1979年のイラン(イスラム)革命によりイラン皇帝が倒れると、最高指導者ホメイニが権力を握り、政治的に対抗する数万人の人々を逮捕、殺害させた。逮捕された囚人の中には監督の両親も含まれており、二人は何年も収容所に収監された後、命を永らえドイツに逃れた。この迫害と刑務所での体験は、家族の間でも語られることはなかった。現在女優、そして作家としても活躍しているザレーが長年の沈黙の壁を破り、カメラを通じて自身の誕生の場所とその状況に切迫する。高い評価を受けた本作は、2020年のドイツ映画賞ドキュメンタリー部門でノミネートされた。
マリアム・ザレー