昭和晩年秋、海辺の町・唐津市呼子。家族の暮らしを守るため、心ない殺人を犯してしまい逃亡中の父・修治(時任三郎)の帰りを、4年たったいまでも待ち続ける9歳の息子・ツヨシ(小清水一揮)。そんなツヨシの純粋な心を優しく包む母・芳枝(工藤夕貴)は、母子の暮らしを懸命に支えていた。そして、毎年この時期になると交番前の掲示板へ貼り出される、父の指名手配写真にそっと触れるツヨシの姿を、新聞記者の岡本(西島秀俊)に目撃され、「父ちゃん、今年もまた会えたね」という記事を書かれてしまう。それは、事件の心ないうわさを蒸し返すと共に、意外な人々による暖かな反応も呼び起こすことになる――。昭和3年の佐賀県・唐津を舞台に、逃亡犯の父を持つ息子とその母親の絆と家族愛を描く感動作。
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図らずも逃亡犯となってしまった父親と彼を待ち続ける息子、そんな息子を必死に守り続ける母親——。『オリヲン座からの招待状』の三枝健起監督が贈る、厳しくも胸に迫る家族の物語『春よこい』が、舞台である佐賀での先行公開に続き、6月7日(土)に公開初日を迎えた。三枝監督ならびに、主人公の親子を演じた工藤夕貴と小清水一揮が舞台挨拶に登壇した。
佐賀県唐津を舞台に、誤って殺人を犯して逃亡した男の帰りを待ちわびる妻と息子のドラマを描いた『春よこい』。先日、佐賀での先行公開が始まった本作の東京での凱旋披露試写会が5月26日(月)に開催された。上映前の舞台挨拶に主演の工藤夕貴、時任三郎、宇崎竜童、高橋ひとみ、小清水一揮、犬塚弘、そして三枝健起監督が登壇した。