年⽼いた美術商のオラヴィは、家族よりも仕事を優先して⽣きてきた。ある⽇、⾳信不通だった娘から電話がくる。問題児の孫息⼦オットーを職業体験のため数⽇預ってほしいというお願いだった。その⽮先、オラヴィはオークションハウスで⼀枚の肖像画に⽬を奪われる。価値ある作品だと確信したが、絵には署名がなく、作者不明のまま数⽇後のオークションに出品されるという。オットーとともに作者を探し始めたオラヴィは、その画⾵から近代ロシア美術の巨匠イリヤ・レーピンの作品といえる証拠を掴む。どうしても「幻の名画」を⼿にいれたいオラヴィは資⾦繰りに奔⾛するが、その過程で想像もしていなかった娘親⼦の過去を知る――。
クラウス・ハロ