カラン、コロンという下駄の音を響かせ、牡丹燈籠を手に現れる女の幽霊。中国の説話を基にした三遊亭円朝の傑作のひとつである怪談話が、シネマ歌舞伎としてスクリーンに登場。新三郎(片岡愛之助)と、新三郎に焦がれ死にするお露(中村七之助)、幽霊と取引して金持ちになる伴蔵(片岡仁左衛門)とお峰(坂東玉三郎)、主人と女中を殺して逃げる宮野辺源次郎(中村錦之介)と主人の妾お国(上村吉弥)の3組の男女が絡み合いながら悲劇へと向かっていく、幽霊よりも怖ろしい人間の姿を描き出す。