屋上が公園になっている、少々くたびれかかったラブホテルのオーナー、艶子(りりィ)。夫が蒸発した後も、彼女が頑なに守り続けるこのホテルには、老人や子供が次々と訪れては都会生活による心の疲れを癒していく…。公園に迷い込んできた様々な世代の女性たちと、つましく暮らす女性オーナーの心の交流を優しい眼差しで見つめた物語。第17回PFFスカラシップ作品。熊坂出監督の長編デビュー作にして第58回ベルリン国際映画祭にて最優秀新人作品賞を受賞。
熊坂出
映画の新しい才能と育成をテーマに、未発掘のインディペンデント映画の面白さを伝えてきた、映画監督の登竜門とも言うべき「ぴあフィルムフェスティバル(PFF)」。今年で記念すべき30回を迎える同映画祭が、7月19日(土)より一週間にわたって開催される。
先日開催された第58回ベルリン国際映画祭で、最優秀新人作品賞に輝いた『パーク アンド ラブホテル』。屋上に小さな公園を持つラブホテルに集う人間たちの姿を描き、26候補作の中から日本映画としては初の快挙となる同賞を勝ちとった。2月20日(水)、受賞記念記者会見が行われ、ベルリンから帰国した熊坂出監督と荒木啓子プロデューサー、主演のりりィ、ちはる、神農幸が出席した。
矢口史靖(『ウォーターボーイズ』)や李相日(『フラガール』)など、日本の映画界を背負って立つ映画監督の数々を世に輩出してきた、ぴあフィルムフェスティバル(PFF)。その2005年度でトリプル受賞を果たし、PFFの映画製作援助システム、PFFスカラシップ作品の第17作目に選出された熊坂出(くまさか・いづる)の長編デビュー作『パーク アンド ラブホテル』が、ベルリン国際映画祭で、最優秀新人作品賞を獲得した。