宮崎あおいがNGO職員に扮した『闇の子供たち』で阪本監督がタイの“闇”に光を当てる
児童売買に、臓器密売…。人間の傲慢さと欲望によって引き起こされる“闇”を暴く、梁石日の同名長編小説を映画化した『闇の子供たち』。『顔』、『亡国のイージス』など、人間の内面を克明に描き、高い評価を受けてきた阪本順治の指揮の下、酷暑のタイで撮影が敢行された本作が完成。今夏の公開に先駆けて、3月21日(金)、完成披露試写会が開催され、多くの著名人やマスコミ関係者で満員となった客席を前に、阪本監督による舞台挨拶が行われた。
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物語の舞台はタイ。金銭と引き換えに命を取引される子供たちを救うため、取材に出た3人の日本人、現地在住の新聞記者・南部、NGO職員・音羽、そしてフリーカメラマンの与田が、壮絶な現実にもがき奮闘するさまを描いている。
この企画に賛同し、阪本監督の元に集まったのは、江口洋介、宮崎あおい、妻夫木聡、佐藤浩市といった、まさに人気と実力を兼ね備えた豪華なキャスト陣。また、不動の人気を誇る桑田佳祐が本作に共感し、主題歌「現代東京奇譚」を書き下ろしていることで早くも注目を集めている。
「映画は日陰、暗闇にあるものに光を当て、浮かび上がらせるものだと思っています」と語る阪本監督。またも社会問題を取り上げた本作について「いつか光を当てないといけなかった闇を描いていますが、それは、戦争や環境問題、いじめなど、いま世界中に起こっている出来事に共通する、全ての根っこになっている問題だと思っています。『闇の子供たち』は、ただタイの問題だけを告発するために作った作品ではなく、日本人に興味を持って作ったものです」という。最後に、「決して癒される作品ではありませんが、もしこの作品を観て心に響いたものがあれば、みなさまにとっていい事件の日になってもらえることを願います」とメッセージを贈った。
『闇の子供たち』は今夏、シネマライズほかにて公開。