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安藤サクラ、女優賞W受賞の快挙に「子孫にも感謝」と珍挨拶も監督は涙

第86回キネマ旬報ベスト・テン表彰式が2月10日(日)に都内で開催され、作品賞に輝いた『かぞくのくに』のヤン・ヨンヒ監督、同賞の歴史で初の主演・助演女優賞をW受賞の快挙を…

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第86回キネマ旬報ベスト・テン表彰式(三浦貴大&橋本愛&森山未來&安藤サクラ&小日向文世)
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第86回キネマ旬報ベスト・テン表彰式が2月10日(日)に都内で開催され、作品賞に輝いた『かぞくのくに』のヤン・ヨンヒ監督、同賞の歴史で初の主演・助演女優賞をW受賞の快挙を成し遂げた安藤サクラ、主演男優賞の森山未來、新人女優賞の橋本愛ら受賞者が顔を揃えた。

『かぞくのくに』で自身の実体験を基に、帰国事業で北朝鮮に渡り、四半世紀ぶりに病気療養のため日本へ帰ってきた青年と日本に残って暮らしてきた家族の再会を描いたヤン監督。トロフィーを受け取り「とても重いです」と感慨深げだ。

本作を携えて各国の映画祭を回っていた頃には「今後、映画制作をやめるなら家族に会わせてやる」という脅しのような言葉を当局から掛けられたそうだが、「迷うことなくそう言ってきた人にこの映画の試写状を送りました(笑)」と明かす。本作以前にドキュメンタリーを発表していた頃から、日本国内に住む家族への嫌がらせもあったが「母は愚痴一つこぼさずに『体に気をつけろ』と言ってくれます。北にいる家族もこっそりと応援を送ってくれる。(家族は)誰も私に『やめろ』と言わないのがありがたい」と感謝の思いを口にした。

自身の授賞の際には時折、言葉を詰まらせながらも涙をこらえていたヤン監督だったが、同作で主演女優賞を受賞した安藤さんの姿を見ると堪えきれず涙をこぼした。映画の中で安藤さんは若い頃のヤン監督自身を演じているが、監督は「映画を観た母親に『あんたの若い頃にそっくりの女優さん、どこで見つけてきたんや?』と言われました」と明かす。

一方、安藤さんは涙とは程遠いユーモラスな発言を連発。最初に聞いたときはW受賞の重みに「頭がグルグルして神経性の胃腸炎になった」そうだが、「本当に感謝の気持ちで爆発しています」とニッコリ。「母親、父親、じいやん、ばあやん、先祖、子孫、通りすがりの知らない人にも感謝。感謝の気持ちが宇宙に向けて爆発してます」と熱く語り、会場は爆笑に包まれた。

“家族”がテーマの作品とあって、受賞に際して家族の中で一番喜んでいたのは誰? と尋ねると「みんな『オレが、オレが』って感じです(笑)」と明かす。改めて夫で俳優の柄本佑へのメッセージを求められると、「私が受賞をどうしたらいいか分からずにお腹が痛くなっていると、夫は『素直に喜べよ』と言ってくれて私以上に喜んでくれました。まだ結婚して1年も経ってないし、何て言っていいか分からないけど…ありがとう!」と語り、会場は温かい拍手に包まれた。

『アウトレイジ ビヨンド』で助演男優賞に選ばれたのは、小日向文世。トロフィーを手に「(キャリアを通じて)映画の賞をいただくのは今回が初めてです」と意外な事実を明かすと、会場はどよめいた。本作はシリーズ2作目にあたり、さらなる続編を期待する声もある。ただ、本作で小日向さん演じる刑事・片岡が迎えた結末を踏まえ「まだ観たいというファンは多いけど僕は…」と微妙な表情を見せていた。

『桐島、部活やめるってよ』『アナザー/Another』『ツナグ』など数多くの作品で強い印象を残し新人女優賞に輝いた橋本さんの挨拶も安藤さんに負けず劣らずユーモアたっぷり。過去の出演作を念頭に「血糊が似合っていろんなホラーに出て、妖怪も2回やり、やっと青春映画(=『桐島~』)に出られると思ったらゾンビに首を持っていかれました」と苦笑い。昨年1年、そして現在の自らの立ち位置について「漕ぎ出される舟に乗って、流されるままに2012年は活躍しているフリをしてましたが、やっと子宮から出てきたような思い。まだ生まれて1年も経ってない赤ん坊だと思います」と語る。そして「こんなクソガキを愛してくださったみなさんのおかげで、『生きていてよかった』と思えるこの瞬間に巡り合えています。ありがとうございました」と感謝の思いを口にした。

同じく新人賞を授与された三浦貴大は「新人っぽい年齢でもなく今年28歳で、フレッシュでないのが申し訳ない」と語り笑いを誘う。父(三浦友和)、母(山口百恵)からは「メールで」祝福の言葉が届いたそうだが、改めて役者としての父親の存在について尋ねると、「いまの僕にとって父はある種の“夢”かなと思います」と胸の内の思いを明かした。

『苦役列車』で主演男優賞を初めて受賞した森山さんは、この日が北九州での芝居の公演の最終日で、公演終了後に飛行機に飛び乗り、羽田空港から一路、会場の銀座へ。途中、渋滞に巻き込まれながらも表彰式の終了間際に到着し、最後にトロフィーを受け取った。今回の役柄について「現場で山下(敦弘)監督とコミュニケーションを取りながら作り上げていった」と述懐。一方で「どちらかと言うと出来上がってからが“苦役”でしたね。いろんな人が勝手にいろんなことを言うし、興行的にもね…(苦笑)」とも。だからこそ「こうして賞がいただけたことが嬉しい。スタッフのみんなには早く届けたい」と受賞の喜びを語った。

「第86回キネマ旬報ベスト・テン 受賞結果一覧」
日本映画作品賞:『かぞくのくに』
外国語映画作品賞:『ニーチェの馬』
文化映画作品賞:『ニッポンの嘘 報道写真家 福島菊次郎90歳』

日本映画監督賞:周防正行(『終の信託』
外国映画監督賞:マーティン・スコセッシ(『ヒューゴの不思議な発明』
脚本賞:内田けんじ(『鍵泥棒のメソッド』

主演女優賞:安藤サクラ(『かぞくのくに』
主演男優賞:森山未來(『苦役列車』
助演女優賞:安藤サクラ(『愛と誠』『その夜の侍』ほか)
助演男優賞:小日向文世(『アウトレイジ ビヨンド』ほか)

新人女優賞:橋本愛(『ツナグ』『桐島、部活やめるってよ』ほか)
新人男優賞:三浦貴大(『ふがいない僕は空を見た』『あなたへ』ほか)

読者選出日本映画監督賞:内田けんじ(『鍵泥棒のメソッド』
読者選出外国映画監督賞:ベン・アフレック
キネマ旬報読者賞:大高宏雄(連載「ファイト・シネクラブ」)
《シネマカフェ編集部》

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