深夜、タクシーの中で眠り込んだ山本アキ(黒沢あすか)が目覚めると、手錠をかけられ自由を奪われていた。事態を飲み込めない彼女に振り向いた運転手は黒木裕子(山下葉子)。罵声を浴びせるアキを尻目に、裕子は無言でいずこかへと車を走らせる――。2年前の夏。裕子は実業家の夫・秀雄(武田修宏)と息子ミノルに囲まれて、平穏な日々を送っていた。家族と一緒に過ごすために別荘地を訪れた彼女はそこでアキと出会う。アキは夫と別れて一人娘の結花と共に実家のガソリンスタンドに戻っていたが、田舎暮らしの退屈な日々に酒浸りの生活を送っていた。そしてスタンドの裏手でアキに出くわした裕子は、いきなり彼女からキスをされる…。
瀬々敬久