藩から上意討ちの命を受けた戌井朔之助。狙う相手・佐久間森衛の妻が妹・田鶴だったことから、朔之助は肉親の情愛と藩命の間で苦悩する。田鶴自身が剣術遣いでもあり、もし刃向かえば彼は妹を斬らなくてはいけない…。その朔之助が佐久間を探す道中に付き従うのは、戌井家に仕える若党の新蔵。彼は朔之助や田鶴とは兄弟同然に育った仲で、田鶴には主従関係以上の思いを抱いていた。妹を思う朔之助と、愛する人を死なせたくない新蔵。二人の男の心情は、田鶴との再会によって臨界点を迎える――。
篠原哲雄
10月より放送されるNHKの連続テレビ小説「カーネーション」の完成披露試写会が9月5日(月)に行われ、併せて主演の尾野真千子、脚本の渡辺あやが出席しての記者会見が開催された。
映画『小川の辺』が7月2日(土)に公開を迎え、主演の東山紀之をはじめ勝地涼、松原智恵子、藤竜也、篠原哲雄監督が都内劇場で行われた舞台挨拶に登壇。まもなくやってくる七夕にちなんで願いを書いた短冊を笹に飾った。
「武士というのは難しいものだな」——。映画の中で東山紀之演じる主人公・朔之助がつぶやく。この映画がなぜこうまで美しいのかがこのセリフに凝縮されている。現代においてもある種の称賛を込めて“武士”や“侍”という言葉が人物を形容するのに頻繁に使われるが、映画『小川の辺』からは、武士という生き方の不条理、そしてその不条理がゆえの美しさがひしひしと伝わってくる。「人を許せる、命を賭けて許せるということ」。朔之助の奉公人・新蔵を演じた勝地涼は、この映画を通じて感じた武士というものをこう表現する。決してセリフが多くなく、感情を露わにすることもない。その中で彼は何を感じ、表現したのか——?
映画『小川の辺』完成記者会見が6月7日(火)、都内で開催され、主演の東山紀之をはじめ、勝地涼、片岡愛之助、松原智恵子、藤竜也、篠原哲雄監督が出席。東山さんは映画の撮影が行われた東北地方への思い、家族への思いなどを明かした。
国民的作家・藤沢周平の短編小説を、東山紀之を主演に迎え映画化した『小川の辺』で、菊地凛子がヒロインを演じることが明らかになった。