イラストレーターの滝水浩一は、熊本と宮崎の県境にある、白鳥山に登った。すると山頂近くで突然雨が降り出し、浩一は上から駆け下りてきた女性とともに、洞窟に飛び込む。その女性は、滝水が入れたコーヒーを飲むと、一冊の手帳を残して、また雨の中へと去っていった。手帳の最後のページには「藤枝沙穂流」と書いてある。数日後、滝水は手帳を届けるため、沙穂流の家を訪ねる。だが、その家に住んでいたのは「藤枝詩波流」。よく似た名前だが、沙穂流とは全くの別人だった――。梶尾真治の小説を原作とした、演劇集団キャラメルボックスによる短編演劇“ハーフタイムシアター”を大スクリーンにて上映。
小林啓一