フランスから、素敵なアニメーションが届きました。2007年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門で審査員賞を受賞した『ペルセポリス』。1970年から20年間にわたって描かれる少女・マルジャンの物語で、祖母、母、娘と3代にわたる家族のエピソードがユーモア混じりに描かれている作品です。本作がユニークなのは、舞台が混迷するイランであるということ。戦争による空爆、圧政、隣人の密告など、過酷な現実に脅かされながらも、ロックミュージックを愛する反抗心いっぱいのマルジと、ユーモアを忘れずに人間らしく生きようとする家族の姿が胸を打つのです。