時は江戸、享保の時代。徳川八代将軍吉宗(若山騎一郎)による質素倹約の改革が、江戸の町を寒々とさせていた。そんな幕府に対し、派手好みの尾張藩主・徳川宗春(海東健)は吉宗からお咎めの書状を受け取ったのを機に、甲賀の忍を呼び出す。吉宗の過去の愛妾を暴きスキャンダルを起こすことで政治への不満を爆発させようというのだ。それに対し吉宗は、紀州のくノ一を使い、甲賀の忍に捕らえられる前に愛妾たちを殺そうとする。ここに、忍法合戦の火蓋が切って落とされる――。1990年代に一世を風靡した伝奇忍者小説「忍法帖」シリーズを、原作者の山田風太郎没後10年を記念して映画化。
菱沼康介