で話すときの2倍3倍のエネルギーを使う」
そんな2人が試行錯誤しながら挑んだ本作「匿名の恋人たち」は、制作陣も世界で活躍する日韓のトップクリエイター陣が集結し制作された為、撮影現場でも様々な交流があったと明かす。
ハン・ヒョジュは日本語での台詞まわしに、多くの努力を費やしたそうだ。ハナは10年ほど日本に暮らしており、その中で壮亮に出会うという設定。
ハナを演じるハン・ヒョジュの台本には、作品の中でもほぼ日本語の台詞が当てられていたが、「母国語で話すときの2倍3倍のエネルギーを使います」と大きなプレッシャー下での撮影だったと振り返る。

元々日本語に馴染みはあったものの、10年間日本に暮らしていた人が話す日本語がどのようなものか、監督や日本語指導の先生、そして小栗と日々相談しながら調整をしていったそうで、そのひたむきに努力し続ける姿に小栗も「本当にすごく頑張ってくれたヒョジュの存在が大きかった」と絶賛。
対する小栗が衝撃を受けたと明かしたのは、2020年のアカデミー賞作品賞を受賞した『パラサイト 半地下の家族』の制作にも携わったイ・ハジュン氏の存在。
イ・ハジュン氏は“プロダクションデザイナー”として本作に参加しているが、小栗は「クランクインの前に物凄く分厚いコンセプトシートを見せてもらいました。そこに作品の世界観や自分の役についても彼のイメージが詳しく書かれており、そのおかげで作品への理解がとても深まりました。初めての体験でした」と、Netflix作品ならではの体験を振り返った。
役者陣のキャラクターへの深い理解と、日本と韓国のトップクリエイター陣のタッグによる相乗効果で完成した本作。
会場でひと早く作品を観た現地のファンからは、「正直なところ日韓ドラマに対して少し不安な部分もあったのですが、そんなこと思っていたのが申し訳ないほど内容がとても面白かったです!そして小栗旬さんはやはりロマンティックコメディがとてもお上手で、演技が素敵で魅力ある方だと改めて思いました!2時間が本当にあっという間に過ぎていきました!」という声、「ハン・ヒョジュさんの演技が繊細で、お2人とも細かいディテールまで表現されていて胸が温かくなる話でした。当然続きを観ます!友達にも勧めます!」「続きが本当に気になります!配信がずっと先じゃないですか!今の感情で早く観たいのに!!」など、熱量高いコメントが届いた。

ラストのフォトセッション時には、客席で2人を見守っていた共演者の米本学仁と、みょんふぁ(上映された第2話に夫婦役で登場)が急遽壇上に上がり一緒に撮影に参加するひと幕も。直前まで鑑賞していた登場人物たちのサプライズ共演に会場内のテンションも上がり、和気藹々とした雰囲気でイベントは締め括られた。

2人でハートポーズも!深掘りイベント
また、翌日には、屋外の会場で大勢のファンたちの前に小栗、ハン・ヒョジュ、月川監督が揃って登場する【アウトドアグリーティング】も開催され、さらに作品の魅力を深堀り。
小栗とは3本目のタッグとなる月川監督が、ハナ役にハン・ヒョジュを抜擢した際の運命的な出会いについてもふり返り、「たまたま本作のプロデューサーとヒョジュさんがTV電話をしていた際に小栗さんと一緒に出くわして、電話を切った後に『電話の向こうにハナがいたよね』と話したことがきっかけだったんです」と満場一致の決定だったとキャスティング秘話も明かした。

最後に月川監督より、本作の配信スタートを心待ちにしているファンたちに向けて、「コミュニケーションをとるのが難しい登場人物たちが奇跡的に出会い、どんな人生を歩んでいくのかという、壮大なことは特には起こらないけれど、贅沢なチョコレートのように観ている方の人生にそっと寄り添うような、ささやかな時間を皆様にお届けできたらと思い作りました。是非楽しんでください」とメッセージ。

2日間に及ぶイベント中も終始、作中さながらの仲睦まじい様子をみせていた小栗とハン・ヒョジュ。
小栗は韓国の現地ファンたちからのリクエストに応え、ほぼ初めてだという指ハートポーズをぎこちないながらも披露し、詰めかけた大勢のファンたちからの熱視線と黄色い歓声を集めていた。

Netflixシリーズ「匿名の恋人たち」は10月16日(木)より独占配信。

