関東近県の、青空が突き抜ける、それでいてちょっとたそがれた中都市。イマドキの女子高生・笑美子“ワラ”(石原さとみ)は、一見普通に学園生活を送りながらも、心の底に闇を抱えている。ふと出来心で病院の屋上のフェンスを乗り越えた時、妙な関西弁を操る入院患者の少年、井出埜辰耶“ディノ”(柳楽優弥)に出会う。手首の切り傷を「料理している時に失敗して切っただけ」と言い張るワラの心の闇を直感的に見抜いたディノは、ワラの乗り越えたフェンスにワラの手首に巻かれていた包帯を結び付ける。それは、青空になびく白い旗のよう。そうしたら気持ちがなぜか、スゥーッと楽になったワラ。包帯って、心にも効くの!? それが「包帯クラブ」の始まりだった…。関東近県の町を舞台に、傷付いた場所や風景に包帯を巻いて癒すという「包帯クラブ」を結成した高校生たちを主人公に描く青春映画。原作は「永遠の仔」の天童荒太の同名小説。
堤幸彦