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【文豪を演る】インタビューvol.6 水川あさみ as 太宰をやりこめる女・キヌ子

太宰治が入水自殺するその前日まで連載が続けられており、結末は太宰が墓の中(水の中?)まで持って行ってしまい、未完の遺作となった「グッド・バイ」がドラマシリーズ「BUNGO−日本文学シネマ−」で蘇った。意外にも、と言うべきか太宰が最後の最後に書き連ねていたこの作品、“死”を感じさせるようなものではなく、どこかとぼけた2人の男女——田島(≒太宰)と絶世の美女であり、男勝りな性格を持ったキヌ子——の滑稽なやり取りに思わずクスリとさせられる。田島を演じているのはミュージシャンの山崎まさよし、そして勝気なキヌ子を水川あさみが演じている。“恋多き男”に魅せられることなく、逆に田島、すなわち太宰をやりこめる女、という太宰作品において異彩を放つキヌ子を水川さんはどのように演じたのか? 話を聞いた。

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「グッド・バイ」 水川あさみ -(C) 日本文学シネマ製作委員会
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  • 「グッド・バイ」 水川あさみ -(C) 日本文学シネマ製作委員会
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太宰治が入水自殺するその前日まで連載が続けられており、結末は太宰が墓の中(水の中?)まで持って行ってしまい、未完の遺作となった「グッド・バイ」がドラマシリーズ「BUNGO−日本文学シネマ−」で蘇った。意外にも、と言うべきか太宰が最後の最後に書き連ねていたこの作品、“死”を感じさせるようなものではなく、どこかとぼけた2人の男女——田島(≒太宰)と絶世の美女であり、男勝りな性格を持ったキヌ子——の滑稽なやり取りに思わずクスリとさせられる。田島を演じているのはミュージシャンの山崎まさよし、そして勝気なキヌ子を水川あさみが演じている。“恋多き男”に魅せられることなく、逆に田島、すなわち太宰をやりこめる女、という太宰作品において異彩を放つキヌ子を水川さんはどのように演じたのか? 話を聞いた。

10人の愛人を抱えてどうにも身動きが取れなくなった田島が、偶然知り合ったキヌ子を“妻”として、彼女を連れてそれぞれの愛人の元へ赴き“グッド・バイ”を告げるという本作。キヌ子は、そんな田島にあきれつつ、彼から“出演料”をせしめていく。戦後間もない時代を舞台にしており、女手一つでクールに生き抜くキヌ子の姿が目を引くが、実際の水川さんはキヌ子と似ている? それとも…
「私と似ている点…男っぽいというところでしょうか? 私がキヌ子の立場だったら、キヌ子と同じように田島を張り倒したり、説教してしまいますね、きっと(笑)。でも、いくらお金を貰ってもキヌ子の様に(妻のフリをすること)は出来ないかもしれません」。

では、水川さんの目に、田島(≒太宰)は魅力的に映るのだろうか?
「きっと魅力的だったんでしょうね。そこまで女性が絶えることなく常に居て…私は…嫌です(笑)」とこちらはハッキリと拒否! 

劇中のキヌ子はあきれつつも「やれやれ」といった感じで田島の“グッド・バイ行脚”に何だかんだと付き合うことになる。どこか「男っていう生き物は…」といった温かい視線のようなものも感じるが…。
「何か、母性的な感情なのだと理解しました。キヌ子が『しょうがないな』という気持ちになるのは…。私自身は男性に対して『男っていうのはしょうがない』と思うことはありません。キヌ子の母性的なところは…少し理解できます」。

さて、この「BUNGO」シリーズ恒例の一問。水川さん自身の読書体験について。小説、雑誌、漫画を問わず普段、どんな作品を読んでいるのか聞いてみた。
「作品に入っていなければ本は読みます。でも、どちらかと言うとマンガの方が好きです。いくえみ綾さんや浅野いにおさんが好きです」。

今回の役柄を演じる上で「話の中にも出てくる様にカラスの様な声を少し意識した」と言う水川さん。「今後演じてみたい役柄は?」と話を向けると「いま、この役をやりたい! というよりは、いただいた役を演じることの方が大事かと思っています。とにかく、1つのイメージにとらわれることなく色々な役をやりたいと思っています」という答えが返ってきた。まさにその言葉通り、作品ごとに様々な表情を見せてくれる彼女からしばらく目が離せそうにない。まずは山崎まさよしさんを張り倒す本作での女っぷりをご堪能あれ!

© 日本文学シネマ製作委員会

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<BS-TBS>
「グッド・バイ」3月27日(土)18:30〜放送

BUNGO-日本文学シネマ- グッド・バイ DVD
価格:2,993円(税込)

BUNGO−日本文学シネマ− DVD-BOX
価格:13,125円(税込)
発売日:6月19日(土)

公式サイト:http://www.bungo.jp
《シネマカフェ編集部》

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