江口洋介「問題について考え続けていくことが大切」 『闇の子供たち』ティーチイン

タイで現実に行われている、罪のない子供たちを“商売道具”として扱う人身売買や臓器密造に迫った『闇の子供たち』。5月16日(金)に本作の試写会が行われ、上映後のティーチインに主演の江口洋介、阪本順治監督が登場した。

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『闇の子供たち』ティーチイン。主演の江口洋介と阪本順治監督
  • 『闇の子供たち』ティーチイン。主演の江口洋介と阪本順治監督
  • 『闇の子供たち』ティーチインにて。江口洋介
  • 『闇の子供たち』ティーチインにて。阪本順治監督
タイで現実に行われている、罪のない子供たちを“商売道具”として扱う人身売買や臓器密造に迫った『闇の子供たち』。5月16日(金)に本作の試写会が行われ、上映後のティーチインに主演の江口洋介、阪本順治監督が登場した。

本作で演じたタイ駐在の新聞記者・南部について「これまでに演じたことのない役柄」と語る江口さん。「阪本監督には以前から何度かオファーをいただいていて、いつか一緒にやりたいと思っていたんです。初めてこの映画の台本を読んだときは、自分の役についてというよりも、映画全体として『どういう人が観て、何を思うのか?』など、本当にいろんなことを考えました。そこから自分の中で整理がつくまでに、1週間ほどの時間が必要でした」と出演を決めるまでの経緯について明かしてくれた。映画での南部は、原作と少し設定が異なり、かなり複雑な人間性を持った役となっている。役作りに関して江口さんは「南部の持つ闇の部分について、監督とじっくり話し合いました。役を掘りげていくことで、自分の中に『この役をやる意味があるんだ』というエネルギーがわいてくるのを感じましたね」と語ってくれた。

阪本監督はこの映画の製作過程で「自分の国ではなくタイを描くということ」「虐待をどのように描くか」という点に最も気を遣ったと言う。「この映画は決して、タイの恥部を明かす、という映画ではありません。ですからまず、子供たちを買う人間がいるという点をきちんと描かなくては、と思いました。それから、虐待のシーンについては、子供たちに正面から向き合い、説明を何度も重ねました。その上で、“大人を見返す強い眼差しを持っている子供を起用すること”“子供には絶対に大人の裸体を見せないこと”などをルールとして撮影に臨みました」と説明した。

そしてこの映画をどのような人たちに観てほしいかという問いに監督は「日本でも出会い系などで体を売っている人たちがいますが、彼女たちにこの現実を見てほしいと思います。また、私自身、これまで知っているようなふりをして、この問題を遠いものとして考えていました。ですので、これまでの私と同じようにこの問題を違う世界の問題として捉えている人にぜひ観てほしいです」と真剣な表情で語った。

江口さんもいまなお行われている人身売買の問題について「僕自身、子を持つ親として決して他人事ではありません。この映画に出演後、ニュースなどで社会問題が伝えられると、どこかでこの映画に繋がっているように感じるようなりました。自分に何ができるのか、簡単に答えは出ませんが、考え続けていくことが大切なのだと思います」と語った。

『闇の子供たち』はこの夏、シネマライズほか全国にて順次公開。
《text:cinemacafe.net》

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