中学生の秋は吃音を抱えており、授業中に発言を求められるが言葉が出ない。担任とも言葉のやり取りはない。本が好きな秋は、図書館で世界地図や社会問題の本をよく借りる。ススキが実る秋の川沿いの帰り道を洋楽を聴きながら帰る。家では母親がいつもピリピリしており、寝たきりで話せないおばあちゃんがいる。おばあちゃんの隣に座り込み借りてきた本を読む秋。 ゆうみは音楽を人生にしてきた。好きで始めたはずなのに、焦りが生まれるようになっている。バイト先のバーではサラリーマンに好きな事を人生にしていてすごいと言われるが、何も言い返せない。夜の帰り道、目をつぶりながら自転車をこぐゆうみ。 好きなこと、未来を見つめる2人の時間が、それぞれ流れていく。
cocoレビューを見る塚田万理奈