『オクニョ 運命の女(ひと)』で、主人公オクニョの運命に深く関わる重要人物のひとりが、チェ・テジュン演じるソン・ジホンだ。
捕盗庁(ポドチョン)の従事官として登場したジホンは、正義感が強く、筋を通す若者でありながら、権力や陰謀が渦巻く世界の中で葛藤する繊細さも持ち合わせていた。ただまっすぐなだけではない、誠実さと危うさが同居する人物像は、物語に静かな緊張感を与えていた。
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チェ・テジュンは、そんなソン・ジホンを端正な佇まいと落ち着いた演技で表現し、『オクニョ』の中でも“気になる若手俳優”として印象を残した。

では、チェ・テジュンは今、何をしているのか。
『オクニョ』以降の彼は、着実にフィルモグラフィーを重ねながら、作品ごとに違う表情を見せてきた。
2017年のドラマ『あやしいパートナー~Destiny Lovers~』では、チ・チャンウク演じる主人公の親友でありライバルの弁護士ジ・ウニョク役を好演。どこか憎めない愛嬌と切なさを抱えた演技で、女性ファンの心を掴んだ。
さらにウェブトゥーン原作のドラマ『だから俺はアンチと結婚した』では、トップスターのフジュン役を演じた。甘いマスクとツンデレな魅力が再び火をつけ、グローバルなファン層を拡大する結果となった。
さらに近年の大きな話題となったのが、KBSのドラマ『アイロンミファミリー』。チェ・テジュンはこの作品でチャ・テウン役を演じ、複雑な家庭の事情や人間関係の中で揺れるキャラクターを立体的に見せた。2024年後半から2025年初めにかけて放送されたこの作品は、彼にとって“久しぶりにしっかり見せた俳優としての現在地”と言える一本になった。

私生活では、パク・シネの夫としても広く知られている。2人は2021年11月に結婚と妊娠を発表し、2022年1月に挙式、その年の5月には第1子となる男児が誕生した。華やかなスター夫婦でありながら、過度に私生活を切り売りせず、落ち着いた家庭像を守っている点にも好感を持つ人は多い。
また2026年2月には、ブリッツウェイ・エンターテインメントとの専属契約。新たな所属先で再出発を切ったことは、今後の活動の広がりを期待させている。俳優として着実にキャリアを重ねてきた彼が、ここからどのような作品で新しい顔を見せるのか。注目だ。
文=森下 薫


